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聖フランシスコと味わう主日のみことば

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聖書のみ言葉やイエスの姿を読み解くヒントを、聖フランシスコの霊性を心に留めながら、コンベンツアル修道会の神学生とともにさぐっていきましょう。
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2021年6月の記事一覧

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第13主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第13主日〉

恐れることはない。ただ信じなさい(マルコ5・36)。


わたしたちは、誰しも、身近な大切な人を失うことや、望まない病に罹ってしまうことを経験します。病気や死は、人間であるこの身にとって、決して避けることのできない、宿命のようなものです。なぜ、人は死ななければならないのか。なぜ、人は、病気に苦しまなければならないのか。これは、わたしたちが生きている限り、常にわたしたちを不安や恐れに駆り立てる問題

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第12主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第12主日〉

イエスは起き上がって、風を叱り、湖に、「黙れ。静まれ」と言われた。すると、風はやみ、すっかり凪になった(マルコ4・39)。


風のない、穏やかな日、湖や池の水面がさざ波一つ立てず、まるで自然の大きな鏡のように周囲の景色をそのまま映し出すことがあります。そのような場面に遭遇したとき、その間だけ、何も混じり気の無い透明で澄み切った別次元の世界に居るかのような感覚になることはないでしょうか。この大自

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第11主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈年間第11主日〉

神の国は次のようなものである。人が土に種を蒔いて、夜昼、寝起きしているうちに、種は芽を出して成長するが、どうしてそうなるのか、その人は知らない(マルコ4・26-27)。

今日の福音(マルコ4・26-34)では、イエスはガリラヤ湖畔に集まった沢山の人々にむかって、〈神の国〉がどのようなものか、たとえを用いて語ります。そして、イエスはまず、〈神の国〉を〈成長する種〉にたとえます。「人が土に種を蒔いて

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈キリストの聖体〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈キリストの聖体〉

イエスはパンを取り、賛美の祈りを唱えて、それを裂き、弟子たちに与えて言われた。「取りなさい。これはわたしの体である」(マルコ14・22)。


〈聖なる過越の三日間〉からはじまり、〈主の昇天〉、〈聖霊降臨〉、そして〈三位一体〉という大きな典礼の祭日を祝ってきた教会は、〈キリストの聖体〉によって、この一連の〈祝い〉を締めくくりますが、これは意味の無いことではありません。なぜなら教会は、〈キリストの

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