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「怒らない子育て」は危険!?子どもとの向き合い方をチェックする4つのワーク

アンガーマネジメント等が日本に入ってきて、子育てにおいて「怒る」ことがよくないことだと思われるようになってきました。「できるだけ怒らないように…」と子どもに願うのは、怒られて育った経験が多いだろう今の大人世代にとっては自然な願いなのかもしれません。

ところが捉え方を誤ると、子どもたちはいとも簡単に歪んでしまいます。どう歪むのかというと、簡単に弱肉強食の世界におちていくのです。もし子どもたちの姿に弱肉強食が少しでも見られたら、今すぐ自分自身を振り返ることをオススメします。少し暑苦しい記事ではありますが、目を通していただけると幸いです。

「怒らない」のは本当に良いことなのか?

現代では、”怒る”ということ自体が悪いことだと感じている方も多いように感じます。ここが大きな落とし穴です。

”怒り”の感情は我々人間にとってとても大切なものです。無理をして怒らないようにしたり、過度に怒りを我慢したりすると、心や身体に歪みが生じてきます。

「怒らない」ことが良いことなのではありません。
怒りを、感情的に他人にぶつけることがよくないのです。
同時に、「絶対に」ぶつけてはいけないかと言われたら、そうとも言えないかもしれません。ただ、他人にぶつけてしまうとかなりの確率で人間関係にひずみが生じてしまいます。

『怒らない子育て』の大きな誤解

私たち大人は子どもと関わると、過去の記憶や経験の影響でものすごく感情を揺さぶられます。対大人同士のコミュニケーションの倍くらいに。それがきっかけとなり、「怒らない子育て」を目指されるようになった方は、とても多いと思います。

たしかに、子どもに感情をぶつける必要はありません。ただ、
怒らない=叱らないと捉えてしまうと、大変なことになりかねません

たとえば、子どもたちが弱者に対して手をあげるようなとき。他人の心や身体を傷つけているようなとき。はたして、本当に叱らないことがよいことなのでしょうか。

往々にしてあるのが、怒らないを履き違えて「叱らない子育てや保育」をしているうちに、子どもたちがこんな育ちになっていきます。

・弱者(年下や力の弱い者)を傷つけて平然と笑っている
・「あいつをやっつけてきて」などと頼む
・特定の大人の前ではやらないようにする(良い子を演じる)
・強者の目を意識して行動を決める
・特定の相手に本音が言えない

もしこうなっていたとしたら。それは紛れもなく、私たち大人が原因です。

”叱る”という意味

叱るというのは、感情をぶつける行為ではありません。子どもたちの成長を願い、信じて本気で向き合うことだという風に僕は捉えています。

それは、私たち大人の意見を押し付けることとは言い切れません。
なにかを伝えるだけではないかもしれません。

大切なのは、
お子さんが、お子さん自身の言動を客観的にみて、本当にいいことなのか、よくないことなのか。お子さん自身の心と善意で自分自身を見直すこと。そのきっかけを私たち大人がつくることです。

ですので、叱らない=その件について関わりを持たない ということは、ある意味ではその子どもたちの言動を承認していることになり、つまり放任とも言えるのです。放任すれば、いとも簡単に弱肉強食になります。

ワーク①
お子さんとの関わりにおいて、あなたが”怒り”の感情を抱いたことのあるシーンを思い出してみてください。率直に「腹が立ったとき」で構いません。そしてその時の感情に改めて浸ってみてください。

いま感じている”怒り”は、悪者ではありません。その怒りの中に、あなたにとって大切な何かが眠っているかもしれません。怒りは、あなたになにを気づかせてくれようとしているのでしょうか。人によっては、過去の何かを思い出す方もいるかもしれません。
ワーク②
あなたにとって「怒る」とはなんでしょう。
また、あなたにとって「叱る」とはなんでしょう。
ワーク③
もし、あなたがお子さんに対して”怒り”の感情をぶつけたい衝動にかられたら。どうすれば、感情をぶつけずに済むでしょうか。

どんな小さなことでも構いませんので、思いつくかぎりできそうなことを書き出してみましょう。
ワーク④
あなたは、これまで真剣にお子さんを叱った(向き合った)ことはありますか。時に涙するほど、本気になって話し合ったことはありますか。

「ある」という方は、それはどんな時でしたか。あなたにとって、何が大切だったのでしょう。どんな想いがあったのでしょう。

「ない」という方は、あなたの中での基準を探してみてください。あなたはどんなことが起こったとき、お子さんと本気で向き合おうと決めていますか。またそれはなぜですか。まだ基準が決まっていない方は、いま、その基準を考えてみてください。

叱ることの難しさ

ここまで偉そうに書いてきましたが、僕自身も叱ることは苦手です。そしてもとは「怒らない保育」を目指し「叱らない保育」をしてきました。その結果、見事に弱肉強食の世界に陥りました。

ただ、そうでない子どもの世界があることを知った後、自身の保育を変えることで少しずつその世界から脱することができたので、見えるようになってきました。いまは、世の中の多くの子どもたちの社会において弱肉強食の関係性がありふれていることに、危険性を強く感じています。

なぜ弱肉強食が危険かというと、
・自ら考えたり、自分の意思で決めることができなくなる
・誰か(力のあるもの)のいいなりになる生き方
・本音では不快なのに、自分自身の本当の気持ちに蓋をする生き方
・弱者に対して(つまり本当は自分自身に対して)攻撃的
・悲しいことを悲しい、辛いことを辛いと言えない生き方
・支える。認め合う。信じあう。とは対極の世界

こんな世界で生きていて、果たして子どもたちは幸せな大人になるでしょうか?しかし現代の大人たちは、ほとんどここで生きているということにも気がつくかもしれません。

だからこそ。いま、ここと向き合う必要があると思うのです。

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