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【全力一棟リノベ】土木までやるバリューアップ

割引あり

年頭に取得した一棟物件の【過剰】バリューアップが完了したので、
この記事に綴っていくことにする。

そう、某地銀に煮え湯を飲まされた…あの物件だ。

「決済の3日前否決」から、免許業者でないにも関わらず、PJ融資を使うというウルトラCで、決済自体は一旦事なきを得た。

されども、当該物件は競争力のある駅5分内の立地、[いつか実需の邸宅を建てても面白い]なんてことが想像されるほど、売りたくないアセットだ。

後日談として、決済から1-2ヶ月程度で他金融機関にて、PJ→長期(20年)への借り換えは目論見通りに実現した。しかしながら、約8500万円の既存PJ融資に対し、長期で引けた融資は5500万円。実に3,000万円(の全力)を突っ込んでギリギリのバランスをとった状況である。


死にそう。


とはいえ、私が取得した一棟モノは、平成初期の鉄骨造。
しかも建築当初から大きな修繕はなされていない代物だ。

全18世帯のうち、取得時点の稼働は13世帯。
最低ラインとして、5戸の空室修繕と売買契約締結契約後に判明した臨界点(あと3cmで大事故)を迎えつつある屋上防水工事、これらはやる必要がある。

始まる、バリューアップ

室内はよくある三点ユニットな1R。

居室のビフォー・アフター

これを

ビフォー

こう!

アフター

これを…

ビフォー

こう!

アフター

屋上のビフォー・アフター

これが

ビフォー

こう!

アフター

外構のビフォー・アフター

また、パッと見の印象を良くするためにも、
エントランス周りと道路面のブロック塀(+目隠し)もキレイにしたかった。

これが

ビフォー

こう!

アフター


これらの終わりが見えた頃、諸々を段取ってくれている修繕業者さんから、連絡が入った。

修繕)「関田さん、『外壁やらないのか?』って職人にめちゃくちゃ言われます」
関田)「そんなに酷いの?」
修繕)「コーキングは切れてるし、亀裂も結構、せっかく屋上ばっちりやっても、これだと…」
関田)「うーん、おいおい考えます…」

そんな返事をしていたところ、
全く別件の保有7-8年目な「都下木アパの売却」が見えてきた。

これは…利益が出てしまう予感がするっ!

資産管理(妻)法人の決算期は9月締めだ。

今(当時は6月頃)から段取りすれば、こっちの大規模修繕も9月に入れ込めるのでは…?という考えに至る。

いざ、大規模修繕工事。

それ(売却益)を当てにしつつ、本格的に外壁を含む大規模修繕に向けて動き出した。尚、色味については、波乗りニーノさんが健美家に掲載されていた品番をオマージュさせてもらった。(五分艶は施工業者に嫌われたので、一部だけ)

外壁塗装、準備段階のイメージつかみ

前述したとおり、品番(カラー)の組み合わせは大まかに決めていた。

J65-30D(紺色)
J05-30D(赤茶)
J17-30F(茶色)

ニーノさんオマージュ

とはいえ、色合いをどこで切り分けたり、配色を逆転させてみたりといったことを頭の中だけで処理するのは難儀だ。

施工業者様に伝えるにもこっちでイメージを作って共有したい。

そんなところで、iPadに入れてある「なぞってリフォーム」を活用した。

写真は現地確認時に唸るほど撮影済みだ。

それを取り込んで、「面選択」で塗り込んでいく。

元画像
塗り込み

もちろん、光の加減によるリアルなテカリ具合などは出てこないが、大まかなイメージをつかむには十分だろう。

そして

共用廊下のビフォー・アフター

これが…

廊下ビフォー

こう!

廊下アフター

外壁塗装のビフォー・アフター

これを

外壁ビフォー

こう!

外壁アフター

軒天井のビフォー・アフター

そして、エントランス軒天に、以前から気になっていたタカショーの「エバーアートボード」を導入してみた。

施工業者様からは

「塗装でいいんじゃないですか?」
「出来る職人が見つからない」
「メーカーから施工屋紹介してもらえないんですか?」

等々、言われていたものの、

(関田)「アクセントに入れたい」で主張、
(業者)「やったことある職人みつけたので、出来ます!」と着地。

これが

(ビフォー)

こう!

(アフター)

メールボックスのビフォー・アフター

そうなってくると、
今度は集合ポストも古さが際立ってしまったので、
これも

ビフォー

こう!

アフター

ちなみにこちらは、Nastaの横入前出タイプ。
表面をダイノック施工…とかしないでも、元からカラーが多彩で木目もあるシャレオツメールボックスだ。


廊下からエントランス部分の見た目は
こんな感じだ。

これが…

ビフォー

こう!

アフター

そんなこんなで仕上がってきたわけだが、
当該物件においては、
取得前から
「ここを改善したい」というポイントがあった。

【前面道路】

そう、タイトルに有る「私道」だ。

実際の写真 乾燥時


この令和の時代にも関わらず、
見まごうことなき「砂利道」である。

せっかく内外装を万全に整えたところで、
この前面道路で全てが劣後するように見えてしまう。

特に雨天後は酷い

特に雨が降った後の状況は酷いもので、ここに面した全ての物件の価値を貶めている状況だ。

く…悔しい。

アスファルト舗装したい。

私道の規模と内容


前面道路の権利的な状況を整理してみる。

道路法の公道・私道で言えばもちろん私道

建築基準法上は
幅員4m、奥行き約41-43mの
位置指定道路だ。

本地と位置指定道路の所有権の関係図を色分けしてみる。
次の画像のうち、
黄色箇所が自分の物件・及び単独持ち分のある私道箇所だ。

所有者多くない…?

筆が細かく切れたパターンの私道、
不動産売買を本業での生業としているので、
こういった形態の道路自体は決して珍しくはない。

基準法上も明確となっている指定を受けた「位置指定道路」。
再建築自体も現況の幅員が満たされていれば問題ない。

ただ、今回やりたいのは道路舗装だ。
普通に考えると所有者たちの同意がいることは自明の理。

「多いな…。」

ファーストインプレッションで「面倒」のワードが浮かび上がる。
自分を含めて10物件のホルダーへ通知・同意・費用負担の交渉等…。
そして、それをやったところで物件のリーシングや売買価格への反映が、どの程度あるのかなんて読めない。

そりゃ、誰も率先して動くことはしないだろう。

ただ、自分の持っている物件をフラッグシップ状態に持っていくには、ここの改善は必須だ。

それに、どう考えても道路舗装をすることで、マイナスに作用する人たちはいないだろう。
最終的に、費用をこちらで負担すれば工事自体への反対は無いのではないだろうか…。

そんなことを考えて、方策を練る。

そもそも、いくら位の費用がかかるものなのだろうか、
それによっては全額自己負担でもやる意義がある。

ただ、過去に敷地内の一部をアスファルト舗装するレベルのことはあっても、純粋な「道路そのものの舗装」となると、経験がない。

既存の付き合いある修繕業者に2-3見積もり依頼をしてみるものの、これは完全なる土木工事。不動産と建築がはたからみると一括りに見えるように、外構と土木はやはり別物らしい。全然見積もりが上がってこない…。

工事業者選定

「もう、ネットで探そう。」

困ったときはインターネット。

Google先生に「〇〇市 道路工事 アスファルト舗装」などで検索。

・どこよりも安く、安心舗装!
・創業◯◯年!
・公共工事やってる!

等々、様々なアピールを眺めつつ、
まともそうなWebサイトの雰囲気のあるところを3つほどピックアップ。

そこから、各社をGoogleマップで眺めつつ、実態(事務所)があるか、星の評価などを最低限チェック。

「キミにきめたっ!」

フィーリングで隣接市内にある、◯◯工業を選定して
お問い合わせフォームから見積もり依頼。

43m✕4m=172平米。
外構業者さんなどが掲載しているアスファルト舗装単価だと「5000円前後から」といった情報がWeb上では見つかったので、
単純計算だと86万円。
とはいえ、これは「道路」だ。
本格的な土木工事、100万円は余裕で超えてるはず、200万円くらいだろうか…。

ファーストアプローチで依頼した見積もりは2つ。
①:約41-43m私道全体のアスファルト舗装
②:私道入口から自分の物件の前面までをアスファルト舗装

もちろん前者①のほうが、見映えも有用性も圧倒的に上だ。しかしながら、コストの差があまりに大きいのであれば、後者②の自分のところ(まで)だけで着地する可能性も考えておきたい。

しばらくして、土木業者様からお見積り付きのメールが帰ってきた。

工事業者からのメール

添付されてきた見積もりは、
①:170万円 <私道全体
②:140万円 <自分の物件の前まで

私からのレス

そりゃ、+30万でより完璧なものになるのであれば、そうしたい。
物件の外観写真を撮影したときに、奥だけ砂利道っていうのものイマイチだろうし。

そこから、2ヶ月ほど経過し…
煮詰まったお見積り+仕様図が到着。

なんと

「役所の事前協議まで終わっている」という丁寧さ。

おうおう、なんだい、正式見積もりまでやたら時間かかるから、蔑ろにされているのかと思えば、期待を上回ってくるじゃん!いいね、いいねぇ。


そして開いた正式お見積金額、

「税抜約540万円」。


消費税含合計金額 【約600万円】

ふぁっ!?

(  Д ) ゚ ゚

内訳書を見ると雨水施設工事が舗装工事と同じくらい掛かってる。



単価や数量を見る限りは、適正な雰囲気を感じる内容ではある。

電話で詳細をヒアリングすると、<補助金を受けるに足る仕様>にすると、こうなってくるらしい。
そもそもの舗装工事に向けた動機としても、雨天時の酷い状況の改善は切望していた部分であるため、これをベースにいくのが妥当だろう。


こいつぁ…、なんとしても補助金貰わねば。

私道舗装の補助金

土木業者様に教えてもらう以前にも、売買契約を締結したタイミングの前後で、「あ、なんか補助金的なものあったりするんじゃね?」と思いついて、検索していたため、概略は把握していた。

自治体(市)のWebサイトに発見した内容は次のとおり。

該当してる

マックス300万円、かつ事業費の3分の2。

今回であれば事業費はざっくり600万円、
なら最大を得ることができれば半分か。
(消費税含むか否かは未確認)

これは流石に補助金欲しい、というか必須だ。

いざ補助金へ


いよいよ確定的な見積もりも上がってきたので、
これでようやく具体的な相談ができるっ!と、市役所へTEL。

関田「【私道の舗装工事への補助】について詳細を聞きたいのですが…」
担当「はい、担当です。こちらは私道を整備するのにコミュニティ施設整備事業として要件を満たした上で、10月までに申請翌年4月の議会承認を経て内定となります。」
関田「ゴールまでかなり長いんですね。これってどのくらい実績のあるものなんですか?」
担当「令和元年に制度ができてから、過去3件ほどです。」
関田「(ハードル高そう)必要書類は見たので、具体的に相談に伺いたいのですが」
担当「◯日なら予定が空いています。」
関田「そこで行きます。」

<数日後>

役所に到着、担当様にご挨拶。

関田「それで、この場所の砂利道がひどい状態なので、アスファルト舗装をしたいと思っていまして」
担当「あぁ、そこなら以前にも相談がありまして」
関田「えっ、そうなんですか?」
担当「はい、それで現地を見たのですが、奥のほうが若干幅員が足りませんでして、そのまま適用外となっています。」
関田「え?あの砂利道をどこからどう測って足りないって判断したんですか?(イラッ)」
担当「当時(2年ほど前)の記録だとそこまで残ってないですね。」
関田「こちらでも測量士の先生に測ってもらいますね。それで満たしていれば、適用条件に載ってきますよね。」
担当「はい、もし合致していれば取り上げることはできますが、その後に全員の同意(署名捺印)と議会での承認を経て初めて適用となります。もう賛同いただける見込みですか?」
関田「まだ走り出す前です。提案すらしていません、これからです!(イラッ)そもそも、幅員4mあるから位置指定道路って認定したの◯◯市じゃないですかっ」
担当「あくまでも現況なので…」
関田「その現況って、この砂利道のどこから測ってるんですか?」
担当「うちの方でも、もう一度現地当ててきますので…。」

そんなやり取りをしつつ、(埒が明かないので、)
お付き合いある土地家屋調査士の先生に簡易の現況測量を依頼。

数日後、役所にTEL。

関田「あそこの道路の件なんですけど、どうでしたでしょう?」
担当「現地を見てきまして、奥の方のブロック塀とその向かい側のコンクリートのタタキのあたりが2cm足りませんでした。
関田「2cm!?、2センチ?」
担当「はい、それなので現況だと要件に乗らないかと…」
関田「ブロック塀とタタキがなんで私道のハシの認識なんですか?道路査定(境界)がそこに見なされるのおかしくないですか?」
担当「我々の見立てだとこのような形で…」
関田「もし、そうだったとして、そのブロック塀を壊すか、コンクリートのタタキを削るかすれば適用に該当するんですよね?」
担当「それが出来れば該当する形になります。」
関田「交渉考えてみます。」

悔しい。

2センチだと、くそっ、勝手なところから測りやがって…。

そんな矢先、簡易の測量をお願いしていた土地家屋調査士様から連絡がきた。

関田)「先生、どうでしょう?役所の人たち奥のブロック塀とコンクリートのタタキの間が2cm足りないとかイチャモンつけてきたんですよ!」

先生)「メールで添付しましたが、その部分【3.98m】ですね。」

(電話を繋いだままメールチェック)PDFの現況測量図を開くーーー

関田)「(ホントだ!)くぅぅ、正しいっ!でも『砂利のどこまでが私道扱いで、どこから敷地なのかの認識』と「ブロック塀とコンクリートのタタキが敷地内なのか」の認識って戦えません?」

先生)「それをやりだすと、逆に位置指定道路全体が怪しくなってくるので辞めておいたほうが…」

関田)「ぐぬぅぅぅ…(それはマジで困る)」

深夜に妖精がトラックで壁壊し
もしくは、
深夜に妖精がコンクリートのタタキ斫り(はつり)
もしくは、
深夜に妖精がコンクリートのタタキが見えなくなるくらいまで砂利を積み増しする

そんな荒業も頭を過る。

いや、遵法精神を大切にする不動産メンとしては、とてもそんなことは出来ない。もちろん、フェアリーが降臨するだけなので、私は何も知らないのではあるのだけれども。


正攻法でいけば、当該地所有者に「補助金適用できる可能性でてくるから、ちょっと壁(もしくは逆サイドのコンクリートタタキ)削らしてくれない?」で了承を得て工事するのが最善策。

されども、それが実現できたところで、
所有者全員の署名捺印+議会承認を経て、実際適用されるのは再来年…とか言われると交渉を始めること自体が憚(はばから)れるものがある。

そして、もう一つ、厄介なことが頭に浮かんだ。

土地家屋調査士(測量)の先生から頂いた「現況測量図」は私の保有物件のブロック塀に「お化粧」をする前に測ったものだ。

そこに記載の幅員は4.0m。

貼った。うん、その後に「石貼った」

厚みは記憶喪失で覚えていないけれども、
ちょっとはあるはずだ。

これ、もしかすると、こっちまで是正有り得…。


考えるのをやめた。


一旦冷静に

さて、堂々巡りとなる思考を一旦落ち着ける。補助(金)を受けようとするから、その無茶な制約が出てくるわけだ。

事前に「私道」を管轄する建築指導課にもヒアリングはしていたが、アスファルト舗装に向けての回答は案の定のものだった。

「私道(各々の所有権)なんだから、
 問題が起きないように勝手にやってくれ」

By 建築指導課

というのが彼らのスタンスだ。

補助金が絡むことで、その窓口が「公道」を管理する「道路管理課」となってしまい、明文化された要項以外は補助金対象外になる…というだけのことだ。


極論、全額自己負担すればいいんだろ?

とはいえ【約600万円】。

その半分くらいまでは元々負担を考えていたものの…、
やっぱり丸ごとはちょっとキツイ。
っていうか嫌すぎる。


仮に補助金をマックスもらえるなら、
残りを全額自己負担でも300万円で出来るのに…。


あ、そういえば、「以前にも相談あった」って言ってたよな。

そうだ!

そうだ!

そうだ!

その人と折半できれば結局負担一緒じゃん?

そうだよ!そもそも10人位の所有者たち、道路がキレイになって受益する人たちに、本来通り協賛してもらえばいいんだよ。

ということで、
具体的なお手紙の作成にとりかかる。

送付先は謄本からリサーチ。
転居していたパターンもチラホラあったものの、なんとか発見。

実際に発送したお手紙と、それを書くための如実な手法は肝の部分なので、後述(有料部分)にまとめるが、センテンスはこんな感じだ。

・タイトル:アスファルト舗装工事のご相談
・導入:突然のご連絡で申し訳ございません
・自己紹介:共有者だよ!
・危機感:ヤバいよね?
・公共感:役所聞いた
・ヤルゾ:改善したくね?
・お金:強制ではない
・反対や質問等々あれば期日までに連絡を。
・こちらの連絡先

概ねこのような内容を盛り込んだ一枚のお手紙と、

・お見積り(全体:約600万円のもの)
・写真(現状の特に酷いもの集)

これらを入れ込んだ。

もう、寝ても覚めても私道舗装
いろいろな展開を妄想する。

位置指定道路に企業広告プリントしたりできたりしないのかな?なんて。
(知らない法律が絡んできそうな予感がしたので、妄想まで。)

そうこうしているうちに、ジャッジを迫った日付を迎えた。

反応としては予想通り。

〆切日程前後までで過半数超との連絡に成功

反響電話具体例

ポジティブ反響TEL。

(共有A)「(隣接アパート)のAと言います。手紙もらったんだけど」
(関田)「ご連絡ありがとうございます。」
(共有A)「私も前に役所に聞いたんだけど、ダメだったんだよね」
(関田)「(あなたが神か!?)やはり、そうですよね」
(共有A)「いくらくらいで出来るの?」
(関田)「全体で10物件あるので、頭割りで60万円~100万円前後のイメージです」
(共有A)「そのくらいで出来るの?ぜひやってもらいたい。
(関田)「ありがとうございます。頑張ります。」

ネガティブ反響TEL。

(共有B)「(隣接アパート)のBです。道路のお手紙もらったんだけど」
(関田)「ご連絡ありがとうございます。」
(共有B)「これ、どれくらいお金かかるの?」
(関田)「雨水の処理まで全部やるので約600万円で、10世帯の頭割りだと60万円くらいの協賛金のイメージです。」
(共有B)「結構かかるんですねぇ、払いたくないわ
(関田)「強制ではありません。砂利道からアスファルト舗装すること自体は構わないですか?」
(共有B)「うちは特に困っていないから…
(関田)「ご負担がなければやっても構わないですか?」
(共有B)「やるの?」
(関田)「どうしても『砂利道のままがいい』っていう人がいない限りはやります!」
(共有B)「考えておきます。」

何を考えるのかわからないが、チラホラ前向きではない発言が混ざるも、「費用負担は強制じゃない、砂利道改善しようぜ!」という話でNGは言わせない。

斜めからの反響TEL

(消費)「〇〇市の消費者センターです。関田様ですか?」
(関田)「はい?」
(消費)「〇〇様のお宅から相談を受けてご連絡しました。」
(関田)「はい」
(消費)「何の契約をして、何の権限があってやっているんですか!?

電話口からだけでも、だいぶ鼻息が荒く、戦う気満々でコールしてきたのがヒシヒシと感じられる。

あの手紙からどうしたらそうなるのか分からないが、おそらくは正しく伝わっていないのだろう。

(関田)「何の契約もしていませんよ。『砂利道の改善をしませんか?』という提案をした段階です。権限?私も道路の共有者なんですヨ!」
(消費)「え…?そうなんですか?」
(関田)「お手紙、しっかり読み込んでください。」
(消費)「か、確認します。」

突然のトーンダウン。
その後はとくに消費者センターからは音沙汰なし。

ご挨拶のお手紙を送る際には、LINEグループも作成し、QRコードも同封してあったが、それには誰にも参加してもらえないまま、「電話・メール・手紙」で諸々の反響が来た。また、ほとんどがアパートということもあり、管理会社経由での連絡もあった。

質問や賛同有無(沈黙は是と取るとして)の〆切日を経過したものの、「うちは砂利道を愛している!それ以外認めない!」みたいなのは居なかったので、施工業者と契約を含め詳細な詰めに入った。

実施案内文の作成と送付

賛否、協賛意思の方向性なども見えてきたため、
各人の協賛金負担額の目途を入れた形で、
「工事ヤルゾ!」の案内文を送付した。

センテンスは下記。

・反対なかったヨ
・工事やるヨ
・工事期間の目安
・Youの協賛金の目安
・連絡先

(雛形は有料コーナー)

工程表の送付と工事の開始

前述の案内文を送付から1週間ほどして、施工業者から工程表を頂いたため、これも共有者各位へ発送。
(ちゃんとやってる感アピール)

そして、いよいよお盆明け、工事が始まった。

しばらく日付が経過して、非通知の着信が来た。

(共有)「◯◯(妻法人名)の関田さんですか?」
(関田)「はいそうです。」
(共有)「◯◯市の道路工事のことでお話を伺いたくて」
(関田)「失礼ですが、どちら様でしょうか?」
(共有)「◯◯と申します。」
(関田)「あ、奥のお家の方ですね。」
(共有)「そうです。」
(関田)「あらためまして、よろしくお願いします。」
(共有)「それで、この工事、うちの前の中途半端なところでカラーコーンがおいてあって、工事業者さんに聞いたら、そこまでしか舗装しないと言われて。家の前のところに水が溜まったりすると困るんです…」
(関田)「位置指定道路という形で、『ここまで、この形で道路』というのが決まっていまして、それを復元する工事なので、そこまでなんです。◯◯市の建築指導課というところで、この場所の位置指定道路について教えてと聞いてみてください。」

これ、消費者センターに駆け込んだオウチ。
(今度は何を言い出すんだ。)

施工業者様にも確認し、

関田)「無理ない範囲で、うまい按配(あんばい)に仕上げてください。」

のお願いをしつつ…。


そんなこんなを経て

いよいよ完成

これが…

ビフォー


こう!

アフター

う、美しい…。

゚+。:.゚ヽ(*´∀`)ノ゚.:。+゚

従前を知っていると、もう、頬ずりしたいレベルの仕上がりだ。

完了報告・請求書案内と費用面

物理的な土木工事は9月下旬に完工した。

これは前述した「都下木アパの売却益調整」に関わる部分だが、
この道路改良工事の完了と支払いを9月までに出来れば、売却益にぶつけることができるのではないか。

追記(※一括償却は税理士様よりNG頂きましたので、気長に償却していく事になりました。)

ただ、手元の現金をそのまま使うのでは面白みに欠けたので、(法人所在地の)区のあっせん融資を活用することにした。
項目としては「設備投資資金」、金額500万円、金利1.2%、期間7年。

返済予定表

施工業者様においては、初取引にも関わらず「完成時の一括払い」としてもらえたこともあり、安心して進めることができた。

この時点では、実際問題、どこまで協賛金を受領することができるか、明確なものは存在しないが、「自己資金:約100万円+融資利用の500万円」で手元資金を抑制したまま支払う方策を立てた。

そして、期を跨いで、10月に入ってから各ステークホルダーに
完了報告書と請求書を発送。

(これで協賛金が振り込まれると、新たな期での法人での売上に。)

内容物とセンテンス

<お手紙>
・完成したよ!ありがとう!
・快適になったよな!?なぁ!?
・振込先はコチラ、金額はコレ
・今後もよろしく
<請求書>
・インボイス番号入り
・対価性のあるものなので、消費税内訳記載
<現地写真>
・道路全体のビフォー、アフターと
各物件ごとにアフターの超絶映え写真
・施工業者の工事完了報告書と写真集

発送して数日後から振込の連絡がチラホラと入りだした。

不思議なもので、事前に「ぜひ協賛したい」「ぜひやってほしい」と声を頂いた方は入金がゆっくり目、
「うちは別に砂利道のままでも…」
・「協賛金はあまり払いたくない」
・「仕上がり次第かなぁ」

とかぬかしておっしゃっていた人たちのほうが、
「この度はお世話になりまして…」と率先して払い込みしてくれたので、この辺りは分からないものだなぁと。

とはいえ、成果物とその有用性を体感したからには、
お金を払いたくなるレベルには仕上がったと思う。

トップ画像は
AIが考えた「道路舗装が完成して泣くほど喜んでいる人の絵」。

ここからは

尚、振込期限としてはまだ一カ月ほど猶予を持たせているため、あくまで現時点での協賛状況だが…、

っと、かなり【あっぴろげ】な内容になるため、この先は有料コーナーでございます。

ここに至るまでの発送したお手紙、

・挨拶文
・実施案内文
・工程表案内文
・完了報告、請求書
・受領報告

これらの超具体的なWord雛形案内文作成手法、前面道路を含む物件のビフォーアフター全景等、ほぼ全部入りです。

共有私道の改良に本気で取り組みたい人、共有の所有物を改善したい不動産投資家様、またはそういった部分をどうしても知っておきたい大家さんだけ御覧頂ければと存じます。

ここから有料ーーーーーーーーーーーーーーー

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