あんなふうに速く走れたら、カッコいいし、絶対楽しい/佐藤早也伽 Vol.2
昨年12月の日本選手権10000mで、
日本3位に輝いた佐藤早也伽選手。
その成長に比例して、注目度も上昇。
日本代表入りを期待する声も聞かれます。
もっと強く、もっと速くなって欲しい。
そう思うのは、当然、見る人の自由です。
でも、「きっと本人も、もっと上を
目指してやってきたはず」というのは、
必ずしも真実ではありません。
もちろん、プロである以上、
結果を残す必要があります。
人生を投じて磨いた技術で、
みなさんの期待に応えたい。
その想いに偽りはありません。
ただ、全員必ずしもトップを目指して
走らなければならないわけではありません。
例えば、お金のためとか、家族のためとか。
走る動機は何であっても、
誰かが否定できるわけではありません。
例えばそれが“楽しいから走る”でも
いいはずです。
ずっとやりたかったマラソン
もともと、高校くらいの時から
マラソンをやりたいと思っていた佐藤選手。
「実業団に入ってからも、マラソンは
ずっと意識していました」と語ります。
ひとつのターニングポイントとなったのは
2019年の全日本実業団ハーフマラソン大会。
ここで、ある程度の結果が出たのが、
ひとつの転機になりました。
「そこで野口監督から、『マラソンをやりたかったらまた一年積み上げて、来年出よう』と言ってもらえたんです」
いずれはマラソンで世界に
そして去年行われた『名古屋ウィメンズ
マラソン2020』でマラソンデビュー。
後半の走りに課題を残しながらも手応えを掴み、
今年3月14日に開催される
『名古屋ウィメンズマラソン2021』で、
目標タイムの2時間23分を目指します。
「まだ力的には足りない部分が大きいので、少しでも力をあげて、目標に近づけていきたいと思っています。去年のマラソンでは、走っている時はあまり感じなかったのですが、終わってからテレビとかで見て周りと比べると、上半身や体つきが、まだしまってないなと思いました。そのあたりは、体幹のメニューなどを去年より増やしたりして、調整しています」
彼女の目指す未来が、
どこにあるのか聞きました。
「いずれはマラソンで世界大会に出られるところを目指しています」
そう、彼女は力強く答えてくれました。
偉大な先輩のそばで感じたこと
飛躍の2020年を、佐藤選手はこう振り返ります。
「昨年はトラックレースが少ない一年でした。その中でも自分で決めた年度目標タイムをクリアできたのは良かったです。駅伝ではチームとして、過去最高順位を出すことができた。すごかったなと思うし、嬉しかったです。駅伝に関しては、新谷さんがすごすぎるのも大きいですけど(笑)」
それは、彼女自身にとっても
大きなトピックのひとつでした。
新谷仁美選手という偉大な先輩と共に、
時には同じレースでしのぎを削り、
時には同じチームで日本一を目指し戦ったこと。
それは佐藤選手の中でも、重要な経験になりました。
彼女と一緒に戦って、得たものとは何か、
彼女に聞きました。
「以前よりは、もうちょっと上の目標をもって練習に取り組めるようになったんじゃないかなと思っています。新谷さんみたいに”世界のトップを目指して”というところまでは全然想像できないんですけど、自分の中では日本の中で、もっと上で走れる選手になりたいと思えるようになりました」
自分自身にチャレンジしていく楽しさ
向上心は確かに以前より大きくなりました。
ただ、彼女のスタンスはあまり変わっていません。
以前から自分の中にあった
「楽しく走れたら嬉しい」という軸に、
大きな変化はないのです。
「楽しく走れればいい、という気持ちは、今もあまり変わんないですね(笑)。でも、あんなふうに速く走れたらカッコいいし、絶対楽しいんだろうなと思っています」
自分の限界にチャレンジしていく楽しさ。
そして、壁を乗り越えた先にある、みなさんの笑顔。
それを目指して、佐藤選手は今年もマラソンを走ります。
文・写真:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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