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えんとつシート

みなさま、こんにちは。
関 巴瑠花(せき はるか)と申します。

普段は、会社を経営しつつ、バレエ教師をしたり、バレエ「えんとつ町のプペル」の製作総指揮をしたりしております。

バレエとかかわる人(バレエを踊る人、観る人、支える人、応援する人)が、もっともっと増えてほしいという夢に向かって活動をしております。
詳しくはこちら

昨日4/8(土) 12:00〜より、公式ホームページ先行販売がはじまりました。
ご購入はこちらから!

バレエ「えんとつ町のプペル」では、一般的なS席、A席、B席にプラスして、「えんとつシート」、「ファミリー(応援)席」を作りました。

今回の記事では、「えんとつシート」について説明させてください。

絵本「えんとつ町プペル」にはこんな場面があります。

「……ぼくの父ちゃんが、その『ホシ』をみたんだ。
とおくの海にでたときにね、ある場所で、頭のうえの煙がなくなって、
そこには光りかがやく『ホシ』がたくさん浮かんでいたんだって。
町のひとはだれも信じなくて、
父ちゃんはうそつき呼ばわりされたまま死んじゃったんだ。
でも、父ちゃんは『煙のうえにはホシがある』っていってね、
ホシをみる方法をぼくにおしえてくれたんだよ」
ルビッチはくろい煙をみあげていいました。
「『信じぬくんだ。たとえひとりになっても』」

絵本「えんとつ町のプペル」

主人公の男の子・ルビッチが、友達のゴミ人間・プペルに、煙のむこうにあると信じている「ホシ」について話している場面です。

「ホシ」を見たことのない町のひとたちは、「ホシ」を信じているルビッチやお父さんをうそつき呼ばわりします。

それでも、お父さんの「信じぬくんだ。たとえひとりになっても」という言葉を胸に、ひとりで「ホシ」を信じ続けるルビッチの言葉です。

私には、この「空を覆うくろい煙」が、バレエダンサーを取り巻く閉塞感と重なるように思えました。

プペルバレエのお金の話」にも書かせていただいた通り、トップのダンサーを除く日本のバレエダンサーには、実質的にお金を「払って」舞台に出演するプロもいます。

私は、プペルバレエで

  • チケットノルマはつくらないこと

  • 役によらず全員に報酬を出すこと

  • 稽古代をお支払いすること

この3つを決めました。

しかし、言うは易く行うは難しであり、稽古代を計算したら目が飛び出るほどの額に弱気になる自分もいました。

全員に出演料も払って、稽古代も払うなんて、やはり夢物語かな…

一部のトップダンサーたちが食べていければそれでいいのかな…

でも、日本では食べていけないけれど、素晴らしいダンサーたちもたくさんいて、そのダンサーたちが食べていけるようになったら良いなぁ…

自分が弱気になっていること、「ダンサーが給与をもらって舞台に立つ」という「ホシ」を、自分自身の煙で覆ってしまっていることに気がつきました。

日本ではとても多くの子どもたちがバレエを習っていて、バレエダンサーになりたいという夢を持つ子も多いです。
それなのに、「食べていけないから」という理由で夢をあきらめてほしくない。

私は、この夢にむかって、一歩を踏み出したいと思いました。

その1つが「えんとつシート」です。

えんとつシートは、ダンサーへのご支援をくださる方の席としました。

1席18,000円とバレエの公演チケットの中では高額ですが、SS席のチケットに加えて、公演パンフレット・特製オリジナルデザインチケット・エコバッグが特典としてつきます。

さらに、この金額の一部をダンサーの稽古代へと充てさせていただきます

えんとつシートと名づけたのは、先ほどのルビッチとプペルの会話が、えんとつの上でなされた会話だからです。

えんとつの上は、高くて怖い場所です。でも、お父さんが教えてくれた「ホシ」に一番近い場所でした。

この金額でチケットを売ることには私も相当な覚悟が必要でしたし、怖さもありました。でも私には見たい「ホシ」があります。まさにえんとつの上です。

お金をもらって稽古をして、お金をもらって出演することで、ダンサーの覚悟も舞台の質も上がると思い、私自身、覚悟を決めました。

バレエダンサーを取り巻く閉塞感の向こう側にある「ホシ」を一緒に見ていただきたい。

そんな気持ちを込めて、えんとつシートと名づけました。

プペルバレエは、子どもたちに「夢にむかって勇気をもって歩いてほしい」というメッセージを届けるためにスタートしたプロジェクトです。

子どもたちがもっと夢をみることができる未来に向けて、前進します。

皆さまどうぞよろしくお願いいたします!

関 巴瑠花(せき はるか)



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