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オードリー、M-1グランプリ2008敗者復活戦を勝ち上がることができなかったらという「もう一つの世界線」

2024年5月8日放送のテレビ東京の番組『あちこちオードリー』にサンドウィッチマンがゲスト出演し、そこで2007年にM-1グランプリで優勝し、翌年にオードリーと和歌山県の営業で、M-1グランプリ2008 決勝直前で一緒になった時の様子について語っていた。

サンドウィッチマン・富澤たけしは、「営業かなんかで、言ってたよね。これは行くね」と、オードリー優勝の可能性もあると話をしていたという。さらに伊達みきおも「袖で見てて、めちゃくちゃ面白い、オードリー」と思っていたという。

その営業のエンディングで、伊達は「今年、オードリーはM-1優勝します」と発言した。ところが、すでにその時点で準決勝の結果は発表されており、オードリーはファイナリストに残ることができていなかった。

若林は「いや、もう落ちてるんですよ」と応じたが、伊達はさらに「いやいや、もう優勝しますんで」と言ったという。優勝はしなかったものの、その年のM-1グランプリで敗者復活戦を勝ち上がり、オードリーは一躍大ブレイクを果たす。

だが、もしオードリーがM-1グランプリ2008敗者復活戦で勝ち上がっていなかったら…そのもう一つの世界線があったとしたらどうなっていただろうか。

芸人を辞めようとしていた若林

サンドウィッチマンの力強い「太鼓判」があった一方で、当時の若林は「芸人を辞めよう」と考えていた。その当時の心境について次のように語っている(*1)。

「辞める、辞めないってことになってくると、辞める理由がいるんだよね。なんでも良いから、その理由が欲しかったから、また怒られちゃうかもしれないけど、(事務所を)クビになることだったわけよ

「だから、春日がゆっくり歩いてきたり、後半二分ずっと踊ってたりっていうことがあるじゃない?そういうことをインタビューで話をしてると、分かんないみたい。ギャグになっちゃうんだよね」

「クビになろうとしてましたからねって言うと、ギャグだと思われるの。またまた~みたいな。そんなワケないでしょ、みたいな。説明も難しいから、そこから引き返すんだけど」

「…辞める理由がいるってことなんだよね。一緒にしたら怒ってくる人もいるかもしれないけど、新撰組の土方歳三が五稜郭に死ぬ理由を求めて行っちゃうじゃない」

若林は、所属事務所であるケイダッシュステージを「クビ」になることで芸人としての区切りをつけようとしていたという。まさに「死に場所を求める」かのように、彷徨い続けている日々だったのではないだろうか。

念願だった「地上波での漫才」

「芸人を辞めようと思っていた」タイミングとしては、若林の抱いていた願いがあった(*2)。

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