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決済3日前に融資否決された件

さて、どこから話そうか…。

レインズだったか、
ステップオークションだったか、
はたまたスミフのWEBサイトだったか、
記憶は曖昧なのだけれども、
埼玉エリア内、自分がよく知る、好きな駅での
一棟マンションの販売情報を見つけた。

仲介業者の支店に問い合わせをし、
担当者にファーストアプローチ。

業者扱いではなく、
あくまでエンド法人である事で喜ばれた。
(それだと両手に持っていけるらしい)

10月の後半だった。
小雨の中、その日のうちに現地確認。

案内として立ち会ってくれた為、
その際に指値の雰囲気
仲介が月内契約に持っていきたい旨など、
互いの意思疎通を深めていく。

ーーー融資特約は付けられない。

会社的に収益物件で融資特約は付けられない、
付けた買付なら、他を優先する雰囲気を出してくる。

エンドに売りたい割に優しくない…。

とはいえ過去の経験からも
「コレくらいの組み立てはできるだろう」と想像はつく。

翌日から既存取引のある金融機関にヒアリングをかける。

エリア等から、
本命、控え、ダメ元と電話→メールで担当者の温度感を教えてもらう。

  • 本命:「可能性ある(融資割合80%、期間20年、金利1.5%)」

  • 控え:「手元の評価だと融資割合60%、15年の金利2%くらいですかね」

  • ダメ元:「築年数から難しいかと…。」


概ね、このような内容だ。

エリアもマッチしていたので、
本命である埼玉の地銀を念頭に据えて動く事にする。


もし評価不足で融資金額が届かない、
期間が取れない、金利上がると言ったことがあっても
サブ金融機関の条件でも買い切ることはできるレベルだ。

それだと投資効率としては良くないけれども、
トントンよりは上に持っていける。

あくまで担当者ベースではあるものの、
この2本建てを背景に、売買契約は進めることに決めた。

関田「金融機関の担当者ベースでは2つくらいイケそうなので、もう進めてください。月内契約でいいです。」
仲介「はい!ありがとうございます。融資特約は…?
関田「つけたら売ってくれないんでしょ?(御社的に)」
仲介「そう、、、なんですよね」
関田「『無し』で行きますヨ!いいっすよ!」

もう、勢い。
もちろん最悪のケースを予感して
関田「違約2割はやめて!1割にしておいて!
のお願いはしておいた。

とはいえ、本格的な審査に進んだ段階で、一切融資が出ないような状況になったとしても、売買価格の約5%で逃げられる「手付解除」もある
そんなダメージを抑えた敗戦処理も頭の片隅には置いた。

売買契約自体は「持ち回り」のため、
売主サイドと顔を合わせる事のないまま締結された。

コレで無事に物件自体は押さえることができた。


平成初期の建物だ。

陸屋根の屋上の状況は気になるし、
空室もバッチリ仕上げてアップサイドを取りに行きたい。

現況の稼働率は7割ほどだが、
ここしばらくリーシング活動はされていなかった。

パワーのある駅5分内、
テコ入れすることで、盛り上がる余地は感じる。

契約後の修繕準備の為の内覧などは「好きにやってくれ」スタンスの売主様であったことから、後日修繕業者を連れてリノベ準備に入った。

契約前、初めて現地に行った際は雨天だった為、
屋上に登ることは躊躇された。

そもそも3階建でタラップなどは無いため、
普通には上がることができない。


リノベ準備で現地に行った際、3階の1室に空室があったため、
そのベランダから無理くりあがった。

修繕「関田さん、コレ屋上やばいです。仲介に言った方がいいですよ。
あいつら仕事してないから」
関田「そんなに?」
修繕「今、写真撮りますね」
関田「自分も上がります。」

上った日、数日前から雨など降っていない晴天。

屋上防水シートが露骨に「たわんだ」状態になっているところをチラッとめくってみると…

こんなだった。
めっちゃ水が溜まってる。
あと3cm水位があがると、
ゴムを乗り越えて全部入っちゃう。

関田「あ…あっ…」
修繕「もしかして、免責ですか?」
関田「だって、そうじゃないと売ってくれないから…」
修繕「でもこれは言ったほうが良いですよ」
関田「う…。タイミングみて(交渉)やってみます」

この修繕業者さん、何を隠そう元スミフ。

「いつかやるべき修繕」の項目が相当に前倒しで来てしまった状態。
不動産投資のリスクの一つではあるものの、確かに決済・引渡までの雨量によっては、善管注意義務どうこう以前に、売主の不利益にも繋がりかねない。「お願い」の仕方によっては交渉できるかもしれない。


それは別の物語として、本来の筋に戻そう。

10月下旬の売買契約のち、

11月4日

「本部より個人の確定申告書直近2年分」の指示。
⇒同日提出。

12月5日

進捗確認。上層部がシルバーウィーク絡みのお休み中。
担当「おそらく来週の頭には」

12月14日

TEL有り。
融資期間15年、融資割合67%で本部長から差し戻された。
⇒年明けに【※偉い人】と一緒に本部に突撃して交渉してきます!
※前の支店の上長で飲み仲間的な執行○らしい。

この時点で手付解除期日まで残り5日
決済まで37日。
他金融機関で動き出すにもそろそろリミットだ。

関田「ゼロ回答の可能性とかあったりします?
   他の金融機関動かすなら、
   もう動かないとな頃なので…」
担当「あー、その必要は無いです。」
関田「分かりました!よろしくお願いいたします。」

今回は(も)、キッチン交換含め、狭小1Rにしてはちょっとお金を掛け過ぎるレベルでリノベを予定。10月の売買契約ですから、年内(12月)には決済して即修繕実施、1月下旬~2月、繁忙期にはリーシング開始ぃ!と想定していたものの、融資が煮え切らない。

とはいえ、金融機関担当者があそこまで言うのだから、何とかなるのだろう。

ということで、見切り発注。
サンワカンパニーにしてもAmazonにしても、在庫が無いときは本当に無いので、タイミングを逃すわけにもいかない。


1月6日

TELキタ。

担当「本部行ってきました!」
関田「どうですか?」
担当「『なんでこんな(簡単な案件を)差し戻しているんだ』」くらい言われたんですよ!」
関田「あ、それじゃぁ…?」
担当「お話してた20年いけそうです。来週の中頃には確定の連絡ができると思います。」
関田「来週正式承認だとして、金消契約いつやります?」
担当「決済当日にやろうかと思ってます。」
関田「分かりました!」
担当「関田さん『その3の3』を取得しておいてもらっていいですか?」

はいキタ「その3の3」

何かというと、いわゆる「無いこと証明」と呼ばれるもの。
税金の未納が「無いこと」の証明。
法人と個人でその3の○が違うやつ。

これを取ってこいということは、もう最終の最終。
あとは決済日を迎えるだけだ。


…と、思っていた。



1月12日

TEL有り。

担当「関田さん、旗色が悪い状況です。」
関田「え?どういうことですか?20年取れない?」
担当「いえ、それ以前のところで…審査部から『この人(法人)、サラリーマン大家じゃないか』と言われまして。」
関田「え?まぁそうですからね。サラリーマン大家には貸さなくなったっていうことですか?」
担当「そういったニュアンスで返ってきまして」
関田「だって、もう御行で借りるの4度目ですよ。」
担当「もちろん、その辺りは話してます。」
関田「ウチ、代表は妻だし、それで見たら専業じゃないですか」
担当「はい、リノベーションで価値を上げたりと、賃貸事業としてやっていることで今審査部とやってますので、またご連絡します。」

…暗雲。

決済まであと7日…。
狼狽。

AIの知恵を借りてみたりするなど。

1月13日

金曜日、再び電話がくる。

担当「旗色が悪いです。」
関田「マジですか?ゼロ回答?」
担当「共同担保で保全がきく、とかも押してますが、
   そもそもの入口のところで…」


それでも、まだTwitterしてるゆとりがあったのは、
実はある作戦があったから。

関田「前の担当者さんと支店長さんから『PJ』なら支店長決済で○億までOKという話を頂いてたのですが、それだとどうですか?(宅建)業免なくても出せるって前言われて。」
担当「はい、私も実はそこも考えています。関田さん、月曜日に御社伺っていいですか?」
関田「はい、お待ちしてます…。」

そう、直前での金融機関の来訪、
そんなの「お断り」以外には考えられないものの、
そこから翻っての「PJ(ピージェイ)」、
短期のプロジェクト融資に低くはない可能性を感じる。

通常の不動産投資であれば、「資産」として購入するために10年・20年・30年等々、長期の融資を引いて、お家賃から運営費や返済を差し引いてのインカムゲインを目指していくのがセオリー。

PJ、プロジェクト融資を使うということは、不動産を「商品」として仕入れて、バリューアップしての「販売」、転売益のキャピタルを目指す形になる。


ええ、ただの不動産業者じゃねぇか、という話。


一般的な金融機関では、「業」に当たる(可能性のある)転売に融資するプロジェクト融資は、宅建業の業者免許が無いと使うことができない。


だからこそ、その申し出が以前にあった際には、
念押しで確認したのだ。

前担当「プロジェクトだったら○億まで出せますので!」
関田「いや、ウチ宅建業の免許ないですよ。」
前担当「うち、気にしないので大丈夫です!」
関田「ホントに!?」

そんなやり取りがあったからこそ、
その後にポートフォリオの入れ替えで売却があった際にも

関田「これ、特別利益に入れた方がいい?それとも売上?」
担当「うちは売上が膨らんだほうが融資しやすいです。」

こんな形で決算書も意向を汲んだ経緯がある。

※他金融機関からは「特別利益のほうがいいかなぁ」と。

そんなPJに一縷の望みを見出したまま、悶々としたまま土日を迎える。

そう、落ち着いて考えると、木曜日が決済なのに、
・金融機関は土日休み
・不動産仲介業者は火水休み
両方の営業日が被るのが月曜と当日木曜日のみという
もう何もできない状況に。

そして…

1月16日

月曜日。

金融機関担当者とその上席来社。
最初の挨拶は覚えていないが、だいぶ申し訳無さそうな顔をしながら…

担当「すみません、スルガ云々から、ランドセットの案件で、サラリーマン大家さんには融資を出さない内規ができたとのことで…。」
関田「もっと早く言ってもらえれば、他の金融機関に動けたけど、もう身動きできないですよー。」
担当「すみません、支店としましても寝耳に水で今後どんな案件なら受けてよいのか分からない状況になってしまいまして…。」
関田「ここまで引っ張って…。でも、もう駄目なんですもんね。そしたら、もう木曜日が決済なので、こないだお話したPJに切り替えてやってもらえますか?」
上席「プロジェクト融資に切り替えなら、支店決済でいけますね。」
関田「今日が月曜ですけど、木曜、間に合います?修繕の具材なども発注・手配をしてしまっているので、決済日もずらしたくないんですよ。」
担当「では、その形で段取りします。この度は申し訳ございません。」

PJ融資か…条件は下記。

  • 期間は・期間は1年間。

  • イニシャルコストは借入の0.55%と7.7万円。

  • 返済は毎月金利のみ。

  • 金利1.5%。

  • 融資割合は98%で打診開始。


午後になり、「3点」の追加資料のオーダーがきた。
・周辺の成約、販売事例
・事業計画書

即作成して送信。

もう一つ書いてあったのが
・許認可証

ん?何のことを言ってるんだろう?

送信した追加資料の連絡と併せて確認の電話を入れる。

関田「先程頂いた事例と事業計画は送りました。」
担当「早速ありがとうございます!」
関田「それで…、【許認可証】って何を言ってますか?
担当「御社の宅建業の許認可証を
関田「うち宅建業者じゃないですよ!
担当「え!?」
関田「(何を今更…)
担当「ちょっと確認して折り返します!」

そして、夕方に電話がなる。

担当「宅建業の免許がないとPJ出せないと」
関田「ハァァ?!」

強化ガラスのオフィスビル外壁を打ち砕くほどの勢いで空を飛ぶ灰皿、
自分でもどこから出ているのか分からないくらいの怒号、
(嘘です。雰囲気です。)

関田「前の担当○○さんと、支店長○○さんがきたときに業免なくても出すって言ってましたよ!普通は出ないの分かってるから、念押しで確認したんです。」
担当「○○(前の支店長)とそんな話があったんですね。」
関田「ここまできて放り出されたら、さすがにもう困りますっ!!!
担当「また電話します!」

30分くらい経過しただろうか…。

銀行からTEL。

担当「『売却する先が不動産業者であれば』という形でプロジェクトでやります。」
関田「(理由は分かんないけど)ありがとうございます!」
担当「融資金額は明日には確定してご連絡します!」

決済の前々日に、ようやく融資金額確定(売買価格の98%)。


木曜日決済当日。

平謝りの金融機関担当者と支店長、
本部の明文化されていない「内規」の非難と
今後何をどうやったらいいのか、
線引きができない状況の不満を聞いてからの金消契約。

結果、一旦はPJという形であれど、融資を出してもらうことができたので、振り上げた拳は自らの太ももを叩くに抑え、粛々と決済を実行。

無事に引渡まで完了した。

一旦、一旦セーフ。マジで。


今後の戦略としては、
修繕⇒バリューアップ⇒満室

これと並行して販売活動を内々で動きつつ、
他金融機関へ「長期の借換」を模索する。
※当然今回のサブには声掛け済み。

借換えであれば、間口は広がるし、その上今回は物件が逃げないので、じっくり当たることが出来る。

積極的に売りたい物件ではないものの、もしこちらが想定するラインを超えた金額が出てくるようであれば、それはもう受け入れよう。

そういや、投資信託やら保険やらも協力してるじゃん。
年間5万円>の会報誌みたいなサービスを解約したのが裏目に出たか…?

尚、当該金融機関は…

いっぱい投げ銭きたら追加で書くかもネっ!

金融機関に弄ばれた心を癒やすサポートをぜひお願いできますと幸甚です。


こちらは執筆及び不動産投資の糧になります!