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白峰三山縦走(北岳・間ノ岳・農鳥岳):2018/7/20~/22

先月鳳凰三山に行って、北岳をはっきり見て次はあそこだなーと決めていて、仲間と二泊三日の予定が組めそうだったので、一度はやってみたかった北岳、間ノ岳、農鳥岳を結ぶ白峰三山縦走を決行。

色々とあったけど、結果、本当に最高だった。天気云々じゃなくて。なんというか、「山だなー」っていう。今まで行った中では立山が一番良かったけど、抜いた。今のところ、一番印象に残ったルート。というわけで、ログ。

【day0】

前の日仕事を切り上げて、そのまま友人宅に泊まる。これはつまり、会社に山道具一式を持ってきている訳で、非常に恥ずかしい。さらに、その荷物を持ったままスーパーで水・食料を買いこむので、面の皮厚くしてないとやってられない。

友人宅に差し入れるビールとお菓子まであるから、両手背中にすごい荷物で、熱帯夜の住宅街を歩く。汗だくで両手パンパン。

そのまま夕飯とお風呂いただいて、子供と少しキャッキャして酒飲んで寝る。

【day1】

4時起き。もう一人の仲間を拾って中央道へ。友人の新車とても快適。羨ましい。平日だし空いてて、3時間走って7時30分には奈良田駐車場着。広河原行きバスが平日は1本しか出てないので、間に合わないとすごい山の中でやることなくなるんだけど、これで一安心。むしろ早くつきすぎて暇を持て余す。同行者の糞重過ぎる荷物減らしをしたりとか、駄話で時間を潰す。

徐々に人がバス停に集まり始める。そんなに早く並ばなくても大丈夫でしょとか油断してたら、一つ前の始発で結構な人が乗った状態で奈良田に来たので、「もしかして山道1時間立ちっぱなし?」と焦る。結果、ギリギリ僕らのところまで座れた・・・助かった。うつらうつらしながら広河原に。

広河原のインフォメーションセンターに登山届出して出発。めちゃくちゃいい天気。

少しして、友人が一人大幅に出遅れ始める。いくら待っても来ないので、少し戻るとザックが放置されてる。??!!!ッと思って呼んだら、下の藪から返答が。

心の底からヒヤッとしたけど、カメラのボディだけを谷底に落とすというずいぶん器用な事をしていた。が、上がってきた顔を見てさらに驚いた。
青い。しかも、会話の受け答えがぼんやりしてる。1年ぶりの登山で、しかも体重大幅に増量してて、かなり体力が落ちてるみたいだ。

もうこれはゆっくり行くしか無い。いくつか荷物を預かって軽量化して、見守りつつマイペースで進んでもらう。曇ってきてるし、そこまで熱くはないので熱中症ってわけでは無さそう。これで高度上げてって、悪化しそうなら下山だなーと思いつつ、御池に到着。

本当は初日で急登の草すべりを抜けて、肩の小屋まで行く予定だったけど、大事をとって今日はここまでとする。

となれば、テント立ててビール!

とはいえ、私は全く疲れていないので、普通だ。雨が降ったりやんだり、遠くで雷が鳴ったりしつつ、体調崩した同行者が気を使って買ってくれるビールをダラダラ飲みながら、人間観察。それも飽きて、早すぎる夕飯。駄話で盛り上がって就寝。

【day2】

3時起床。トイレ超きれい!!今まで行ったところで一番地上に近い。暗闇のなか、草すべりを登る。なかなかの急登。昨日は停滞する判断して正解だった。
絶対引き返すことになってたな。今日は同行者も体調良さそう。遅いけど。

稜線にでる。北岳かっけえええ!!!!

肩の小屋に向けて進む。周りを見渡すと、甲斐駒とかの南アルプスの山々はもちろん、中央アルプス、奥には北アルプス。八ヶ岳、そして、もちろん富士山。主要な山が全部見渡せる。これは絶景。こんな山々を眺めながら稜線を進んでいけるの最高すぎる。

肩の小屋に到着。テン場良いところだなー。ここに泊まりたかったなー。次は絶対ここに泊まる。朝飯食って、北岳頂上に向けて出発。

少しして日本で二番目に高い頂上に。天気が良すぎて凄まじい絶景。

なんだけど、あんまり疲れてないので吠えるような感慨は無い。写真撮って、次の間ノ岳に向けて出発。
一度稜線を降りて、北岳山荘に。ここのテン場も最高だー。ここも泊まりたいなー。トイレがすげーきれい。水も無料で冷たいのが貰える。太陽に焦がされ続けてて、冷たいのが何よりも助かる。診療所もある。すごいところだ。

北岳山荘出たところで雷鳥に遭遇。保護されているようです。

さらに太陽に焦がされながら、間ノ岳に到着。ここは日本で3番めに高い山。北岳よりもどっしりとした山容。間ノ岳からさっきの北岳を振り返る。でっかいなあ・・・かっこいいなあ・・・

雲がかかり始めた農鳥小屋に向かう。

噂だと15時までに着かないとおやじさんに怒られるとか、望遠鏡で見てて、歩き方注意されるとかの噂があり、すこしドキドキと言うか、めんどくさいなーと思いつつ間ノ岳を下り始める。

岩場ゾーンになると、やたらめったら矢印が出てきて、少し異様な感じ。でも、なんというか、独特の雰囲気のあるゾーンで歩いていて楽しい。途中すれ違う人に「どこからですか?」って聞いたら「農鳥小屋からー」と返事。「大丈夫だよ!!悪い人じゃなかった!!!」って続いて、思わず爆笑。みんな気にしてるんだなw

さすがに暑くてバテて、ペースが遅くなって、体調がいい方の同行者に抜かれる。お前だって1年ぶりの登山のくせにーくそー。と、悔しがりつつ13時には到着。怒られなくてすんだぞ。受付は女性で、例のおやじさんは奥で何やら話こんでる。
とりあえずテント受付。一人1000円なり。ちょっと高いなーと思ったりもしますが、場所が場所だけに、そりゃそうだ。

そして、どうやら、おやじさんの忠告を聞き入れずに大門沢に進んだ人が発生した模様で、大門沢小屋に電話で報告し始める。その口ぶりで色々なるほどと思った。

とりあえずテントを張る。ほとんど誰もいないテン場で場所選び放題。
最初は稜線ギリギリのところをと思ったけど、それなりに斜めっていてうーん・・・ちょっと後退して張る。

今回から新しくLOCUS GEAR Khufu Tyvekを導入してて。それで軽量化された分以上の荷物を体調不良の同行者の荷物を持ってて軽さの恩恵はまだ受けていないけど、いいですね。シェルター。自由で自然。出入り楽で、中での汚れや砂の侵入も気にならない。風も通って夏は涼しい。(冬も下までビッタリ張ればそれなりに温かいんじゃないか)虫はアホほど入ってきますが、上の方に滞留するので、人間的には気にならない。雑な性格の私には合ってます。やっぱかっこいいし。

水場まで水を汲みに行く。往復30分・・・でも、汗だくなんで水浴びしたくて行く。虫がすごい・・・が、冷たい水は大正義。完全に生き返る。すごいな。冷たい水。

テン場に上がる。結局汗だくだけど。みんなも水場で生き返って、昼寝。

起きる。夕立来るかな?と思ったけど、時折ガスってるだけで雨は無し。
荷物持ってあげてる同行者がビールを差し入れ。常温かな?と思ったけど、少し冷えてる。ありがてええええええ。うめえええええ。昨日とは違って疲れていたので、絶景を眺めながらのビールが体に沁みる。

小屋泊の同行者からおやじさんの情報を色々と聞く。なるほど。どれも正論。言い方はきついけど、まあ、それも最短で行こうとするからだし。なんというか面白いなあ。

そんなこんなで夕飯。そこで茹でたパスタをぶちまける大事件発生。マジで泣ける。まじかよ。サルベージできた麺と予備のパンで侘びしく食べる。そこが焦げてもいた。やっぱりノーマルのJETBOILは湯を沸かすだけで、調理には向いてないなあ・・・クッキングシステムはちょっといい加減考えよう。と思いつつ、ワイン飲む。カルディで買ったドライのパイナップルが大ヒット。歯ごたえと甘さがちょうど合う。

夕暮れ時。農鳥岳にまとわりつく雲の流れを観ながら、ずっと酒を呑むのがなんとも心地良い。眼の前にでっかい岩山があって、自分が標高2800mくらいのところにいる現実感のなさにくらくらする。酔っ払う。

が、現実に戻ると、JETBOILの底には焦げ付いたパスタがびっしりと付着していて、その上にニュルニュルの麺が残ってる。これ、今日中に処置しないと、明日日中の高温で匂いそう。なので、また水場まで往復30分。もう冷え込み始めて虫はいない。が、酔っ払っててよくわからん。寝る。

途中目が覚める。ものすごい星。少しぼーっと見る。寝る。

【day3】

3時起き。撤収。地平線が赤らみ始めている。

じっとしてると少し寒い。どーんと岩山が傍らに。

出発。徐々に明るくなる岩場を上がる。風が少し出始める。西農鳥岳で日の出。すごい光景。

昨日から移動してきた北岳、間ノ岳が見える。間ノ岳、こう見るとなんとも雄大でかっこいい。あの山にいる間は特に普通なんだけど、こう見るとかっこいい。

朝日を浴びながら農鳥岳に進む。最高に気持ちいい稜線歩き。言葉に出来ないんだけど、農鳥岳一帯は独特の雰囲気があって素晴らしい。この山域は気に入った。

頂上で富士山と雲海をみながら飯。

立山雄山神社前で食ったパワーバーとコーヒーの朝食が今までの最高の朝飯だったけど、ここが塗り替えた。すごかった。

しかし、ここからが長丁場。大門沢小屋経由で下山なんだけど、コースタイムで5時間くらいかかる。ここまでで3時間かかってるのに。まだまだ先がなげえ・・・

とりあえず、鐘があるところまで降りて、そこからはひたすら下山。まずは低い樹林帯&虫ゾーン。徐々に普通の樹林帯。ここまでがけっこう長くて暑くてツライ。が、途中から沢と並行して降りるので、そこからは気分的に涼しいのでマシ。2時間ほどで大門沢小屋に。のどカラカラでコーラが沁みる。休んでいると農鳥小屋で隣にテント貼ってたトレランの人たちが到着。昨日5時起き6時出発と言っていたので、僕たちとは2時間くらい遅く行動開始している訳で、早くてビビる。マジか。水補給して出発。僕らも出発。

ずっと沢伝いに降りていく。標高もかなり下がって気温が上がってくるので、徐々に体がオーバーヒート気味になる。たまらず、シューズ脱いで、沢に入って冷やす。アイシングってすごい。一気に足が回復する。頭から流れに突っ込む。気持ちよすぎる。そのまま、水を流れで冷やして、ドライパイナップル食べて休憩。急に夏休み感が出てきて、元気になる。

揺れまくる橋を渡って、アスファルト道を30分くらい歩くと、開運隧道まで出てくる。そこのおじさんとちょっと立ち話。奈良田駐車場着。12時。最終日も8時間行動で15kmくらい移動。疲れた!!直ぐ側の温泉に直行して、2日分の垢を落とす。さっぱりして、となりの古民家の縁側でビール。最高。

遅れていた同行者も無事到着して、旅完了。最高だった。

最初にも書いたけど、このルートは本当に素晴らしい。それなりに体力がいるけど、また行きたいし、本当におすすめ。

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