あまりに妄想がすぎる

 最初に断っておくが日本の政治が成熟するためには与党に対抗できる野党の存在は大事だしそういう野党を応援したいと思っている。それは健全な民主主義、健全な議論ができる場を設ける為にカウンター側の存在というのは大切だと思っているし私自身その立場でありたいと思っているからだ。しかし今与党に変わって野党に政権を任せてみよう、という空気は皆無に等しい。
政府は沖縄県に対して23日から来月20日まで緊急事態宣言の発令を決定した。また既に緊急事態宣言中の東京、大阪などには延長論も出ている。世論調査で政府のコロナ対策について約7割の人が評価しない、と答えている。
先日菅内閣の支持率が発足後最低の約33%と発表された。
ここで注目したいのは不支持の理由と支持の理由だ。不支持の理由で多かったのは総理の指導力に期待が持てない、と総理に信頼ができないが合わせて約6割と多くの有権者が菅総理の人間そのものに信頼を寄せていない。にも関わらず支持理由で一番多いのが他に良い人がいないから、というのもおよそ5割強いるという現実だ。
現役総理を信用できないのに他に良い人がいないから妥協して自民党に票を入れるかまたは棄権している人も少なくないということだ。これは非常に不幸な話だ。
これはやはり野党が先程も述べた通り受け皿として機能していない、スープをいれてもその皿が割れてる為こぼれてしまっているのが1つの原因だ。
先月3つの国政選挙があり、全てで野党候補が当選した。これを野党共闘の賜物と喜ぶ向きもある。それは一定の結果は出たとは思う。しかし本当に野党に風が向いてるかというと中々そうはいっていない。
それは広島の再選挙を見ると分かる。今回の選挙で最も象徴的な選挙はやはり広島であった事は間違いない。「政治とカネ」というワードが強烈にこの選挙区を支配し有権者の投票行動でもそれを一番に考えで票を入れる、と答えた人が多かった。にも関わらず地区によっては逆風の吹いている自民党候補の方が得票数が多いところがあった。本来なら野党候補が圧勝していなければいけないのにこういう事なのだ。
20日、立憲民主党の枝野幸男代表が自身の著書を発表したそうだ。来る総選挙の前にどういう社会像を描いているか示す必要がある、という事で出版したらしい。そしてそこには「総理になる準備が整い覚悟ができた」と記されている。これを見て物凄く違和感を覚えた。総理になる準備?覚悟?おいおい何を寝ぼけてるんだ?と。
現在立憲民主党の政党支持率は5%の前後を行ったり来たりだ。そんな状態で総理になる準備ができた、とは一体どういう事なんだろう?ハッキリいって私もコロナ対策や政権発足後の逆らった人間は人事で飛ばすなどの発言からこの内閣は1日も早く終わらせた方がいいと思っているしそれには野党第一党が力をつける事には応援したい。しかしいくら菅内閣が発足後最低の支持率でも立憲はその約1/7~1/9しか支持率がない。つまり選挙区で一対一の構図に持ち込んでも与党の方が勝つ確率が高いという訳だ。その現実を踏まえていればその発言は出ないだろうし、もしそれを踏まえての発言なら妄想が過ぎるし、踏まえてなくてのものだったら悪ふざけが過ぎるというものだ。

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