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SDGs 世界史

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国連の「持続可能な開発目標」(SDGs)に挙げられた課題に対して、人類はどのように向き合ってきたのか―。SDGsと「世界史」の関わりを解説した史上初の試み。全文無料。
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2020年2月の記事一覧

10.1.1 世界最初の産業革命 世界史の教科書を最初から最後まで

人類の社会を「工業」中心のものに変える産業革命が最初に起きたのは、18世紀後半のイギリス(グレート=ブリテン王国)だ。 イギリスでは近世にはいって商工業がいっそう発達。 これまでにはなかったような産業ができたり、みんなで役割分担してものづくりに関わったりする中で、国内のマーケットがどんどん拡大していった。 また、スペイン継承戦争(1701〜1714年)で「大西洋の奴隷貿易」に参加する権利を得たことも、イギリスの商人や投資家に莫大な利益をもたらすこととなる。 「もうかった

9.2.3 奴隷貿易と近代分業システムの形成 世界史の教科書を最初から最後まで

大西洋の奴隷貿易 アフリカ大陸では、中世のころからイスラーム商人が東アフリカ沿岸で奴隷貿易をおこなっていた(インド洋の奴隷貿易)。 イスラーム商人は獲得した奴隷をインド洋周辺に輸送し、富を築いていったのだ。 しかし、「近世」(初期近代、1500〜1760年頃)の時代に入ると、ポルトガル人がアフリカ西海岸の探検をすすめ、西ヨーロッパ商人が西アフリカ沿岸諸国から奴隷を買い付け、アメリカ大陸に輸送する「大西洋奴隷貿易」(アトランティック=スレイヴ=トレード)もはじまる。 おも