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歌志内のミライ・プロジェクト

まず始めに、このミライ・プロジェクトは、私が勝手に道内の市町村で地域おこしができたら……という観点で書きはじめているものであり、当該市町村とは何の関係もないものであることをご理解ください。例えば、私は今、歌志内には住んでいません。道の駅のスタンプラリーで立ち寄っただけの街なのです。

歌志内市は、北海道の中心・札幌と旭川のあいだに位置する、かつて炭鉱で栄えたエリアにある街です。その歌志内で考えられるいくつかのプランを考えてみました。

「歌志内、再起動!」

1]歌志内の魅力を2つに分ける

歌志内は悲別ロマン座のような映画のロケ地になった場所と、かつて栄えた炭鉱の跡地をセットで考え、「昭和ロマン」を宣伝するAプラン。
もう一つは、チロルの湯の名前や道の駅の建物に見られる、実際のオーストリア・チロル地方をイメージさせる「ヨーロッパ浪漫」を宣伝するBプラン。

二つは相反するものですが、観光のスポットとして、それぞれでプロジェクトを組んで磨き上げていくのが良いと思いました。歌志内市の街の様子は、オーストリアの街並みとは全く違いますが、道の駅周辺だったり、谷間に位置する街の特性を生かして、あえてオーストリアチックな雰囲気にしていくのが良いと思います。

雪深いエリア、寒いエリア、山に囲まれているエリアという共通項のあるオーストリアは、冬に訪れても街の様子にあたたかい雰囲気があるため、そういった部分を今後は取り入れていく。

2]昭和・ロマン

かつてロケをしたような施設はあまりにも大がかりな補修やリニューアルをしてしまうと、魅力がなくなってしまうため(例えば稚内駅の今昔も似たような例です)、今のまま。でも、泥でぐちゃぐちゃな部分や、入りにくい雰囲気をなくすような手の入れ方はする必要があると思います。廃材となった鉄道の枕木を使った入り口のアプローチや、駐車場も入りやすくし、お土産も買えるお店とインフォメーションを置く。インフォメーションは町の方にお願いして、ボランティアとして交代でお迎えする。

歌志内だけでは表現しにくい、炭鉱の歴史をモチーフにした観光促進については、芦別〜赤平〜歌志内〜上砂川とめぐる、「炭鉱ロマンチック街道」とか、「昭和産業遺産街道」というような名前にして、一体として巡ってもらえるような取り組みをする。一体感のある各街のマップをつくって、各炭鉱の中には入れないにせよ、気軽に車を止められるスペースがあり、外側からでも極力近づける場所まで入れるようにする。

しっかりとした案内の看板を作る必要はあるかもしれませんが、駐車場や場所の名前などを小中学生の図工や美術の時間、あるいは夏休みの課題として協力して作ってもらい、「自分の生まれた街に残る自分の作った証」がいろいろなお客様を迎えるようになると、故郷への思いが継続します。多くの若者は都会に出てしまえば、よほど疲れ切らないと帰ってきません

材料も、地元の業者さんにお願いして、廃材だったり、流木でもいいと思いますが、基本的な事は全ての街で合わせ、あとは特色あるデザインで作ってもらえば、経費はそんなにかからないと思います。

3]ユーロ・浪漫

せっかく「チロルの湯」というネーミングで、道の駅の建物も欧風なログハウスなので、もう一つの柱として欧風の観光開拓もできると思いました。

例えば、かつて道の駅で営業していた食堂の話が今でもインターネットでちらほら見かけますが、ここは思い切って、オーストリアの食事を取り入れてみます。

まずオーストリアと言えばザッハトルテ。チョコレートケーキです。これを道の駅や、冷やして食べるバージョンをチロルの湯の名物にします。そして、街に住む方々や、市役所、商工会議所の有志の皆さんで、ザッハトルテ・コンテストのようなものを毎年開いて、優勝した場合はそのレシピのザッハトルテをチロルの湯で1年間食べられる。

また、かつて評判だった料理もあるでしょうが、ここはでいれば、オーストリアの料理を1品でも2品でも考え、地場産品で作ったものを提供するのはどうでしょうか。

冬の歌志内、雪深い地の温泉で、チーズとジャガイモを使ったおいしいランチを

こういう文言は雪のない地方の人に響くものです。

これを活用して、うまく引っ張れると、クリスマスシーズン(11月くらいから)約2ヶ月、賑わいの「きっかけになるような何か」ができると思いませんか?

4]"utashi-nines"

地域の活性化は、その街に住んでいる人がある程度本気にならないと、絶対に、確実に、活性化しません。そしてそういう街が大半で、

"過疎は問題。問題はわかっているけど、とりあえず今のままがラク。そのうちなんとかなるでしょ。なんかあれば議員さんに言って地方交付金を"

これでは、確実にその街は将来自然に還り、になります。
我が息子は、娘は、孫は、どうせ札幌や東京で最新式のマンションでうまく暮らしていくでしょう……そういう思いが見えます。

せっかく前述のような、「歌志内、再起動」ができる今の状況なのであれば、是非町の人に立ち上がって頂きたいと思います。なぜせっかくある街が、朽ちていくのを待つのでしょうか。なぜせっかく祖先が残してきた産業遺産が錆び付き、壊れていくのをただ見守るだけなのでしょうか。

どの街の地域おこしにも言えることはとは思いますが、市町村民の有志、できるだけ多くの有志の市町村民が一人ひとり発信をする。特別なことはしなくても良いのです。街の若者や市役所、商工会議所や青年団、消防署員など、みんなが例えばインスタをやり、必ず一日一枚の画像を公開し、何かコメントをする。そういうものが毎日積み重なっていくと、かつてその街にいたことがある人、その街に興味のある人、いつか必ずネット上で立ち寄ってくれるようになると思います。

市役所や観光協会は、毎日朝と晩だけでもいいし、朝だけでもいいので、定点の画像を載せる。それだけでもいいじゃないですか。本人たちが「ホントにちゃんとやっている!」というものが見えないのでは、いくら外部頼みでも、浮上は絶対に無理だと思います。

そこで、上記のような取り組みを、歌志内であれば、野球のプレーヤーである「ナイン」をもじって、"utashi-nines"として、市民一人ひとりに1日1枚の画像をあげてもらう。別に顔を出さなくてもいい。自分の自宅の位置がわかるようなものを載せなくてもいいのです。今日の「ウタシナインのランチ」「ウタシナインのお散歩の風景」、こういうことを少しずつやっていく。積み重ねがとても大切だと考えます。(お金かけなくてもできますよね、こういう地域おこし)

これだけでも十分、みんなが参加できる地域おこしになるのではないでしょうか。

以上、歌志内市を外から見た、勝手なリノベーション案でした。