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"歴史" 系 note まとめ

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#歴史

【ニッポンの世界史】#37 湯浅赳男の世界史的想像力:ブローデル・梅棹忠夫・ウィットフォーゲル

 この連載は主に「戦後」の「ニッポンの世界史」を対象としているが、戦中の見逃せない議論として「京都学派」の世界史をとりあげた(その1、その2)。日本を世界史のなかにどう位置付けるか。これは一筋縄ではない問題だった。東アジアを、そしてアジアの位置付けを、矛盾することなく位置付ける試みは、結局のところ成功しなかった。  失敗は戦後日本に申し送りされることなく忘れ去られるが、「世界史を描きたい」という欲望は、自己イメージとも関係している。高度成長を遂げつつあった日本の自己イメージ

静岡県で浮世絵にも描かれたお店や景勝地、遺跡を巡った歴史探訪の旅

静岡県は大きい! 静岡で旅行と言えば、西部の浜松・浜名湖エリア、東部の熱海、伊豆半島でした。 今年は、静岡県の真ん中辺り、静岡市駿河区、清水区で旅游。 隈研吾建築の「日本平夢テラス」、富士山を一望する「日本平ホテル」、茶畑テラスのピクニックに行きたい!というのがきっかけでしたが、江戸時代に描かれた浮世絵にも登場する老舗や景勝地も巡って来ました! ⭐浮世絵にも描かれたとろろ汁「丁子屋」もうレギュラー放送を終了してしまった「世界ふしぎ発見」ですが、以前、「東海道五十三次」を

Hi!story〜歴史カードゲームで歴史教育を変える〜

2023/02/21追記: Hi!story、ついに販売開始しました…!✨ 本編は下にあります! こんにちは、こんばんは。Hi!story(ハイストリー、略してハイスト)です! 1.今回のnoteで何を語る? 今回のnoteはHi!storyの自己紹介になります!(今更かい。) というのも、ビジコンに出場したり、メンバーが5人に増えたり、AIの描いたイラストを使ったり・・・と様々な遍歴を経て 結局今のハイストはどうなってるんだ?という ”いまの”Hi!storyに

国立国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読む歴史学書籍【東洋史・海外翻訳書】

上掲の東洋史編 このほど新規に搭載される以前からあったものも含みます。 おおむね20世紀後半以降の著作が中心。日本人研究者の手による著作が中心なので、翻訳書に目ぼしいものは多くない(隔世の感があるものが多い)。 適宜翻訳者を記した。 古代オリエント史はこちらに記載した。 随時追加します(2024/05/25) アミール,アリ ・アミール・アリ 著 ほか『回教史 : サラセン権力の興亡並にアラビア民族の経済的社会的知性的発展の概述』,原書房,1974. 国立国会図

古代中国の世界に入り込む「金陵図数字芸術展(金陵図デジタル芸術展)」

 中国の博物館や展示について、皆さんはどれくらいご存じでしょうか。どのような展示施設があって、日本の展示とどう違うのだろう、と気になっている方もいるかもしれません。  今回は2023年の年末に尋ねた中国南京市にある徳基芸術博物館の企画展「金陵図数字芸術展」をご紹介します。 はじめに  中国国内でも大都市の一つ南京市(名古屋とは姉妹都市です)にある大型商業施設「南京徳基(Deji Plaza)」内にあるのが徳基芸術博物館です。博物館は南京徳基の8階フロア全体に広がっています

SDGsは、誰がどうやって決めたのか? 【SDGsとは一体、何だったのか?】第4回

SDGsは「欧米の白人たち」が決めた?  「SDGsは "欧米の白人" が決めたもの」という言説がある。  それって、本当なのだろうか?  今回は「SDGsは、誰がどうやって決めたのか?」という3つ目の問いについて、策定時の経緯をふりかえりながら考えていくことにしよう。  とくにクローズアップするのは、OWG(オープンワーキンググループ)と、政府間交渉の過程だ。  両者のなかでどのような議論がもちあがったのかをみることで、SDGsへの理解を深めていきたい。 策定のプロセ

国立国会図書館デジタルコレクション個人送信サービスで読む歴史学書籍【西洋史・海外翻訳書】

@MasakiUetaさんを承け、歴史学系の書籍を作成してみました。 このほど新規に搭載される以前からあったものも含みます。 おおむね20世紀後半以降の著作が中心。 随時追加します(2024/05/21。2024/06/05 トインビーなどを追加。) アードーズ,リチャード リチャード・アードーズ 著 ほか『大いなる酒場 : ウエスタンの文化史』,晶文社,1984.12. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1218

【ニッポンの世界史】#36 世界史が語る国際政治や文明の衰亡:高坂正堯と塩野七生

世界史化する時事論壇  1980年代以降、論壇誌や政府関係の刊行物、ビジネス系の雑誌に引っ張りだことなった女性がいます。  小説家・塩野七生(1937〜)です。  たとえば1989年に安田信託銀行調査部の発行した刊行物に塩野のインタビューが載っています。    もちろん塩野は国際政治の専門家ではありませんし、歴史学を修めたわけでもありません(先行は池田理代子とおなじく哲学)。本人がアイデンティティとするように、彼女は西洋をモチーフとする物語を編む作家です。  少し前の時代

MDGsは、SDGsと本当はどういう関係にあるのか? 【SDGsとは一体、何だったのか?】第3回・前編

 前回は「持続可能な開発」概念がどのような経緯で生まれたのかという問いに対して、その背景に途上国と先進国の対立や、その後の新興国の台頭といった国際社会の激変が関わっていたことを確認した。  今回は2つ目の問いである「MDGsは、SDGsと本当はどのような関係にあるのか?」について、考えていきたい。 MDGsとは何か  MDGs(エムディージーズ)とは「ミレニアム開発目標」の略称で、ミレニアム総会で採択されたミレニアム宣言と 1990 年代に連続して開催された会議での国際的

【国内 "世界史" 観光500選】 記録的円安なんて吹き飛ばし、ニッポンの「世界史」を歩こう!

 コロナ禍も明け、海外に出かけようとせっかく思い立ったところにふりかかる記録的円安…。これから夏にかけてどのように推移するかは不透明ではありますが、二の足を踏んでいる方も多いのではないでしょうか。  では、日本国内で海外を味わうことはできないのでしょうか?  いえ、そんなことはありません!  「世界史」をキーワードに掲げて視点を変えてみれば、日本全国津々浦々、さまざまなところに海外の人や出来事とのつながりは潜んでいます     いや、「世界史」と「海外」は別物じゃないか

【SDGsとは一体、何だったのか?】第2回「持続可能な開発」概念のルーツはどこにある?

*** 【連載第2回】「持続可能な開発」概念のルーツはどこにある? 1SDGsから何を連想する?  みなさんは「SDGs」と聞いて、どんなことを思い浮かべるだろうか?  ある人はSDGsとは「エコ」のことだと考えるかもしれない。レジ袋削減や気候変動対策が、生活と大きな関わりがあることも大きいだろう。  またある人は差別をはじめとする社会問題の解決や「多様性」のことを、またある人は、まちづくりや地域おこしのことがSDGsなのだとイメージするかもしれない。世界の貧しい人を

【ニッポンの世界史】#35 進む「世界史離れ」:文化圏学習・ナチカル・共通一次

 これからいよいよ「ニッポンの世界史」にとってきわめて重要な1980年代に足を踏み入れます。  この10年を通して、世界史にいかなる意味がつけ加わり「世界史必修化」に至るのか。  ”公式” 世界史と ”非公式”世界史の輻輳を追うことで、経緯を浮かび上がらせていきます。 「文化圏」学習の徹底:1978年度指導要領改訂  そのためにまずは "公式" 世界史の動向から確認していきましょう。  1970年度の学習指導要領改訂で導入された「文化圏学習」は、古代文化につづく時代を、

SDGsとは一体、何だったのか?【世界史でよむSDGs】はじめに

いまや日本のSDGsは、空虚な「記号」である  2015年に採択されたSDGs(国連持続可能な開発目標)は、スタートしてから早9年目を迎えようとしている。  SDGsの実施年限は2030年だから、まだあと6年ちょっと、残されていることになる。  にもかかわらず「SDGsとは一体、何だったのか?」などと問うのは、ちょっと時期尚早ではないかと思われるかもしれない。  最初に筆者の立場を明確にしておけば、日本におけるSDGsはすくなくとも本来の趣旨に沿った受容には失敗している

【現地リポート】日本史講師が”歴史フェス”に潜入!!

皆さん、こんにちは。 日本史講師のSatoです。 今回、私は2024年3月17日に名古屋大学東山キャンパスで開催された”歴史フェス”に潜入してきました。 その模様をお届けしたいと思います。 ”歴史フェス”とは・・・ 歴史フェスは、歴史に関心のある人が一つの場に集まって、ともに歴史を楽しむお祭りです。 (歴史フェス公式HPより) 歴史研究者や社会科(日本史・世界史)教員のみならず、歴史を楽しみたいすべての人が一緒に歴史(学)について考えたり、情報共有したりするという新しい