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SDGs 世界史

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国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)に挙げられた課題に対して、人類はどのように向き合ってきたのか―。SDGsと「世界史」の関わりを解説した史上初の試み。全文無料。
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#海外

新科目「歴史総合」入門(4)グローバル化

■3つ目のしくみ「グローバル化」 いよいよ最後、3つ目のしくみは「グローバル化」があらわれる20世紀半ばの時代をみていきましょう。 前回みたように、戦争が終わると、今度はアメリカとソ連の2つの世界に引き裂かれましたが、2度の世界大戦を通して縮小していた貿易や交流は、以前と比べれば回復に向かいます。 ソ連とアメリカは、それぞれの掲げるイデオロギーのもとで、世界をひとつにまとめようとします。 人々は、生活水準を高める憧れを抱き、どちらかの陣営に参加し、よりよい人生をおくる

【全文無料】 世界史の教科書を最初から最後まで 【#世界史教科書完全攻略マップ】

世界史の教科書って、わかりにくいですよね。 複数の「エリア」が組み合わせられる構成は、難解な“取扱説明書”のようでもあり、時代によって揺れ動く落ち着きのない “パズルのピース” のようでもあります。 とっても合理的に設計されている反面、そのつくりがきわめてややこしいことはたしかです。 しかしながらそうは言っても、どうしても教科書を使って勉強をしなければいけない方もいるでしょうし、機会さえあれば小手先ではなく真正面からガッチリと通史を学んでみたいという人も少なくな

10.1.1 世界最初の産業革命 世界史の教科書を最初から最後まで

人類の社会を「工業」中心のものに変える産業革命が最初に起きたのは、18世紀後半のイギリス(グレート=ブリテン王国)だ。 イギリスでは近世にはいって商工業がいっそう発達。 これまでにはなかったような産業ができたり、みんなで役割分担してものづくりに関わったりする中で、国内のマーケットがどんどん拡大していった。 また、スペイン継承戦争(1701〜1714年)で「大西洋の奴隷貿易」に参加する権利を得たことも、イギリスの商人や投資家に莫大な利益をもたらすこととなる。 「もうかった

9.2.3 奴隷貿易と近代分業システムの形成 世界史の教科書を最初から最後まで

大西洋の奴隷貿易 アフリカ大陸では、中世のころからイスラーム商人が東アフリカ沿岸で奴隷貿易をおこなっていた(インド洋の奴隷貿易)。 イスラーム商人は獲得した奴隷をインド洋周辺に輸送し、富を築いていったのだ。 しかし、「近世」(初期近代、1500〜1760年頃)の時代に入ると、ポルトガル人がアフリカ西海岸の探検をすすめ、西ヨーロッパ商人が西アフリカ沿岸諸国から奴隷を買い付け、アメリカ大陸に輸送する「大西洋奴隷貿易」(アトランティック=スレイヴ=トレード)もはじまる。 おも