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マイ・フェイバリット・ソングス 第24回~Superfly

(2023年6月改訂版)

Superflyはもともと越智志保さんと多保孝一さんのユニットだったわけですが、僕はこの二人のコンビが好きなんですよね。多保さんが裏方に徹するようになっても、二人で曲を作り続けていた初期の3枚が特に。一般的にはパワフルなロックと歌い上げるバラードのイメージが強いと思うのですが、アルバム曲はバラエティに溢れています。ちなみに越智さんは歌詞カードで「わたし」「私」と表記されているところもすべて「あたし」と歌っているんですが、それが独特の味を出していて僕はとても好きですね。


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『Superfly』(2008年)

ファーストにしてベストアルバムと言えるほどのクオリティです。シングル曲「ハロー・ハロー」「マニフェスト」「i spy i spy」「愛をこめて花束を」「Hi-Five」を含む13曲で、オリコン初登場1位を獲得。全体的に60年代~70年代の洋楽の影響を感じます。個人的に特に好きなのはまず「愛をこめて花束を」。多保さんの織り成す美しいメロディ、越智さんの持ち味が存分に発揮された歌声、蔦谷好位置さんの名アレンジが昇華した不朽の名作ですね。花の色を畳みかけるように「Violet,indigo,black and blue~♪」と歌うくだりは何度聴いてもしびれます。そして夏らしいビーチサウンドの「Oh My Precious Time」。越智さん作曲のピアノ弾き語り「Last Love Song」。ラストを飾るゴスペル調の壮大な曲「I Remember」(歌詞も素晴らしい)。尚、「i spy i spy」はオーストラリアのロックバンドJETとのコラボ曲。 


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『Box Emotions』(2009年)

シングル曲「How Do I Survive?」「My Best of My Life」「Alright!!」「恋する気持ちは美しい/やさしい気持ちで」を含むセカンド。これもファーストに引き続きオリコン初登場1位。前作が生楽器中心だったのに比べ、こちらはシンセやプログラミングなどを多用し、より現代的なサウンドになっています。冒頭の「Alright!」から一気にテンションが上がりますね。ライブでも最高に盛り上がる曲。また個人的には「Searching」「My Best of My Life」「春のまぼろし」「愛に抱かれて」といった多保メロ炸裂ソングが好きです。特に越智さんが親友の結婚に際して詞を書いたという「愛に抱かれて」は、僕の中ではSuperflyのベストソング。何度聴いてもその美しいメロディと感涙ものの詞に胸を打たれます。シングル化されていないのにファン投票で3位になったり、MVも制作されたりしていますよね。


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『Mind Travel』(2011年)

シングル「タマシイレボリューション」(配信)「Wildflower」「Eyes On Me」「Beep!!/Sunshine Sunshine」「Rollin’ Days」「あぁ」(アルバムver.のタイトルは「Ah」)を含むサード。デビューアルバムから三作連続でオリコン初登場1位。僕がSuperflyにハマったのは少し遅くて、このアルバムがきっかけでした。ライブを意識してか、比較的ハードなロック曲が多めのアルバム。越智さんが作曲してNHKサッカーのテーマ曲ともなった「タマシイレボリューション」や「Wildflower」「Beep!!」「Free Planet」「悪魔とロックンロール」あたりは間違いなくライヴで盛り上がりますよね。バラードも充実していて、僕はなんといっても「Eyes On Me」が大好きですね。「Morris」の弾き語りの雰囲気も、越智さん作曲の壮大な「Only You」も素晴らしい。最後を飾る「Ah」は、タイトル通り最後まで「あぁ」という言葉だけで歌うという斬新な曲。さだまさしさんの「北の国から―遥かなる大地より」は「ああ」の他「んん」や「らら」も使っていますが、この曲は完全に「あぁ」のみです。しかもそれをシングルで出すという。越智さんの歌唱力があってこその為せる業ですね。他に「Sunshine Sunshine」も好きだし・・・というかデビューからここまでの3枚ははっきり言って全曲いいので、どこから聴いても間違いないと思います。


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『Force』(2012年)

シングル「愛をくらえ」「輝く月のように/The Bird Without Wings」「Force」を含む4枚目。4thと彼女の力強い歌声になぞらえてのことか『Force』というタイトルを掲げています。デビューから4作連続のオリコン初登場1位。(ベストを含めると5作連続で、この記録は宇多田ヒカルさん以来の偉業だそう)そして、多保さんが全面的に関わるアルバムはここまでということになります。比較的ハードでヘヴィな曲が目立ちますが、僕はなんといっても「輝く月のように」が好きですね。歌詞も素晴らしい。特にミディアムテンポの曲やバラード系の曲に越智さんが書く詞はどれも絶品ですよね。あとこのアルバムはほとんどの曲のドラムを小田原豊さん(元レベッカ)が叩いているのが嬉しい。


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『WHITE』(2015年)

リリースされた時はちょっとショックでしたね。多保さんの作った曲が一曲しか入っていないし、越智さんの作詞も五曲しかなくて。実際これまでのイメージとかけ離れた楽曲が多いんですよね。越智さんと蔦谷好位置さんを中心としながらも、BONNIE PINKなど多くの人が作詞・作曲に携わっています。ただ僕はやはり多保さんの作った「Live」が圧倒的に好きですね。あと「Space」は越智さんの歌の上手さが一番分かりやすい曲ではないでしょうか。何度聴いてもこの曲の歌い方には惚れ惚れとしてしまいます。あまり張ってなくて繊細で。これこそボーカリスト越智志帆の真骨頂じゃないかという気がします。


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『0』(2020年)

これは『WHITE』以降にリリースされたシングル(「Bloom」「Gifts」「Ambitious」「フレア」)とカップリングが大半を占めていて、新曲は3曲のみ。シングルを聴き続けていた僕としては、新しさに欠ける点が少し残念だったけど、楽曲はすごくいいです。「Bloom」以外は越智志帆さんの作詞・作曲になったので、混沌とした「WHITE」よりもまとまりがありますね。僕はジャズの要素が入った「Fall」「氷に閉じ込めて」と、「愛をこめて花束を」のアンサーソングである「Bloom」が特に好きです。このアルバムがリリースされる直前のライブ(さいたまアリーナ)に行きましたが、心の底から素晴らしいステージでした。ちなみにセットリストはこんな感じでした。

1.Ambitious
2.Wildflower
3.やさしい気持ちで
4.Gifts
5.Beautiful
6.恋する瞳は美しい
7.Fall
8.My Best Of My Life
9.氷に閉じ込めて
10.I Remember
11.Lilyの祈り
12.覚醒
13.タマシイレボリューション
14.Dancing On The Fire
15.愛をからだに吹き込んで
16.Good-bye
17.99

アンコール

18.サンディ
19.愛を込めて花束を
20.フレア


『Heat Wave』(2023年)
 
先行配信シングル「Together」「VOICE」「ダイナマイト」「Presence」「Farewell」「Farewell(Gospel ver.)」の6曲を含む7枚目オリジナル。コロナ禍の中で<情熱>と<癒し>をテーマに制作したそうです。特徴的なのは初めて全曲の作詞・作曲に越智志保さんが関わっている(共作含む)点でしょうか。「Together」「VOICE」では編曲にも名を連ねています。「ダイナマイト」は3rd.の「タマシイレボリューション」を彷彿とさせるストレートなロック曲ですね。個人的には「Presence」が好きです。



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