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アブラハム宗教〜イスラム教とユダヤ教の違い〜

ユダヤ教の国とイスラム教の国の和解

1978年9月、ジミー・カーター米大統領は、メリーランド州の山荘キャンプ・デービッドにエジプトのサダト大統領とイスラエルのベギン首相を招き、2週間を共に過ごしました。

そして翌年1979年3月、平和条約が調印され、エジプトは1967年第3次中東戦争で占領されていたシナイ半島を取り戻しました。サダト大統領とベギン首相は、声明の中で「我々は共通の父祖アブラハムをもつ」と語りました。


エジプト・イスラエル平和条約〜ユダヤ教とイスラム教の和平


2020年、イスラエルとアラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン王国はアメリカのトランプ大統領の仲介で国交を正常化しました。この国交回復はアブラハム合意と呼ばれています。その後も、イスラエルは次々とアラブ諸国と国交を回復しています。



アブラハムの宗教


イスラエルのユダヤ教とアラブ諸国のイスラム教は、共にアブラハムの宗教と呼ばれています。

「アブラハム」とは、聖書における預言者の名前です。旧約聖書にあるノアの洪水の後、はじめて神の言葉を聴いた預言者(旧約聖書の創世記)であり、その子孫がユダヤ教ではすべてのユダヤ人の祖先であり、イスラム教ではすべてのアラブ人の祖先です。砂漠の世界における共通の祖先とされる人物であり、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教において「信仰の父」と位置付けられている点で共通しています。

アブラハムの宗教の特徴

「アブラハムの宗教」であるユダヤ教1,500万人、キリスト教21億人、イスラム教13億人、あわせると世界の人口の半分強が属する宗教カテゴリーということになります。
この宗教カテゴリーが共有する価値観を3つ挙げてみます。
第一は、神は唯一の神である、ということです。それ以外の神はいないのです。
第二は、神が預言者にメッセージを与える、というものです。ユダヤ教ではモーセがシナイ山で十戒を授かり、キリスト教ではキリストによって十戒が新しい戒めに刷新され、イスラム教ではムハンマドがコーラン(クルアーン)を授かり、それを聖典としたのです。
第三は、世界は神が創造し、いずれ世界の滅亡があり、その際に神が裁きを下す、という終末論です。



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