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学校の生徒と会社の社員は目的が違うよね

はじめに

「会社」や「学校」で「個人の感情」がどれくらい尊重されるべきだと思いますか?

この時代、個人が優先されることが多いとは思いつつも、実際のところ状況によって変わるよなあとも思います。
また、実体験でも誰かの判断について「そっちを優先?」とギャップを感じることもありました。

そこで色々考えていたんですが、大きく分けて会社と学校で違うなあと思い至り、「組織が優先されるべき状況」と「個人が優先されるべき状況」について理解を深めておくために書き始めました。
※ここでいう「個人」というのは、主に一般社員(管理職ではない)や学校でいえば生徒のことを指しています。

まずは事例から

①と②は実際にとある学校で起きた事件から。③と④は会社で上司と部下のコミュニケーションの例として記載しています。

  • ① 学校で吹奏楽の練習が過酷なことが大きな要因で、生徒が自殺してしまった。しかしコンサートが近いため、他の生徒がまだ混乱しているなか翌日には練習が再開された。

  • ② 学校で自殺してしまった生徒について、学校ではいじめの事実はなかったとして第三者委員会の設立を拒んだ。しかし後ほど設立され、十分設立できる状況にあったと判断された。

  • ③ 会社で業務のプロセスをアピールした。しかし結果が伴わなかったので満足いく評価ではなかった。

  • ④ 会社で必要な業務を部下に指示した。部下の反応は乗り気ではない様子だったが、期限を伝えてそのまま依頼した。

個人と組織と社会

次に話を整理するために、個人と組織、組織の外(社会)という構成で分けた表を作りました。

この表だけ見ると、学校組織と会社組織ではあまり大きな違いはないように見えますよね。

しかし、①〜④で記載したできごとは、管理する人たちの明確な意図があったもので、個人の気持ちが最優先とはなっていません
それでも事例すべてが誤った判断だったとは思えません。

では、なぜこのような判断になったのでしょうか。順番に説明していこうと思います。
※すべて私の感想であり、あくまで優先順位はどれかという話です。

事例の説明

① 学校で吹奏楽の練習が過酷なことが大きな要因で、生徒が自殺してしまった。しかしコンサートが近いため、他の生徒がまだ混乱しているなか翌日には練習が再開された。

こちらで一番優先されたのは、コンサートで良いパフォーマンスを発揮することでしょう。コンサートでの成功を目指すことは学校組織の評価を重要視したと思われます。

翌日から再開していることから、混乱している生徒のケアが十分にされたとは思えません。
ここで優先されるべきは大会ではなく生徒(個人)へのケアだったと思います。

何より大人が、このような命に関わることが起きてしまったことに対して向き合おうとしない態度を取ることは、子どもたちに対して適切だったとは思えません。

② 学校で自殺してしまった生徒について、学校ではいじめの事実はなかったとして第三者委員会の設立を拒んだ。しかし後ほど設立され、十分設立できる状況にあったと判断された。

ここで優先されたのは「いじめがある学校」という認知を世間にされないことでしょう。言わずもがな組織が優先されたと思います。

ここでは「いじめがある学校」ではないという認知をさせることではなく、家族への偽りない状況説明と今後どうするかを考えるということが優先されるべきだと思います。
それにこれでは「自分たちの保身のため、問題を隠す学校」という認知になり逆効果ですよね。


次からは「会社」で個人の気持ちについて話たいと思います。

③ 会社で業務のプロセスをアピールした。しかし結果が伴わなかったので満足いく評価ではなかった。

まあそうですよね。
例えば飲食店でこだわった調理をしていることをアピールされていても、美味しくないと行きませんよね。

それは上司からの評価でも同じです。
喜んでもらえる(お金を払ってもらえる)価値を提供できないと組織が存続できないため、結果が出ていない状態では過程を評価することはできません。

また、その状態で評価してしまうと部下が結果が伴わなくても良いと考えてしまう恐れがあります。

次の事例に続きます。

④ 会社で必要な業務を部下に指示した。部下の反応は乗り気ではない様子だったが、期限を伝えてそのまま依頼した。

こちらも正しい判断だと思います。必要な業務であれば、個人の感情を優先させるべきではありませんよね。

部下の感情ばかりを気にしていては仕事は回らなくなります。
ここで優先しないといけないのは、期限までに達成することです。

ただし学校の場合は、生徒の将来に役立つことではなさそうなことは、他のことにチャレンジすることも良さそうです。


目的は?どうあるべき?

ここまで説明してきましたが、目的によって優先することが変わることが分かると思います。学校と会社では優先する目的が違うんですよね。
表に目的を追記しました。

学校では生徒が成長することが目的であることに対して、会社は組織の外に価値を届けることが目的となります。

それを踏まえると、学校の例では「目の前の生徒の成長ではなく、学校の評判(組織の外の評価)のために部活動を行う」ことは、優先順位がおかしいことが分かると思います。

会社の例では「頑張ったとしてもサービスの提供に現れていなければ世間にはメリットがない」ということになり、「結果」が重要視されている理由が分かります。
従業員は給料という対価を得ているので、上司の利益を上げるための判断は判断は適切だと言えますよね。
※もちろんパワハラはNGですし必要以上に我慢する必要はありません。悩んでいる人は相談してね!!

とはいえ学校運営にだってお金がかかる

学校も経営なので、どうしても入学希望者を増やしたい(保ちたい)ですよね。
これまでの表に「目的」を達成するとどうなるのか追加してみました。

学校の評判があがれば入学希望者が増えると思いますが、優秀な生徒が卒業して、社会で活躍するまで数年は必要ですし、必ずしも大人になって活躍したことが卒業校のアピールになるとは限りません。

書いていて気づいたのですが、ここに関しては課題はありそうですね。
だからこそ、トラブルがあったことで評判を落としたくない(それはすぐ反映する)という心理が働くのかなと思ったりしました。

上の表で「社会(世間)」とは、私たちのことです。

生徒のことを思って働いている方々には感謝しないといけないですし、トラブルが起こってしまったことを執拗に責めるのではなく、どうやったら再発しないか。学ぶべきことはなにか。を考えないといけません。

責任を追求するだけで問題を終わらせないようになるといいですよね。

おわりに

当たり前じゃん!って思う人もたくさんいたと思いますが、もし問題に直面したときや、仕事を依頼したりされたりする際に相手を理解する材料になれば嬉しいです。

おわり。

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