私が世界史を勉強しようと思ったきっかけ
漫画家のさわぐちけいすけさんは、小学生の頃ピカソの絵の良さが全くわからないまま中学生になり、ある本の中のこのセリフに大変ショックを受けたそうです。
文化や芸術を理解したり楽しめないのは理由がある
お前が歴史を知らず、知識と教養にかけている上に、目先の利益にすがるしかない能のないどうしようもないバカだからだ
引用:「妻は他人」さわぐちけいすけ
というような内容だったそうです。
そして、自分がピカソのような偉大な画家を理解し楽しむためには、少しでも天才に近づけるよう努力するのが近道だと考え、本をたくさん読むようになったというお話です。
漫画の本題は奥さんとの付き合い方がテーマで大変面白い作品です。
↓さわぐちけいすけさんのTwitter載せておきます。
https://twitter.com/tricolorebicol1
私もこの漫画の中のこのセリフに大変な衝撃を受けました。
それまでの私には趣味もなく、好きな音楽もないし、ゲームおたくにもなれず、韓流ブームも訪れず、ただただ仕事に明け暮れる人生を送ってきたからです。
目先の利益を追い求めるしか能のないバカとは私のことだったんです。
私は仕事だけできれば人生の成功者だと思って生きてきました。
しかし、その頃の私はすでに会社を辞めキャリアも失い、目的もないままもがいていた頃にこの漫画のセリフに出会ったのです。
これをきっかけに猛烈に勉強をしなければ、という使命感にかられて図書館に向かいました。
しかし、勉強をすると言っても何から手をつけて良いのかわかりませんでした。難しそうな本を開いては閉じ、読んでも読み進められず、虚しく図書館を後にします。
その帰り道の道すがら、思い出します。
「あっ、私高校中退のバカだったんだ。」
私は静岡県のとあるパー女と呼ばれていた、バカの集まる女子高を一年も行かずに中退した折り紙つきのバカだったんです。
学歴をあまり重視しない(そんなこともないけど)デザイン業界でのさばっていたので自分は偉くなったと勘違いしていました。
そこで、次の日からは図書館の児童書コーナーに通うことにしたのです。
当時私が住んでいたところは、茨城県の水戸です。
とても良いところで素晴らしい水戸の偕楽園や千波湖のお話をしたいところですが、話が脱線するので割愛しますが、黄門様のお膝元だった土地柄のせいか教育意識が高く、図書館の児童書コーナーのラインナップも幼児すぎず小学生向けの本が充実していたので、私にはうってつけの場所になったのです。
その当時、たまたま手に取った本の「はじめに」にこのようなことが書かれていました。
人生に夢を持つのも、未来に絶望するのも、歴史を知ってからにしてほしい。人の行う何もかもが歴史に刻まれているから。
そして、自らも歴史を紡いでいる人間の一人だとわかれば、未来は自ずと見えてくる。
世界史の本の「はじめに」には著者の熱い思いが詰まっている本がたくさんあります。
どうにかして多くの人に歴史を学んでほしい。他の国を知らないということは、自分の国を知らないということと同じなんだよと伝えたい。
きっと頭のいい人たちは歴史を学ぶことの大切さを知っているのでしょう。
私もその図書館の児童書コーナーで出会った本に夢中になりました。
驚きました。自分がこんなに知らないことを知ることを楽しむなんて。
高校を中退している私にとって、世界史は全く未知の世界でした。ビッグバンからすごい奇跡的確率で地球ができ恐竜の長い年月。そして人類の時代なんて始まってからこれっっっっっっぽっちの時間しか経っていない。
人類が農業を思いつき、文明をひらき大航海時代やら科学革命やら、もう驚きの連続でした。
世界史って面白い!
その時、もううずうずが止まりませんでした。
「誰か紙と鉛筆を!」
私はグラフィックデザイナーという仕事柄なのか、まとめずには気が済まない性格なのです。もうレイアウトにまとめたくてうずうずするのです。
児童書では知識欲が満たされなくなってきた私は、図書館の一角に設けられていた教科書コーナーに足を運ぶようになりました。
そこで高校生の世界史Bの教科書を読んだんです。
難しすぎる。
カタカナと漢字の羅列で何を言っているのかさっぱりわかりませんでした。
調べたところ、教科書というものは先生が授業で面白おかしく、雑学なども交えながら説明してくれることを前提に作られているものだというのです。
本当に?
私はその頃、高校生に戻って世界史の授業を受けてみたいなと妄想するようになっていました。
しかし、私の頭では到底授業についていけない。
そこでグラフィックデザイナーになった未来の私が、高校一年生の私に、そっと渡してあげる世界史のノートを作りたいと思ったのです。
教科書の難しさに挫折することなく、世界史の面白さを伝えられるノートになればいいなと思っています。
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