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支えられて走れた幸せ/新谷仁美③

3月の東京マラソンへで、日本歴代6位。
2時間21分17秒の記録を出した新谷仁美選手。

パリ五輪代表選考会MGC
(マラソングランドチャンピオンシップ)出場権獲得、
その後、7月の世界陸上マラソン日本代表にも
選ばれるなど、十分な結果です。

でも本人は優勝・日本記録など、
目標としていた成績が残せなかったため、
「微妙な結果」と評価しました。

「思ってた結果と違うし、勝負に負けちゃったんで結果としては、中途半端な結果で終わってしまいました」
そう話しながらも、東京五輪での失敗とは
「内容が違っていた」と話します。

あの中で走れた幸せを噛み締めて

「東京五輪の時は、コロナ禍もピークで大会反対の声にも敏感になり、それが自分自身にも影響してしまっていた。体調・コンディションが合わなかったのもありますが、自分の中でうまく処理できず、結果でもそれをカバーできなかったから、落ちるところまで落ちた」

「でも、今回のマラソン挑戦では、そこまで敏感に自分が周囲の声を聞き取らなかったし、何より私がマラソンに挑戦すると言ってから、色々な形で本当にたくさんの方が協力してくださった。みんなだって、挑戦なんてしてる。なのに結果が出てない私を、後押し・サポートしてくれた。そういう中で走れたこと、練習に取り組める幸せを、噛み締めながら走れたと思います」

それは、レース前の事前動画制作や、
トレーニングを支えてくれた多くのスタッフ。
スタート前に声をかけたら、優しく微笑んでくれた
一山麻緒選手(ワコール)など、
多くの方へ向けた正直な気持ちです。

「動画などの中でお伝えできてない人たちにも、本当に協力してもらいました。それが横田さんの人脈をきっかけに集まってくださった方々なので、本当にこのチームの一員として嬉しいです。一山さんも、あのグループの中にタイムを狙う彼女がいてくれて、本当に良かった。42キロで癒された空間というのは、彼女の存在だけです」

残念な結果ではどうしても笑えない

たくさんの人に支えられての挑戦。
その感謝は簡単に言葉では表せません。
だからこそ、新谷選手は結果にこだわります。

「練習もレースも、みなさんの存在が支えになった。じゃあ私は何に返せるだろうと思った時、SNSなどで『新谷さんには結果がどうあれ笑って欲しい』といったコメントもありましたが、良くない結果だと私はどうしても笑うことができない。本当に笑えるのは、結果を出した時。だから、シンプルにそれを見せる。結果を出すだけだなと思ったので、それに必死でした。でも、沈むほどでもない上がることもない“超中途半端な感じ”で終わってしまいましたが(笑)」

この東京マラソンも、ひとつのステップ。
未来に向けて、彼女の挑戦は続きます。

「私の中では4種目で日本記録を出すのがひとつの目標。残りが5000mとマラソンなので、残りの2種目を出したい。5000mとマラソンって全然違うから短距離と長距離みたいな練習をしなければならなくて、タイミングを見て取り組みたいと思っています。後は、パリ五輪を最大最後?の終着点として一応考えています。種目的にはどれを走りたいより、どの種目も走らなければいけないことに変わりないので、改めてみなさんにも頑張ると伝えていきたいと思います」。

納得できる結果ではなかったけれど、
たくさんの人に支えられて、次のステップへ。
新谷選手の新たな挑戦は、これからも続きます。


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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