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優勝を成し遂げた先に何があるのか、明確に示せなかった/野口英盛監督・横田真人コーチ対談2022-23 Vol.1

積水化学女子陸上競技部を率いる、
野口英盛監督と横田真人コーチ。

横田コーチが代表を務める「TWOLAPS」と、
2020年に選手コーチング・マネージメントに
関する業務委託契約を締結してから2年。
二人は、ここまで目標を共有しながら、
より良いチーム作りのため心を砕いてきました。

駅伝初優勝を飾った2021-22年度から1年。
苦しむ場面も多かったチームに対し、
2人がどんな印象を抱いているのか。
未来へのアプローチを含めて語りました。

結局、個人が結果を出すことでチーム全体が勢いに乗る

――今年度は駅伝連覇に臨んだシーズンでしたが、目標は達成できませんでした。年間通じてどんな印象ですか

野口:個人目標や駅伝連覇など色々なことにチャレンジしましたが、難しい一年でした。個々の目標も高くなる中、大きな成果は上げられなかった印象です。「故障者が多かった」で片付てはいけないですが、他チームの取り組みの後手に回っていた面もある。それを揃えられなかったのは、監督の責任だと思っています。

横田:チームでは駅伝優勝が大きなテーマでしたが、結果が出なかった。それに尽きますね。結局、個人が結果を出すことでチーム全体が勢いに乗る部分があるので、トラック種目からマラソンまで年間通してパフォーマンスを出すことが大事だと、改めて思った一年ではありました。

――駅伝に関して見ると積水化学は、”連覇の難しさを知ることができた”唯一のチームでした。どういった点に難しさを感じましたか

野口:個では強くなり、走力も上がりましたが、チームとして目指す方向性は前年度の方が明確だった気がします。前年度は、「優勝するために新谷・卜部・佐藤以外の選手が強くなるしかなかった」状況が、今年度は「自分たちがトップレベルで走れる選手にならなければいけない」という感じだった。それをみんな理解して意識し、チームでも打ち出していましたが、期待には届かなかった形です。

横田:難しいけど、やっぱり「勝ちたい」気持ちは、前年2位や3位チームの方が強く持ちやすいのだろうなと、駅伝で優勝して改めて感じました。その気持ちがうまくハマるパターンもあれば、 そうじゃないパターンもある。優勝を成し遂げたその先に何があるのか、明確に示せなかったのかなと思います。それがなぜ起きるのかは、いくつか理由があるし、僕たちが考えなければいけないところだと思います。

今は発展的にチームが強くなる土台を作っている最中

――野口監督、横田コーチの立場から見て、まだやれることはあったのか、あるいはやりきれたのか。どう受け止めていますか。

横田:前年度は選手とコーチが混じり合り、コミュニケーションが取れていましたが、この一年それがなかったのは反省点だと思います。今は牧野(圭祐)コーチも入って、キャプテンも長澤になり、時間をかけてチームの土台部分を作っている最中。コーチ・スタッフ・選手が育っていく環境を整えないと発展的にチームが強くならないので、然るべき人たちにうまく成長してもらえるサポートを、今年に続いて進めていきたいと思います。

野口:やれたことは多々あると思います。ただ最近気付くのは、こちらがやりたいと考えていても、本人がそう思っていなければできないということ。チームの想いをひとつにまとめるなど、スタッフが言って一人ひとりには響いても、選手本人たちの気持ちの部分が大きい。昨年度はそれがある程度できていましたが、振り返るとそこはチームとして作らなければならないところだった。そこはできなかったので、そのベース作りを今は進めていますす。

――野口-横田間で、この一年よく話したテーマなどあるんですか?

横田:それはもう、「お互い大変だね」ってそんな話ばっかりです(笑)。理解者がいることが、何よりの僕の心の支えになってます。

野口:お互い選手を抱えながらやってるから、「そうだね」って言いながら話すことが多いかな。方向性としては、お互い同じところを向いてるから、共有できる気持ちも多いですね。

Vol.2に続く➡


文:守本和宏/ナノ・アソシエーション
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