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その努力は無駄じゃなかった

今シーズン、春先から好調を
キープしてきた 森智香子もりちかこ選手。

その後は、一時怪我で離脱しましたが、
長引くことなく復活。

短期間で復帰できた理由を、本人は
「冬季の積み重ねがあったからこそ、スムースに戻ってこれた」
「その積み重ねは、無駄じゃなかった」と振り返ります。

その背景には、たくさんの巡る想いがありました。


新たな進化と、代償

冬季にベースとなる身体づくりを行い、
春先からの試合で仕上がりぐあいをチェック。
夏の大きなレースに向けて調整し、
秋~年末の駅伝・マラソンに向けてピーキングを
していくことが多い、陸上長距離選手たち。

その冬季に何をしてきたのかが、
次のシーズンにも大きな影響を及ぼします。

今シーズン、森選手は春から絶好調。
陸上選手のなかではベテランの域に入った今年、
改めて自己ベストを連発するなど、
新たな進化を見せました。

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「出だしはのんびりでしたけど、レースを使って1本1本調子を上げていくことができました。去年まで、いまひとつの結果も多かったけど、自己ベスト更新や久しぶりの表彰台が、自分の中で自信になりました。長い距離はあまり得意じゃなかったですけど、しっかり距離を踏んで来たことなどが、好調につながったと思います」。

日本選手権3000mSCでも、
久々の1位を目指して果敢にチャレンジ。
最終的に順位は落としましたが、
終盤までレースを引っ張る
力強さを見せました。

しかし、その後連戦の負担も出たのか、
怪我をしてしまいます。

「日本選手権が終わって、その後右のハムストリングス(太ももの裏側)を痛めてしまって、丸一か月ぐらい練習できなかったんですよね」


募るレースへの想い

「結構、連戦してきていたので、出場予定だった7月のホクレン・ディスタンスも監督と話して回避しました。でも、その後も痛みが取れなくて、病院に行ったら実は肉離れが発覚して…」

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軽度の肉離れだったため、ジョグなどもやめて、
完全休養に入った森選手。
その後は病院のリハビリに通ったり、
ジムで身体を鍛えるメニューに変更して、
回復を待ちました。

7月頭に怪我がわかって、
病院からジョグの許可が出たのが8月前半。
約1か月ぐらい、何もできない時期が続きました。

その間も募る、試合への想い。

「ホクレンでも10000mに挑戦したかったし、5000mも自己ベストを伸ばしたかったので、チームのみんながホクレンで自己ベストを更新してたのを見て、”走りたかったな”という気持ちもありました」と、気持ちを語ります。


復帰の道を速めた土台

それでも、予想外に早い回復に、
自分自身でも希望を見出しました。

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「8月中旬に練習を再開して、最初の1・2回は少し堅かったですけど、“思ってたより動いてるな”って感覚でした。それからもうまく体が動いたので、野口監督にも『思ったより戻りが早いね』と確認してもらって、練習を続けました。その後予定していた9月末の全日本実業団陸上は、念のため欠場しましたが、ほぼ問題なく走れるぐらいにはなっていました」

順調に回復した結果、
しっかり現状を捉えたことが、
早期復帰に繋がります。

「今はその1本にこだわるより、駅伝に向けて練習を積みたいと自分で選択しました。自分に合ったメニューを続ける中で、今はもうみんなとほぼ同じメニューをこなせるようになっています」

その中で感じたのはやはり、
冬から通して積み重ねてきた努力の成果でした。

「故障して1ヶ月以上練習できなかったですけど、戻りが早かったのは、冬に土台をしっかり作っていたからだと思っています。合宿途中から練習に戻っても、体脂肪や体重や筋力を短期間で以前と同じまで戻せた。それも、ここまでの貯金があったから、スムースに戻れたのだと思っています。やっぱり、前期のトラックシーズンに向けてやってきたことは、無駄じゃなかった。今は、すごくそれを感じています」

そう、彼女は話します。

➡次回に続く


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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