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オードリーとトム・ブラウン、逆境の中でも自分たちの「ネタ」を信じ続けた二組

2024年2月28日放送の『あちこちオードリー』に、トム・ブラウンの布川ひろき・みちおが出演していた。そこで、M-1グランプリ2018で大きなインパクトを与えた「合体」ネタについて語っていた。

実は「合体」ネタが誕生したのは2016年であり、2年の時を経てトム・ブラウンは漫才をブラッシュアップし続けたのだという。

当時の心境について、みちおは次のように語っている。

「『合体』をやり始めて、めっちゃいいの見つかったって思ったら、2回戦で落ちたんで。正直、その時が一番やめようか迷ってました」

そこで、布川はオードリーのM-1グランプリ2008、2007の敗者復活戦ネタを研究し、「親切な部分とか、間のつなぎの潤滑油になってる部分とかを導き出して、それを自分らにトレースして」M-1決勝への切符を勝ち取る。

オードリーもまた、「ズレ漫才」が誕生してから2008年のM-1決勝にたどり着くまで、3年の月日が経過している。

「ズレ漫才」が生まれるきっかけ

オードリーが初めてとなる「ズレ漫才」を披露したのは、2005年10月であるという。そのズレ漫才が誕生したきっかけについて、若林は次のように語っている(*1)。

「トークライブを始めるってきっかけが、ボケとツッコミが今とは逆で、とにかくスベリ倒してるんですよ。それで、どっちがボケで、どっちがツッコミなのか考え直さなければならない、ってことになったんですよね」

「それで、素で喋っているのをビデオに撮って、喋っているのを見れば、どんな2人なのか分かるだろうってことで、トークライブを始めたんですよね。ビデオを見返したら、当時春日さんはツッコミだったんですけど、突っ込んでいた回数が、2時間で2回だったんですよね」

「それで、どっちもボケてなかったんですよね。ツッコミ2で、ボケが0だったんです。それで、ボケとツッコミより、若林と春日だろうって話になったんです」

「漫才のスタイルを見つけるために、トークライブをやってたんですよね。このトークライブの後半はもうグダグダで、記事にはなってないですけど、春日の間違ったツッコミで、俺が『なにそのツッコミ』っていうところが、異常にウケてるんだよね。それで、そのままの漫才を作ろうってことになったんです」

「ズレ漫才」を思いついた元ネタ

では、具体的にどのようなことが元ネタとなったのかというと、トークライブの中での次のようなやりとりであったという。

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