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聖フランシスコと味わう主日のみことば

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聖書のみ言葉やイエスの姿を読み解くヒントを、聖フランシスコの霊性を心に留めながら、コンベンツアル修道会の神学生とともにさぐっていきましょう。
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2021年4月の記事一覧

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈復活節第5主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈復活節第5主日〉

わたしはぶどうの木、あなたがたはその枝である。人がわたしにつながっており、わたしもその人につながっていれば、その人は豊かに実を結ぶ(ヨハネ15・5)。


喩えの好きなイエスは、今日の福音(ヨハネ15・1-8)では自らを〈ぶどうの木〉と呼び、わたしたちをその〈ぶどうの木〉の〈枝〉に喩えています。そして、この〈ぶどうの木〉の持ち主であり、〈枝〉の手入れをする〈農夫〉こそは〈父〉、つまり〈天におられ

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈復活節第4主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈復活節第4主日〉

わたしは良い羊飼いである。わたしは自分の羊を知っており、羊もわたしを知っている(ヨハネ10・14)。


一匹の子羊を肩に担ぎ、羊の群れを導いて歩く〈羊飼い〉として描かれたイエスは、頼もしくも温かい救い主キリストの姿を彷彿とさせます。しかし、羊飼いは、当時のユダヤ社会ではさげすまれた職業でした。それは、牧草地を求めて巡り歩かなければならない彼らの生活スタイルでは、ユダヤ教の厳格な規則である律法を

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聖フランシスコと味わう主日のみことば〈復活節第2主日・神のいつくしみの主日〉

聖フランシスコと味わう主日のみことば〈復活節第2主日・神のいつくしみの主日〉

戸にはみな鍵がかけてあったのに、イエスが来て真ん中に立ち、「あなたがたに平和があるように」と言われた(ヨハネ20・26)。


わたしたち人間にとって、誰もが抱く、最もなじみ深い感情の一つは、〈恐れ〉ではないでしょうか。〈恐れ〉を抱くからこそ、わたしたちは不測の事態に対処でき、ある程度安全に身を守って生きていくことができると言えるかもしれません。

しかし、その〈恐れ〉は、度を超すと、わたした

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