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フランス旅・世界史現場探訪

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フランス旅での世界史の現場探訪の記事をまとめています。
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記事一覧

フランス旅)パリ)ラグビーW杯と革命の断頭台②

前回はパリが古代ローマの軍事都市として成立した後、シテ島の「コンシェルジェリー」にフランスのカペー朝の王宮と高等法院が置かれ、行政と司法の中心地として栄えた歴史について書きました。 今回はいよいよ、フランス革命期にたくさんの処刑者を生み出した、負の歴史について書きたいと思います。 フランス革命時に「革命裁判所」に フランス革命とともに「コンシェルジュリー」のパリ高等法院は廃止されますが、裁判所と牢獄の機能は引き継がれました。1793年春、宮殿には政治犯を裁くための革命裁

フランス旅)パリ)ラグビーW杯と革命の断頭台①

フランスのラグビーワールドカップがいよいよ決勝戦を迎えています。決勝の舞台となるパリは、フランス革命で大量の人々が処刑されたという血塗られた歴史があります。現場を訪れました。 ラグビーの「ファンゾーン」はかつての処刑場 冒頭の写真は、有名なパリのコンコルド広場です。写真の右上にそびえるのが、エジプトのムハンマド・アリーから19世紀前半に贈られた、ルクソール神殿のオベリスクです。 私が現場を訪れると、そこはラグビーワールドカップのファンゾーンになっていました。パブリックビ

フランス旅)カルカソンヌ)ラグビーW杯とボードゲームな要塞都市

ラグビーワールドカップの観戦で向かったフランスのトゥールーズ。そこから電車で1時間ほど離れているのが世界遺産の要塞都市カルカソンヌです。ボードゲーム「カルカソンヌ」のモデルともなった同地を訪れました。何度にもわたる領主の交代と国境線が同地を要塞化させたことがわかりました。 名作ボードゲームのモデルの地 「カルカソンヌ」といえば、名作ボードゲームのモデルとして有名です。城壁や街道が描かれたパネルを1枚ずつめくって、出来上がった要塞都市の出来上がりで得点を競います。現地で実際

フランス旅)トゥールーズ)アルビジョワ十字軍と反骨精神の街

ラグビーワールドカップ、盛り上がっていますね。日本の初戦、チリ戦を観戦するためにスタジアムのある南フランスのトゥールーズを訪れました。 タイトルの写真は街のランドマーク、キャピトル広場の市庁舎です。正面には日本とチリ、そしてフランスの国旗が掲げられています。 世界史の文脈では、アルビジョワ十字軍に抵抗し、今でも独自の文化を持つ「オクシタニア」地域として独立と反骨の気風のある素敵な街でした。 「バラ色の街」、レンガ造りのトゥールーズ トゥールーズは「バラ色の街」と呼ばれ