SDGsによる地方と都市の関わりかた by 石川 周平 / 大阪ビジネスフロンティア高等学校(大阪) #住み続けられるまちづくり

はじめに
私は日本の過疎地域にフォーカスを当ててSDGsとのつながりを考えた。
MaaSと連携して地方を活性化することが重要だと考える。

MaaSとSDGsのつながり

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私はMaaSに着目して、SDGsとのつながりを考えた。
MaaSとはMobility as a Serviceの略である。
ゴール11、「住み続けられるまちづくりを」には都会の住民だけでなく、地方、いわば田舎の交通があまり発展しておらず、ターゲット11-2、2030年までに、弱い立場にある人々、女性、子供、障害者、高齢者のニーズに特に配慮しながら、とりわけ公共交通機関の拡大によって交通の安全性を改善して、すべての人々が、安全で手頃な価格の、使いやすく持続可能な輸送システムへアクセスできるようにする。という人々も対象であるということを忘れてはならない。

都市圏の人口集中や過密化による問題
今の時代は地方部の過疎化、高齢化が進んでいる。
反対に都市部は地方から都市圏に移住する人も多く、過密化が進み、それによる公共交通機関の利用集中などの問題も少なからず生じる。
都市部、いわゆる大都市圏は、例えば東京都ですが、首都直下地震など、災害の発生率も極めて高く、さらに人口集中率も高い。
災害などが発生した場合、避難所の確保などの問題が生じる。
さらに、東京などの大都市圏などは、出生率が低い。つまり、大都市圏、特に東京は、子供を産みにくい環境にある、ということがグラフからも分かる。
子供を産みにくい環境が増えると出生率が減少、さらに出生率の減少が加速し、人口減少に拍車がかかる。
マイカー利用も都市圏では盛んである。
そのマイカー利用などが環境への悪影響を与えると考える。

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厚生労働省:人口動態統計年報 主要統計表(最新データ、年次推移) (mhlw.go.jp)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii07/brth4.html


子供を産みにくい環境が増えると出生率が減少、さらに出生率の減少が加速し、人口減少に拍車がかかる。
マイカー利用も都市圏では盛んである。
そのマイカー利用などが環境への悪影響を与えると考える。

都市部の出生率の低下を防ぎ、地方の人口流出を防ぐ取り組み
出生率の低下および、人口減少は、小さいうちに小学校や中学校で地元の良さを調べ、地元の良さを学校で教え、地元に愛着心を持つことで、人口流出は少し抑えることができると思われる。
また、地元に戻ってくることで出生率の低下を少しは抑えることができるのではないか。

これらの取り組みは宮崎県椎葉村で行われている。
この地域の問題は、小学校と中学校しかなく、中学校を卒業すると、高校は地域外の学校に行くことになり、自分の生まれ育った地域に戻ってくるかということだ。
しかし、小学校のうちに焼畑農業を学校で体験して、そのおかげで、大人になり、高校を卒業してから自分が生まれ育った地域に戻りたいという思いを持つことができる。
そのような取り組みをいろいろな地域で行うことが大事だと考える。
私が住んでいる地域は、枝豆が有名だが、それを知っているのは地域住民のごくわずかであり、ほかの都道府県にもあまり知られていないので、それらをもっとほかの地域に知ってもらい、訪問してもらうことも重要であると考える。

大都市圏の子供にも、地方とのつながりを持たせることで、地方への移住、訪問を勧められ、地方部の人口増加に貢献できると思う。
しかし、それだけでは地方部の人口減少に歯止めがかからないだろう。
そこで、デジタル化やMaaSを活用すればよいと考える。

デジタル化やMaaSの活用
しかし、行政だけがデジタル化をするのではなく、市民、住民もデジタル化に参加することが重要だと思う。
MaaSの活用例を挙げるとすると、地方のタクシーやバスを運用し、人と乗り物をつなげ、シームレスに移動できるようにすることが大事であり、特に、お年寄りが多く暮らしている、過疎地域で力を発揮するのではないかと思う。
過疎地域でMaaSを運用する方法は、先にも挙げたように、地方、地元のタクシーやバスを使うときは、GPSを搭載したボタンをお年寄りに渡し、必要な場合は、そのボタンを押し、タクシー、バスを呼び、その時に、健康チェックし、地元の病院にその情報を送ることで、過疎地域のお年寄りの安全を守ることにつながると思う。

このような取り組みは、英王室領ジャージー島(ジャージー代官管轄区)で行われている。

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ジャージー島では、郵便配達の際に、郵便配達員がiPadを持ち、簡単な質問を行い、それを地元の総合病院に送るという取り組みが行われている。

これらのSDGsとの関係
大都市圏では人口密集や、子供の出生率の低下、マイカー利用などによる環境への悪影響が問題となっていて、今日行われているテレワークをさらに浸透させ、大都市圏に住んでいる人たちを、地方に移住させる取り組みを行うことで、過疎地域を再起させることができ、地方に移住した若者をMaaSに参加させることで、地方のデジタル化、MaaSの運用を推進できるのではないかと考える。
若者をMaaSに参加させるというと難しそうに聞こえるが、個人タクシーや乗り合いバスを運転したりして、近くのスーパーなどまで送ってあげたりすることがその一例になるのではないだろうか。
そうすることで、車をシェアすることで、二酸化炭素や排気ガスの削減につながるのではないだろうか。
さらに、大都市圏の人口密集を軽減し、子供を産みやすい環境に移住することで、子供の出生率も増加させることができるのではないだろうか。
その他にも、若者が地方に移住することで、若者はお年寄りから新しい学びを得ることができ、お年寄りは話す人ができて、寂しさを軽減できるのではないか。

ポートランドの持続可能なまちづくり
ポートランドでは、自分の地域の環境に悪影響を及ぼしかねないものが作られたり、環境に悪影響を及ぼしたり、自分たちの生活に害が出ると考えた住民たちがデモ活動をしたりして、行政に対抗するということがあった。
1942年、川沿いを走るハーバードライブ高速道路というものが建設されたが、1968年、ハーバードライブの6レーンへの拡張が提案された。
そこで、ポートランド住民が「人々のリバーフロント活動」でハーバードライブの拡張に反対し、1969年8月19日、高速道路の横で、最初のピクニックデモが行われた。
それは、住民たちが、高速道路が拡張されると自分たちの生活に害が出ると考えたからであり、ピクニックデモは彼らがリバーサイドでピクニックをしたいという意思表示なのである。
これらから学べることは、意思表示をしないと自分たちの地域をよくすることさえできないということだ。
自分たちの地域に自信を持ち、さらにより住みやすい地域や街にしていこうという向上心によって住民たちのデモ活動が行政の事業に影響を及ぼし、よりよい住民たちの暮らしにつながったのだと考える。

白馬村の”オールシーズンリゾート”
白馬村は、長野県北西部に位置する。
白馬村はスキーリゾートで有名で、冬季には多くのスキー客が訪れるが、夏にはスキーができなくなり、オフシーズンになる。
その時はほとんどといっていいほど観光客が来ない。
そこで、白馬村一体で特産品開発、観光地開発などを行ってきた結果、オールシーズンで観光客が訪れるようになった。

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主に特産品開発は、白馬ハムであり、今まで休止していたお土産屋さんを改装した、「白馬ハム」工房兼直売所をオープンさせた。
さらに、使われていない古民家などを借りてきて、複数の建物を1つのリゾートとして宿泊施設をオープンさせるなどした。
SDGsとの関連は、自然エネルギーへの切り替え、エネルギー地産地消、レストランの地産地消と包装のプラスティックフリー化や再生材を使った内外装の推進などが行われている。
自然エネルギーを使うことで、空気がクリーンになり、景観もきれいになると考える。
再生材を使うことは、その地方の林業を発展させることにつながり、木の温かみを感じることができるだろう。
観光業の活性化により地方を活性化するという取り組みが行われている。
観光地開発は、白馬村観光の核となる「拠点」を作ることに成功した。
観光の拠点を作ることで、その地域のあまり知られていない観光地を知ることができると考える。
観光客は何もないところにはいきたいとは思わないだろう。
そこで、白馬村のように特徴のある食品や観光地を開発することは地方の活性化、またサステナブルな観光をすることができると思う。

まとめ
私は、これらの取り組みを通して、世界中、特に日本の過疎地域などが大きな課題に直面していることがよくわかった。
東京は過密で、子供を産みにくい環境が増え、出生率が減少、さらに出生率の減少が加速し、人口減少に拍車がかかる。その代わりに、地方ではお年寄りが住民の半数を占め、住民自治さえ成り立たなくなることがある。そこで、小学生や中学生の間に地元の良さを学ぶことで、高校などで地元の外に出て行ったとしても、卒業してから大人になって地元に戻ってきて、都市への人口過密、地方の過疎化を抑えることができると考える。

さらに、若者が、お年寄りが多くいる地域に住むことで、MaaSを運用することも可能だと考える。
これからは都市部の発展だけでなく地方部の発展も支援するべきであり、地方部が発展することで、出生率の増加や、二酸化炭素、排気ガスの削減に貢献できると考える。

私は、これからの時代の発展と、SDGsのゴール達成は都市部ではなく地方部にあると考える。


大阪ビジネスフロンティア高等学校(大阪府) 石川 周平 
#せかい部 ×SDGs探究PJ高校生レポーター(住み続けられるまちづくり)

#せかい部 ×SDGs #住み続けられるまちづくりを #MaaS #出生率の低下 #東京

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