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自分の商品価値/新谷仁美②

自分の商品価値――

言葉にするのは簡単です。
でも、しっかり自分の価値と
向き合うのは、勇気がいること。

お給料分の働きができているか。
周囲の期待に、応えられているのか。
その問いかけは生涯、続くのかもしれません

新谷仁美選手が東京マラソンへの挑戦を始めてから、
そのフレーズは、彼女のコメントの中で
良く聞くようになりました。

自分の商品価値を捨ててしまった

東京マラソン完走後、何度か
「私にはまだ商品価値があるんだなと思えた」
そう、答えた新谷選手。

それはつまり、「自分の商品価値が下がった」
という感覚があったからこそ、出た言葉。
彼女は、自身の考えについて、こう答えます。

「昨年、結果を出した方だって言われることもあるんですけど、私は1位以外、結果が出てないって思っちゃうんです。それが、私が対価をいただいている、期待されている数値だと思っています。それが全てではないですけど、1位を基準としている以上、私の中で2021年は結果が出なかった年。チャンスだった東京五輪も、その価値を上げるためのチャンスを自分で捨てた、というか転げ落ちてしまった。そう思っています」。

結果が全てではないと理解しながらも、
自分の定めた目標からブレない。
だからこそ、結果から目をそむけてはいけない。
そんな気持ちの中で、決めた東京マラソン挑戦でした。

「いろいろな商品価値があると思うんです。また走りが見たいとか、期待しているとか、ビジネス的に設計できるとか、色々ある。でも、全部通してみて、私はやっぱり”速く走らなければ意味がない”と自覚しているので、やはり去年の成績だと商品価値は無いに等しい。そう、自分で解釈しています」

挑戦の大きさを買ってくれる人がいた

東京マラソンを経て、その迷いは
解消されたわけではありません。
ただ、その糸口は見つかりました。

「そんな気持ちの中でマラソンに挑戦して、走り終わった後、(日本人)2位でも喜んでくれた人たちだったり、挑戦したことの大きさを買ってくださる方がたくさんいた。その意味では、まだ商品価値としてはあるのかな、と感じています」

挑戦する過程を見せることで、
また違った自分の価値を創る。
チームやコーチの力を借りて、
試合に取り組んだこと、
情報発信できたことが、
彼女にとってひとつの成果になりました。

「どうしても社会で生きていく上で、企業としてもやっぱり有能な人を獲りたいのがある。それはサラリーマンでも、スポーツ界も同じ。それを考えると、挑戦のみで終わってはいけない。何よりも挑戦する姿や過程を見せることが大切」

「一年を通して商品価値をなくしてしまった、落としてしまった自分として、今回の挑戦でもう一度、自分の価値をあげなければいけない。そう考えて走った結果、喜んでくださった方がたくさんいた。そこに共感してもらえたのは、非常に良かったと思っています」

彼女にとって、自分の商品価値を見つめるうえでも、
今回の東京マラソンは、大きな収穫となりました。


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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