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堂垣内碧の言葉に想うこと。


「私たちはアイドルじゃなくなっても生きていかなくちゃならないんだよ」。
朝井リョウの『武道館』の中に登場するアイドルグループ「NEXT YOU」のエース堂垣内碧の言葉です。この言葉は今の地下アイドル業界、いやアイドル業界の現状を表すものであると感じます。

70 年代にアイドルというものが生み出され、80 年代にはアイドルというものが世間に大きな影響を与えていました。そして現在は「街中で石を投げればアイドルに当たる」と言われるほど、アイドルが増えました。

昔のアイドルは主にテレビが活動の場所であり、正直な話をしてしまえば、テレビに映っている時だけアイドルらしくしていれば、それ以外は悪態をついても問題はありませんでした。しかし現在はインターネットが発達して、人前に出ない部分でも常にアイドルを演じなければならなくなりました。気を抜けばすぐに「○○が男と歩いてたぞ!!」という形で情報を拡散してしまいました。

地下アイドルが代謝の激しい世界なのは「なりやすくなった分だけ、辞めやすくなった」という点が大きいかもしれませんが、SNSやインターネットの発達によって、常に日常が晒され、四六時中アイドルを演じなければならなくなった」という側面も大きいのではないでしょうか。

現在地下アイドルとして活動している方の平均年齢は 21.6 歳であり、年齢的にも遊びたい時期なのは理解できます。しかしアイドルとして活動していくにはそういった欲は我慢しなければなりません。その覚悟ができなければアイドルとして活動していくのは厳しいでしょう。

しかしアイドルでいるために「遊びたい欲」を無理やり抑え込むのはどうなのでしょうか。アイドルをすることで20代の大切な時間を失う可能性もあります。あのときに遊んでおけばよかったなと思ったとしても後の祭りです。アイドルをすることによって失う物がある。このことを肝に銘じてアイドルになって欲しいなと想う今日この頃です。

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