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見えない壁を追わなければいけない難しさ

毎年行われる大会、陸上日本選手権や実業団陸上。
それらの試合も、臨む選手たちの気持ちが変われば、
見える景色も変わってきます。

夏も中盤を過ぎて、陸上界はシーズン前半が終了。
ここまで、選手たちも個々に好不調があるなかで、
全体の総括・評価を、野口英盛監督に聞きました。

チャレンジと前進

「前半戦で試合に出られなかった選手たちも、なんとか間に合って、3年目の長澤(日桜里)や、新人の田浦(英理歌)は自己ベストを出せた。道清(愛紗)も春先から試合に出てきて、なかなか結果に繋がらず苦しい時期を過ごしたけど、やってきたことが結果に繋がり始めている。その意味ではチームとして、足並みは揃ってきたかなと感じています」

チーム全体の総括を、そう話す野口監督。
加えて個々の内容では、それぞれ
収穫と課題のあった前半戦でした。

ベテラン勢で見れば、
森智香子が一大会で複数のレースにチャレンジ、
佐藤早也伽がマラソンに挑戦など、
積極的に挑む姿勢が目立ちました。

「森は今年、複数種目にチャレンジすることで、試合を練習のように使って調整していた。日本選手権は少しピーキングが合わなかったけど、10000mなどで日本選手権を経験できたのは、ひとつ評価できる点です。佐藤は今年、前半戦で苦しい時期を過ごしたけど、今は海外のマラソンに向けても練習している。いい記録が出ればいいなと思っています」

そして、今年行われたビッグイベント。
オレゴンでの陸上世界選手権に参加したメンバーは、
不完全燃焼もありつつ、
前進を続けるしかありません。

「メンバーの一員が、日の丸を背負う日本代表になれたのは、チームとしてもすごく良いこと。卜部(蘭)は、去年の東京と今回の世界選手権で、2大会続けて世界の舞台に立てた。体調を崩した部分もあったけど、世界レベルの経験が、本人にとって今後の積み重ねになればいいなと思います。新谷(仁美)に関しては、状態的に足の痛みが出たのもあったけど、最後の1か月間はまとめていた。現地で表情も良かったけど、走れなかったのは状況的に仕方ない。まだ本人もマラソンで日本記録を作りたいと思っているので、またどこかの大会でチャレンジすると思います」

チームを引っ張って欲しい存在

特に期待がかかるのは、3年目を迎える中堅のメンバー。
佐々木梨七、弟子丸小春、長澤日桜里の3人。
これからチームの主軸を担って欲しい、
彼女たちにも成長を願います。

「数日前のミーティングでも言ったけど、3年目を迎える選手たちがやっぱりチームを引っ張って欲しいというのがある。駅伝でも主要区間に絡むとか、そういうチームにならないと良くならない。発言などを聞いている限り、自覚も徐々に出て来たかなと思っているので、期待しています」

一方で怪我から復帰する選手たちも、
次のステップへ進んで欲しいと期待します。

「怪我しているは和田(美々里)ぐらいで、少し出遅れたけど、練習は少しずつ取り組み始めているので、心配ないかなと思っています。鍋島は、この前の試合で1本走って、タイム的にすごく良いわけではないけど、目標記録にはほぼ到達できた。これから徐々に、練習量も質もあげていく予定です」

連覇できるのは、今はうちだけ

それぞれの状況に応じたステージを用意して、
チーム全体で強化を続ける積水化学。

昨シーズンの駅伝優勝を経て、
チームの意識は何か変わったのか、
野口監督に聞きました。

「会社の人々も多分、駅伝優勝を期待してくれていると思うので、そういうチームにいるのは選手たちも意識していると思います。こだわるためには、やはりチャンピオンチームの自覚だったり、行動していかないとならない。連覇できるのは、今はうちだけ。だから、守りに入らず、チャレンジしていこうと話しています。見えない壁を追わなければいけない難しさはありますが、少なからず意識は変わってきているかなと思います」

個々がそれぞれに手応えを掴み、
臨むのは秋からの後半戦です。

➡VOL.2へ続く


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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