【文明の始まり】
農業の生産性が上がると、人口が増え村や町ができ、さまざまな階級や職業ができます。
そして、チグリス・ユーフラテス川流域に、メソポタミア文明が誕生。
その後、エジプト文明、インダス文明、中国文明、さらにエーゲ文明が生まれ、それぞれが各地で発展していきます。
古代文明の多くは神の権威をかりて神権政治が行われました。
誰もが同じものを所有していた時代にはなかった、お金持ちと貧乏の身分差別ができ、土地や資産をめぐる争いはやがて国家間の戦争へと発展していきます。
メソポタミア文明
メソポタミア文明はチグリス・ユーフラテス川流域、現在のイラクに誕生しました。世界最古の文字楔形文字が発明されます。
シュメール人が、ウル・ウルクに都市国家を作り、町の中心にジッグラドと呼ばれる神殿が建てられ、神官が王となって神権政治が行われていました。
次にこの地に登場したのがアッカド人です。彼らの王サルゴン1世によって、シュメール人の都市国家は征服され、メソポタミアはひとつの国家に統一されます。
その後、シュメール人が勢力を回復してアッカド王国を滅ぼし、ウル第三王朝をつくりましたが、この王朝も長続きせず、アムル人がバビロンに古バビロニア王国を建国しメソポタミアを征服します。
ハンムラビ王がハンムラビ法典「目には目を。歯には歯を。」の復讐を原則とした法律をつくったことが有名です。
しかし古バビロニア王国も小アジアに建国したヒッタイト人によって滅ぼされます。ヒッタイトは世界で初めて鉄製の武器を使い、強力な軍事力を誇った民族です。
古バビロニア王国が滅んだメソポタミアの地にはミタンニ、カッシートが侵入し、エジプト、ヒッタイトの4カ国間で争いが起こります。
ヒッタイトとエジプトの大王ラムセス2世との間で、カデシュの戦いが起こり、世界で最初の平和同盟条約が結ばれました。
そして1200年、謎の民族「海の民」の侵入で、諸王国が相次いで崩壊・衰退するなか、ヒッタイトも滅亡します。
エジプト文明
エジプト文明はナイル川の氾濫のおかげで土壌が育み「エジプトはナイルのたまもの」といわれ、およそ二千年に渡って繁栄します。
最も古いのが古王国時代。ファラオと呼ばれるエジプトの王たちが、権威を象徴するためピラミッドを建てます。最も巨大なのが古王国のクフ王がギザに建設したピラミッドです。
そして、遊牧民ヒクソスに侵入され一時衰退した中王国時代、エジプト史上最も繁栄した新王国時代と大きく3つに区分けされます。
新王国時代にはアメンホテプ4世が現れ、これまで多神教だったエジプトを、一神教にする宗教改革を行うなどして騒がせました。
しかし改革は反発をかいもとに戻されますが、アマルナ美術というそれまでのエジプトにはない、写実的な芸術が生まれます。
エジプト文明も1200年、謎の民族「海の民」の侵入によって衰退します。
インダス文明
インダス川流域に誕生したインド最古の文明。インダス文字はまだ解明されていなく謎の多い文明です。
インダス文明では高度な大都市建設が行われていました。
都市は市街地と城塞部に分けられ、碁盤目状に道路が整備され、下水道も整えられ、各住宅に風呂やトイレが完備されていたそうです。
モエンジョ=ダーロやハラッパーなど有名な遺跡が残されています。
しかし、1800年に衰退。理由はインダス川の洪水とか乾燥化などと推測されています。
インダス文明が衰退すると、この地にアーリア人が侵入し、それまでインダス文明をつくっていたドラヴィダ系の民族が押し出される形で南下します。
アーリア人は、インダス文明の高度な大都市計画のノウハウを引き継ぐことなく、この地でインド宗教の基礎となるバラモン教をもたらします。
そして、インダス川からガンンジス川に移住すると、階級身分制度カースト制をはじめます。
中国文明
北の黄河と南の長江、この二つの大河流域で農業などの原始的な文明が始まります。
中国では、王朝「夏(か)」が存在したとも言われていますが、確認されている最初の王朝は黄河流域にできた殷(いん)です。
邑(ゆう)と呼ばれる集落がたくさんでき、その中の強い邑が、他の邑を従えて王朝ができました。
次に殷を破ったのが周。周王朝は前期と後期に分けられ、前期の隆盛を誇った西周と、衰退した後期の東周はさらに、春秋時代と戦国時代に分けて呼ばれています。
周王朝は「封建制」という支配体制を取り、血縁関係によって主従関係を結ぶことで、国を家族ぐるみの結束力でおさめていきました。
しかし、西周は美女に溺れた王によって弱体化していきます。
異民族の侵攻により首都を洛邑に遷都した春秋時代では、王の権威は弱まるものの、尊王攘夷が叫ばれ、王を守り夷狄(外国の敵)を打ち払うという名目で、覇者と呼ばれる各地の有力諸侯が力を強めていきます。
エーゲ文明
エーゲ海周辺ではギリシアの伝説や神話の源流となるエーゲ文明が生まれます。
古代エーゲ海のクレタ島で生まれたのがクレタ文明。海洋文明らしく開放的で平和な文明で、クノッソス宮殿には花やイルカが描かれていて、クレタの人々は心を癒してくれる動植物を愛する優雅な感情を持つ人々だったようです。
ギリシア本土で生まれたのがミケーネ文明。クレタ文明の影響を色濃く受けましたが「トロイヤ戦争」が起きるなど、クレタ文明よりも戦闘的な文明でした。
ミケーネ文明も、1200年、謎の民族「海の民」の侵入で滅亡します。
その混乱ののち400年間、ギリシアは「暗黒時代」と呼ばれ、歴史的な文字の記録がない空白の時代が続きます。
シリア・パレスチナ地方
1200年の「海の民」の襲来で、エジプト、メソポタミアの2大王国が衰退すると、周辺の小国3民族のアラム人、フェニキュア人、ヘブライ人が活躍するようになります。
エジプトで奴隷として扱われていたヘブライ人は「出エジプト」を果たし、故郷パレスチナに戻るとイエルサレム王国を建てます。彼らはのちにユダヤ人と呼ばれる人たちで「バビロン捕囚」後、ユダヤ教を成立します。
オルメカ文明
北アメリカ最古の文明。他の文明が豊かな大河流域で生まれたのに対し、なぜかジメジメした毒虫だらけのジャングルの中で生まれた文明。
聖獣ジャガーを信仰し、数々の巨石人頭像をつくりました。
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