空き家の片付け記録 #3.5 空き家で子猫を見つけたら
空き家を掃除していたら見つけた子猫たちのこと、初めてのことばかりでいろんなことを調べたり知ったりしたので、番外編として記録する。
空き家で猫が繁殖してしまっていることはおそらくそんなに珍しいことではないのだろうと思うので、今後のためにも、誰かのためにも書く。
子猫発見(1日目・土曜日)
ことの発端は7月の連休、金沢市内にある空き家を掃除していたときのこと。
この日はお手伝いに知人が駆けつけてくれていて、ざっくりと空き家の中を案内しながら、今日はこの部屋を片付けるつもりで、と説明しつつ棚を動かすと、動かした棚からポロっとなにか生き物が転がった。めちゃくちゃ小さくて、ねずみにも見えたけどねずみにしては大きいし、色がねずみらしくはない。
えっ、、、?と思って固まっていると、なにかがわたしと知人の間をすり抜けて飛び出していった。一瞬の出来事だったけど、そこでようやく理解した。これ、猫だ。
動かした棚の中を覗くと、案の定子猫たちがひしめきあっていた。
どうしよう、これはやってしまった…。
猫の知識、ましてや育児中の母猫や小さな子猫に関する知識なんて微塵もなかったので、これは有識者に聞いた方がいいとインスタグラムのストーリーズで状況を発信して助言を募り、それと並行して「空き家 子猫 繁殖」「金沢市 子猫 保護」などとにかく思いつくワードで検索していった。
調べた結果、金沢市の動物愛護管理センターが今一番適切な連絡先だと思い、電話するも繋がらない。どうやら土日祝は電話対応していないみたいだった。連休が憎い。
それならばと近くのNPOや保護団体を調べて、検索上位に上がってきた団体に電話やLINEで連絡するもどこにも繋がらない。
この日は3連休初日、さらに午前中、
親猫が飛び出してしまって行方不明、
わたしには猫の知識ゼロという、
いろいろと「詰んだ」状況だった。なんということだ。
ひとまず猫たちは目につくところに移動させることにして、空き家2階の一番奥の部屋から1階の土間に棚ごと連れてきた。
どこにも連絡が取れず途方に暮れた気持ちでインスタグラムを開くと、ストーリーズにたくさんの返信が届いていた。
「子育て中の母猫はめちゃくちゃ警戒心が強いので、とにかく人の気配を消した方がいい」
「親猫は高確率で戻ってくるから、今日のところはとにかく離れて」
「あまり触らず、人の匂いをつけない方がいい」
「親猫ごと子猫を保護するできればベスト(ただ母猫を保護するのはとても難しい、捕獲器を借りられるところあるかも?)」
「親猫が戻ってこなさそうなら、この時期は2〜3時間ごとにミルクが必要で、自力で排泄もできないのでお手伝いしてあげないといけない」
などなど…!
ねぎらいの言葉を掛けてくれた人もたくさんいて、助言がなくともどれもこれも本当にありがたく頼もしかった。
中でも神戸の知人が金沢在住の方に連絡をしてくれて繋いでもらい、保護猫活動や里親探しなどに力を入れているという点で力になってくれそうな動物病院を紹介してもらえたのは具体的でとても助かった。
すぐ教えてもらった動物病院に電話して、空き家で子猫を発見したこと、親猫が逃げてしまったこと、数日後には神戸に戻らないといけないことなどの現状を伝え、今どう対応すべきなのかを尋ねたところ、
と回答いただいた。
一度棚ごと動かしてしまっていたけど、一旦親猫を待つために子猫たちは元の場所に戻すことにした。
目につかない場所に戻すのは不安だけど、その方が母猫も戻ってきやすいだろうと信じて、、
子猫が減った(2日目・日曜日)
次の日、朝いちばんにそっと子猫の様子を覗きにいくことに。
空き家の残置物にちょうどいい大きさのゲージがあったので、母猫が戻ってきていた場合の想定もしてから、昨日一緒に猫を発見した知人とシミュレーションしつつゲージを持って例の部屋に向かう。
親猫はいない。どこにもいない。
少しがっかりしたような、実際に親猫がいたらどうしようとかなりビビってもいたので安堵したような気持ちで棚を覗くと、子猫が、、減っている!明らかに減っている。昨日はもっとたくさんの子猫がぎゅうぎゅうに重なっていたんだから。
きっと親猫がここでは安心して子育てできないと引っ越している途中なのだろうと思い、引き続き様子を見ることにした。
結構暑い日だったけど、生後間もない子猫は自分で体温調節ができないらしく、暖をとるためなのかみんなやけにくっつきあっている。夏でなければ低体温になってしまわないよう、湯たんぽやお湯を入れたペットボトルを入れてあげる必要があるらしい。
そして不思議と、茶色っぽい子たちだけが残っているのは偶然なのか?
一瞬だけ見えた母猫は茶色ではなかった(多分白っぽい色ベースに黒とかグレーが混じった感じ)ように見えたけど、自分と似た見た目の子を優先するとか、あるんだろうか?それともたまたまなのかな…。
ホームセンターに本来の目的のための買い出しに行って、ペットコーナーの位置を念のため確認してから空き家に戻った。
午後になってもう一度様子を見にいったけど、やっぱり3匹のまま。。。
また今晩人の気配がなくなったら母猫は残りの3匹も迎えにきてくれるのだろうかと心配が募る。
心配になる子がいる(3日目・月曜祝日)
この日も朝一に子猫たちの様子を見に行った。
か、かわっていない…親猫は夜になったらきっと来てくれると期待していたので、いよいよ本気で焦ってきた。
もし昨日一度も親猫が戻ってきていないのなら、ミルクも何も飲めてないことになる。
この暑い中ミルクを1日飲めていなかったら、なんだか単純に脱水とか起こったりしないのか?と心配になり、昨日チェックしていたホームセンターまで買い出しに行くことにした。
ペットコーナーの確認をしていたのはいいけれど、いざ猫のエサのコーナーに行くと種類が多すぎてまったくわからない。。。
生後間もない子猫に与えられるミルクはきっと限られてるはずだけど見つけられず、店員さんにミルクと哺乳瓶のことを尋ねる。
場所を案内してもらって、2~3種類のミルクと2〜3種類の哺乳瓶やスポイトの中からいちばん適切そうなものを悩んで決めた。
ミルクを選ぶときは、生後間もない子猫には2~3時間おきに1回、5~10cc程度のミルクを与えると調べたときに書いてあったので、3頭が1日で飲む量を考えていちばんよさそうなサイズのものを選んだ。哺乳瓶は正直良し悪しの判断ができなかったので自分がいちばん使いやすそうなものを選んだ。
帰って取り残された3匹を土間2階から1階に移動して、ミルクをやろうとしてみる。
手袋をして初めて触れると、今までずっと静かだった猫たちが急にミャアミャアと鳴き始めてオロオロした。母親がいなくなって、急に大きな人間の気配を感じたら不安だろうな、、今まで全然鳴かないなと思っていたけど、いざ得体の知れない存在に首根っこ掴まれたら当然怖かろう…。
あ〜ごめんごめん〜、、と声をかけながらミルクをあげようとしても、めちゃくちゃ抵抗されてしまいどうしたらいいかわからなかった。強く固定すると骨が折れてしまうんじゃないかとかいろんな想像をしてしまう。
それでもとりあえず哺乳瓶を口に近づけて、それぞれに少しは飲ませることができた。いちばん小さな子はなんだか元気がない感じがしたけど、口のまわりにミルクを一滴ずつ垂らしたら一応咀嚼?というか飲み込んでいるようには見えた(これが正しかったのかはわからない…)。
この小さな1匹の元気のなさからして、連休があけるまでのあと半日を持ち堪えられるのか不安すぎたため、石川県動物愛護センターに電話してみた。
そちらは金沢市の動物愛護管理センターとは別の施設で、祝日も電話対応しているようだったので(エリアの管轄が違うだろうから)ダメ元で電話をかけた。やっぱり対応はしてもらえなかったけれど、金沢市役所の当直室に連絡してみてくださいと言われた。
教えてもらった当直室の電話番号に連絡してみると、祝日でもやっている動物病院がありますのでね、というところまでは教えてくれたのだけど、なぜか「病院の名前が今わからないけど、◯◯町▲丁目にある動物病院です」という不思議な教え方をされた…なんでだろう…。そういうものなの?
電話していたときに近くにいた両親がすぐタウンページ的なもので住所から逆引きしてくれて、すぐに動物病院は判明したのでよかった。
さらにその教えてもらった動物病院に連絡して状況を伝えると「午前診が終わってしまっていて午後診の受付にはなりますが、連れてきてください」と言ってもらえたので午後診ですぐ連れていくことにした。
明らかに1匹だけ元気がないことを伝えたので、電話口の方には診察に何匹連れてくるか尋ねられ、一体診察で何を診ることになっていくらくらいかかるのか少しこわごわとしたけれど3匹とも診てほしいということを伝えた。
ここで土曜日から手伝いに来てくれていた知人も帰る時間になり、午後診まで3時間ほど空いていたので母方の墓参りに行くことに。余談だけれども金沢市やその近郊は旧盆の7月にお墓参りをするところも多いらしい。
空き家に子猫たちを放置したまま出るのも少し心配だったけれど、再度ミルクをあげて一旦空き家を出た。まだ親猫が戻ってくる期待もわずかにして。
墓参りから帰ってきてすぐ空き家で子猫たちをピックアップし、電話をした動物病院へ。
祝日やっているところはやはり少ないからなのか、待合室には人と動物とがごった返していた。
けれどダンボール箱を抱えてきている人はうちくらいで、なんだかやけに視線を感じた…。ように思った。
初めて訪れる動物病院だったので、最初にわたしの名前やら住所を書いたあと、1匹ずつ問診票を記入するように言われ書く。
もちろんほとんどの項目は埋められなかったけれど(もはや書く意味があるのかというくらい)、当然ペットの名前を書く欄もあり、3匹診てもらう上で便宜上区別をつける必要があるとしたらなんて名前にしようかな、と考えた。
名前も体重も何にも知らないから、確か記入できたのは年齢の項目くらいだったように思う。子猫たちのことをなんにも知らないのにここまでいっしょに来ていることが急に不思議になってきた。
書き終わって受付の人に問診票3枚を渡し待っている間、待合で隣に座っていた女性から「なんの赤ちゃんですか?」と声をかけられた。
なんの赤ちゃんか、品種とか何もわからないのでどう答えていいのかわからず正直に「空き家の掃除をしてたら猫が繁殖していて…」と伝えると「猫なんですね!本当に小さい〜かわいいですね」と返された。何の赤ちゃんって、品種じゃなくて単に何の動物なのかを聞かれていたのか、と気づく。子猫でも手のひらに乗るほど小さい状態は案外見たことのない人が多いのかもしれないなと思った。
事前に電話をしていたからか、問診票を出してからはそこまで待つことなく診察室に通された。
1匹特に心配な子がいて、しかもやたらと他の2匹に踏みつけられていることを伝え、2匹とは分けてあげてもいいかもしれないという話をした。
3匹の様子を見てミルクを与えてもらい、やっぱりいちばん小さな子は弱々しく「心配だけど、この子自身が頑張れるかどうかですね」とのことだった。
あとの2匹も最初は首を振って抵抗しつつもミルクを飲んでくれていた。
こういった子猫の保護のようなケースでは、動物病院でどこまで診察をしてもらうものなのか(注射とかノミとりとかもやるのかとか)、お代はいくらくらいなのか恐々としていたけれど、「明日愛護センターにも連絡されるとのことなので、今日はこのままお帰りいただいて結構ですよ」とおそらくご厚意で言っていただき診察代はかからなかった。
獣医さんも助手の方も受付の方もみんなずっとやさしくて、ずっと気が張っていたのもあってちょっと泣きそうになる…。
病院で診てもらったことと、あと半日経てば愛護センターに連絡できることとでようやく安心感を感じて、車ですぐ家に帰ることに。
しかしその道中付き添ってくれていた母が「なんか、この子動いとらんのやないか」と言った。そんなまさか、と思いながら家も近かったのでひとまず帰宅。
家でダンボール箱の中を覗き確認すると、いちばん小さな子は確かに、明らかに、生きている気配を感じなかった。
触るとまだあたたかい感じがしていて、さっきまで息をしてミルクを飲んでいた生きものが、ものの10分以内の短い間に動かなくなっているということがにわかに信じられなくて、さっきお世話になった動物病院に電話し、動いていないように見えること、どうしたらいいかどう確かめたらいいかを問い合わせる。
胸のあたりに指を当ててみて、呼吸しているかどうかを確かめてもらえますか?と電話しながら指示をいただき指を当てる。
している感じがしないです、と伝えると、残念ですが…と言われてそのあとなんて返したかよく覚えていない。どう返事したらいいのかわからなくて、わかりました、とかありがとうございました、くらいしか言えなかった気がする。
電話を切って、まだ悲しいのかなんなのか感情を自覚する前にわたしの鼻からツーっと鼻血が垂れてきた。なぜこのタイミングで、とびっくりした。
止血してあらためて小さい子に目をやり、ようやく悲しさが込み上げてきた。血が出ているわたしともう血も流れない子猫が同じ部屋にいるということとか、お墓参りに行った日と同じ日にひとつのいのちが消えてなくなる瞬間を経験したこととか、いろんな対比にクラクラした。
見つけてよかったのか、見つけなければ生きていたのか、それとも猫の世界はかなり厳しいと聞いたから見つけなくとも淘汰されていたのか、正解なんてないだろうけどやっぱり考えてしまう。
問診票を書いていたときに考えていた「便宜上の名前をつけるなら」は、3匹いたうちのいちばん茶色の子・少し色がうすい子・いちばん小さな子の順で「イチ・ニイ・サン」か「ヒイ・フウ・ミイ」とかかな〜とぼんやり考えていたのだけど、母が動かなくなった子猫に「ミーちゃんよく頑張ったね」と声をかけていて、偶然の命名ミー被りをしていたことも、そのとき母には言わなかったけどここに記録しておく。
この日は3時間おきに起きて残りの2匹にミルクをあげた。ここまでやれてしまう自分にも少し驚いたけど、自分よりも小さくて弱い生き物を目の前にすると感じるこれが母性というやつなのか、、?
待ちに待った連休明け(4日目・火曜日)
連休が明け、ようやくこの日各所に連絡がとれる。こんなに連休明けがうれしいことって今まであっただろうか。
市のやっている動物愛護管理センターと、知人づたいに教えてもらった動物病院のどちらにも猫の預かりまたは引き取りについて問い合わせることに。
朝もミルクをやり、3時間ごとにミルクをやっているとこちらも猫たちも徐々に慣れてきた。ミルクへの食いつきが回を増すごとによくなってきてうれしい。うちの電子レンジにおけるミルクのほどよい温度までの加熱も慣れたもんだ。
8:30になり、金沢市の動物愛護管理センターに電話。状況を伝えると「おそらく引き受けは可能、自宅まで一度お伺いして確認したい」と回答いただけた。
ただ事前に調べていた情報によれば、こちらの施設に預けると石川県外の方が里親になることはできないようで、もちろん近隣の人が里親になってくれた方が猫たちにとっても負担が少ないことは承知しているけれど、県外の知人が里親になってくれる可能性や、うちで引き取る可能性もゼロではないなと思っていたので、実はもうひとつ別の動物病院に預けることも検討していることを正直に伝えた。
うちは預かりではなく引き受けなので、そういうことならばまた決まりましたらご連絡くださいとと回答いただき、動物病院の診療開始時間が来るまでまた待つ。
その間またミルクと排泄のお世話、あとちゃんとミルクを飲めているのかの判断材料になればと昨晩からはじめていたミルク前・後の体重測定。
この100gの重さというのが一体どんなものなのかよく分かっていないけれど、手のひらに乗せられるくらい小さかった。目も全然開いていない。
そこからさらに1時間経過して動物病院の診察開始時間になり、朝から数回電話するも繋がらない…。
さすがにあと1日3時間おきのミルクは体力的に厳しさを感じていたので、ふたたび焦る。
電話の音声が留守電ではなく「今近くにおりません」というアナウンスだったので、もうダメ元で直接向かってしまうことにした。
行ってみるとこの日も診察はやっていて、ただ受付にだれもいなかったので待合で待機。里親さん探しのチラシや、無事に里親さんが見つかった猫たちの写真が何枚も貼ってあった。
呼び鈴などもなく、このまま黙って待っていていいのか少し不安ではあったけれど、しばらくすると別の患者さんと獣医さんが出てきた。
獣医さんはダンボールを抱えたこちらを見て「土曜日にお電話いただいた、空き家の?」とすぐにピンときた様子で、電話口で親切に教えてくださった肩が受付の方ではなく獣医さんご本人だったことに驚いたけれど、なんと獣医さんがおひとりでやっていると聞いてさらに驚いた。電話が繋がらなかったのはそういうことだったのか…。となると子猫を見つけた当日に1度ですぐ電話が繋がったのはラッキーだったな、と思った。
1匹は昨晩死んでしまったこと、残りの2匹も愛護管理センターに引き取ってもらうか検討していることなどを伝え、結果としてこちらの病院で2ヶ月間預かってもらうという結論に至った。
「どちらにしても生後2ヶ月ほどはワクチンも打てませんし病院からは出せすことは出来ないので、9月頃に里親さんを探すのかそれともご自身で飼われるのか、ゆっくり検討なさってください」とのこと。
ノミが多少ついているということと、性別も見ておきましょうかと言っていただき茶色い子が男の子、色の薄い子が女の子だと教えてもらった。
子猫において、この生後間もない時期はプロである獣医さんが見ていても急変することもある不安定な時期だということで、本当にどうなるかは分かりませんけど責任持ってお預かりしますね、といったことを話した。
この日の午後になってようやくようやく肩の荷が下りた気持ちになり、本来の目的であった空き家掃除に専念できるようになったのもうれしい。
それ以上に、猫を飼ったことのないわたしの育児より、きちんと病院で面倒を見てもらえるようになって本当に本当によかったと思った。
生きている2匹は預かってもらえたのでさておき、昨晩死んでしまった小さな子はまだ自宅に安置したままだったので、母とあれこれ考えた。
埋葬してあげるならどこにするか、でもこのまま埋めるのも掘り返されたりしたら困るしなにか綺麗な紙箱に入れてあげてから埋葬するのがいいか、本当は生まれた場所である空き家の敷地に埋めてあげたかったけど、庭の類がないから埋めてあげられないし…。
悩んでいる間もこのまま安置するには暑くて傷みが進んでしまうことも気がかりでいたら、近所にドライアイスを販売している会社があるとのことでドライアイスを入手して、とりあえず箱の中にいれてあげた(1kg700円と言われて財布を持たず急いで700円だけ握りしめて向かったら、税込で770円だったのであとで70円追加で支払いに来ますとペコペコ頼む羽目になる…)。
実家ではずっと犬を飼っていたので、今までもペットの火葬を行なったことが何度もあった。わたしが空き家掃除の作業をしている間に、過去に利用したことがあったその業者に母が問い合わせをしてくれていたが「電話の対応があまりにも冷たかった」らしくプンプンしていて、引越しの見積もりでよくある数社同時見積もりのサイトのペット葬儀版のようなサイトからも問い合わせをしてみたけど、よくわからないから見てみてと言われた。
そこからサービス内容と料金を確認して、火葬と合同供養をお願いすることに。火葬と返骨も検討したけれど、結局保管したり埋めてあげたりする場所がないからね。
最短で明日の午前中に伺えますとのことだった。
供養をした(5日目・水曜日)
前日に電話をして依頼した業者がやってくる前に外で朝ごはんを済ませ帰宅。
帰るとすぐ業者の方がやってきて、箱の中を見ると想像していたよりかなり小さかったとのことで、一般的な猫の火葬よりも料金を引いてくれることになった。
必要事項を記入していただけますか、あまり書けるところはないかもしれませんが、と言われて見た用紙には、ペットのお名前やら年齢やら体重やら、最初に動物病院に連れていったときと同じく書けることはほぼなかった。
他に何かいっしょに火葬したいものはないですか?と聞かれ、そんなことまったく考えていなかったのでどうしようかと考える。
今まで経験した人の火葬のときは棺に水気のあるものの同梱はNGと言われた覚えがあり、「ミルクとか水分のあるものはダメですよね?」と尋ねると問題ないと回答いただいたので、他の2匹にも与えていて残ってしまっていたミルクと、「こんなんどうせ食べんやろけど、気持ちやからね」と言いながら母が出してきたお菓子を一緒に火葬してもらうことにした。
業者の方に一体どちらでこの子を?と尋ねられて、いきさつを説明していると少し泣けてきた。
なーんにも思い出なんてないはずなのに不思議だった。責任を感じたからなのか、救ってあげられなさった不甲斐なさなのか、どうして命がひとつ消えるだけでこんなに悲しくなるのかな。
後日談など
LINEで問い合わせていた保護団体からは、神戸に戻ってからようやく返信がきた。一応検索して上の方に出てきた団体だったんだけど、活動している日や頻度が不明瞭だったのが今回のような場合には結構つらかった…。
動物病院を紹介してくださった金沢在住の方とはひと月後にお会いすることができた。とても素敵な方で、こんな形ではあったけどお会いできて嬉しかった。
最初にお世話になった動物病院さんには後日ささやかでもお礼を贈りたい。
ときどき思い出しては、母猫と残りの子猫たちはこの暑い夏を元気に過ごせているだろうか、と思いを馳せてしまう。
すこしずつこの記録を書いてはいたけど、そういえば今日が月命日だということでひとまず書きあげます。
表現としておかしいところや間違ってるところがないか心配ですが、あったことと感じたことを書き留めることにします。
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