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会社への違和感。

某農業資材・農業用ハウスメーカーの営業として千葉県内を飛び回っている私にも決断の時期が迫っているように感じます。新卒で現在の会社に入社し、半年間は本社や本社周辺の営業所での研修を経て、千葉県に赴任しました。こちらに来てがむしゃらに駆け回る日々も4年以上が経ち、ここ1年くらいで自分の中に大きな違和感が現れてきました。どのような違和感なのかつらつらと記していきましょう。


①労働時間の長さ

千葉県全域が営業範囲になるので、遠いエリアだと自宅から片道2時間以上がザラです。通勤だけでも往復4時間取られることもあります。8:30〜17:30という就業時間を訪問活動などに目一杯充ててしまうと、自宅に帰るのが20時、その後事務作業を22時ごろまで行うという地獄ルートに陥ります。事務作業を行うことを見越して早めに帰宅を計画すると、上司から「そんなに遠くまで行って経費がもったいない」と小言を言われるため、早期帰宅が出来ません。

弊社は資材販売ではなく、農業用ハウスの新築・リフォームが主力事業です。農業用ハウスの建設も一般建築と同じような世界です。工事は日が出る7時ごろから行い、日が沈む17時ごろまで続きます。建築現場では建設部材の不足や細かい箇所の打合せなどが頻繁に発生し、事あるごとに営業担当である私は顔を出さなけばなりません。本来であれば現場管理の部署があるのですが、人手不足で千葉県には来ませんので、私一人で行わなければなりません。新築は年間5物件、リフォームは15物件ほどをこなさなければならず、どうやっても時間は足りません。

物件が動いている時の休日は最悪です。職人さんやお客様から「これが無いから直ぐに持ってこい」「ここが違うから確認して」など土日祝日関係なく朝から晩まで電話が掛かってきます。自分が動ける場合は休日だろうが現場に向かい、不足部材をかき集め、職人さんやお客様と打合せを行います。数か月前に旅行に行きましたが、職人からひっきりなしに電話が掛かってきて1時間ほど足止めを食らってしまい、腹が立ちました。

現場に出ずっぱりになるため、週に1回は事務所に引き籠って事務作業を行う予定を立てるのですが、それも無駄になります。お客様から「暖房機が動かないから見てくれ」「カーテンのリミットが効かない」と緊急対応の電話が掛かってきます。私たちは所謂ハウス関連の「何でも屋」なのでハウスで困ったことがあれば駆け付けて修理をしなければなりません。駆けつけることを断ると前任の営業担当に電話が行き、始末書レベルで怒られるので「今日はいけません」など言えません。事務作業は休日にサービス出勤して行わなければならず会社からは見えない労働時間ばかり増えていきます。


②教育体制のなさ

弊社は基本的に「現場で覚えてこい」という教育スタンスです。本社の人々や幹部陣は否定していますが、教育体制は皆無です。私自身も何も知らない状態で千葉県に赴任し、社内の人間ではなく、お客様や他のメーカーさんに様々なことを教わり何とか営業活動をすることが出来ていました。ですが次々に分からないことがあふれ出てくるだけでなく、自社商品のことを詳しく知らないということでお客様からお叱りをいただいたことがありました。自社商品に限らずハウス・資材の勉強会を開催してくれないかと部長に直談判したことがあります。すると部長は「そんなのお客さんの所に行って触りながら、お客様に聞けばいいじゃん」と一蹴されました。会社に教育を期待してはいけないなと痛感した瞬間でした。

私の仕事は電気工事・土木工事など多岐にわたり、分からないことも日々出てきます。分からないことを聞くと「なんでこんなことも知らないの?」というスタンスで回答されることが多々あります。知らないから聞いているし、今まで教わっていないからこそ聞いているにもかかわらず、そのようなスタンスで来られると聞く気も失せますし、聞きたくなくなります。私自身は「今までしっかりと教えない会社が悪いのだから聞いて何が悪い」と発想を切り替えたので痛くもかゆくもないですが、入社1年目のルーキーにとっては居心地の悪い・育ちにくい環境であるのは確かです。

今年度に入り資材の勉強会や若手営業マン向けの講習会などを開催するようになり、以前に比べれば改善の兆しを見せています。しかし営業所ごとに存在する「教育しない」という雰囲気はまったく変化がありません。若手が勉強して得た知識や商談方法も「こんなの意味がない」と否定し、古い慣習を押し付ける、これをやられたら若手はやる気を失います。 


③洗脳されている

これほど長時間労働・休日出勤が恒常化していれば、社員の多くが不平不満を漏らすのは普通です。ですが弊社は世間一般の企業とは異なります。現状に対して誰も文句や不満を言わないのです。会社の良くない部分を口に出すと「なぜそんなことを言うのか?」「変わらないのだから我慢しないといけない」などと上司や同僚から言われる始末です。悲惨な現状を変えようとする人々はいますが、結局今のやり方に慣れてしまっている人々に言い負かされ、何も変えることが出来ず、愛想をつかして辞めていきます。

環境に対して不平不満を口にすることは、原因を自分以外の部分に追いやる行為なので決して良い行為ではありません。ですが会社に対して何一つ文句を言わないのは異常な状態だと思います。社員が不平不満を言わずに黙々と仕事をすることは経営層にとっては都合が良いのかもしれませんが、会社自体が大きく変わり成長できるチャンスを含んでいる不平不満といった「マイナス部分」が出てこなくなっているのはかなり危険な状態です。痛い箇所を突く意見を持つ者は会社を去り、会社にとって都合のいい社員ばかりが残っているこの現状には未来はありません。


会社の現状は好転するどころかさらに悪化していく未来しか見えません。2024年はこの会社で頑張ってみますが、来年は飛び出します。



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