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開花前の樹

ここ数日、あたたかかったりさむかったりと
毎日の服装選びを振り回してくる気温だけど
たぶん、初夏ってものが近づいてきている気がする。

桜の1年

365日のサイクルで、たった10日前後だけ花を咲かせ、人々を魅了する桜。

毎年のことなのにほとんどのひとが、桜が咲き始めるとその姿を見上げ、嬉しそうな顔をする。

しかし残念ながら満開になったそのあとすぐに、儚くも花弁を雪のように散らしてしまう。

そして夏になると、もりもりと葉を茂らせはするものの、そうなってしまうと「桜」であることを人々に然程重視されなくなる。

秋になると今度は葉を枯らせ、自らの養分をまた根から吸収しつつ、寒い冬を耐え凌ぐ。

そしてまた、春を迎えると1年前と同じように美しい姿へと甦る。

なんの文句も言わず、桜は永遠とこれを繰り返す…

人の春

人は、桜のような1年サイクルを繰り返してはいない。

「思春期を春、社会人になって結婚したりする時期を夏、子育と介護のダブルパンチがくる秋、そして終活を迎える冬」のように、人の一生を、春夏秋冬に例える話もある。

でも本当にそうだろうか?
(そして、春と夏がいい季節、のような言い方もどうなんだろう。笑)

ところで、30歳って10代の子たちからみたらかなりの大人に見えるだろうし、50歳くらいのひとには「若い」と言われる年齢だったりする。

けど、30年ほど生きてきて思うのは、いい時もあるし悪い時もあるということだ。当たり前だけど。

自分のことが大好きになれるときもあるし
自分ってなんて情けないんだろうと思う時もあった。

自分のことが大好きになれたその時を、桜の満開時期と例えるならば、桜だって咲き始めるその手前は、冬でカラッカラの枯れ木であることを忘れてはならない。

葉も一つ残らず枯れ落ちて、つるっぱげになっていても、根が死んでいない限り生きているし、春に向けた準備期間中なのだ。

そう、カラカラでも私たちは生きている。なんかあまりうまくいかないそのときは、充電中といったところだ。

春は10代だけのものではない。

春はいつ来るかわからない。
春の訪れは人によって違う時に来る。

それが努力によるものなのか、運勢や宿命とやらのせいなのかはわからない。

これからも、桜の木を眺めるように、自分の人生もあたたかく見守ろう。



そろそろツツジの季節。鮮やかなのに渋いカラーのラインアップで花を咲かせてくるあの子たちに会えるのが楽しみだ。




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