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Vol.12 整理整頓にもお金はかかる

家族に贈与する場合は贈与税に注意

捨てるくらいなら誰かにあげたほうがモノも喜ぶだろう、と思うでしょう。しかし贈与税は相続税よりも解釈が厄介です。
特に生前贈与は相続税の抜け道と考えられているのか、相続が発生した場合は税務署はかなり厳しく調べます。
さらに現金だけでなく物品も贈与にあたるので、いわゆるお宝をたくさんお持ちの方は対策が必要です。
本来なら遺産を当てにするのは不謹慎と思われがちですが、しっかりと対策しないで手をこまねいていると、いつのまにか国の財産になるだけです。
ならばいっその事、どこかの団体に寄付した方が気持ち良いかも知れません。
その辺りも併せて専門家に早めに相談するのが得策と言えます。

不用品を片付ける

いつか使うかも、と思ってストックしているものは、ありませんか?
モノを処分しても新たに買い足しては意味がありません。
せめて買い物のサイクルを短くしてみましょう。
そして1年間手付かずだった物は処分しましょう。
季節を超えて使わない物は次の季節にも使うことはありません。
私は引っ越しを機に洋服を大量に処分しました。
あらためて見てみると、何年も来ていない上着やスラックスがたくさん出てきました。
現在の体形は学生の頃と変わらないので、すべて着られるものでしたが、たくさん持っていても、一度に何着も着られるでなし。
とっかえひっかえ着ても、結局はお気に入りに落ち着くものです。
そうであれば、数少ないお気に入りだけにしてしまえ!と処分しました。
自分の荷物が少なくなるのは、予想以上に気持ちも楽になるものなんだなとあらためて気付かされました。
さらに「あったら良いな」を整理する事は不用品を減らすことに直結します。
そのようにモノがなくてスッキリした生活を目指しましょう。
この部屋って、こんなに広かったかしら?と思う事は間違いありません。

常日頃の整理が大事

そのためには、毎日の習慣にするのも良い方法です。
「毎日一つはモノを捨てる」をキーワードに生活してはどうでしょうか。
私を含め、バブルを経験した世代の方は、モノに囲まれていることで充実感を感じたり、モノが無いと生きた心地がしないかも知れませんが、それは単に気のせいです。
思考がモノという柵に絡めとられていると言えます。
モノが減ると身軽になります。
そして柵が一つ一つ無くなるに従って、気持ちも楽になります。
これから先を気楽に、そして気軽に生きるために、整理整頓を習慣にしてみましょう。
そしてなぜ日ごろの整理整頓が大事なのかは、次からの項目でお分かりいただけると思います。

自治体の粗大ごみの処理費用は抑えられますが、たいへんです

自治体の行っている粗大ゴミの回収は、申し込みや回収に時間がかかるなど面倒ですが、圧倒的に安く済みます。
私も自宅を引っ越した時に思い知りました。
父の生家でもある一軒家ですから、さまざまなモノに溢れていました。
そこでウェブで安いであろう業者に頼んだのですが、結果的には20万円以上かかってしまいました。
時間をかけてでも粗大ゴミに出していれば、経費は1/5以下でした。
とは言え100%を自治体の処分で済ませるのは、かなりの気力と体力を要します。
出費を最小限にするためにやってみても良いと思います。
実際に体を動かしてみて、無理せずにできるところまでやってみましょう。
ただし無理だな、つらいなと思ったら、あきらめましょう。
そうなった場合は、お金で解決するしかありません。

モノを整理するときの相場

元も子もない言い方ですが、全てを自分の手で済ませる事はできません。
どこまでを自分でやっておくか、どこまでを準備しておくか、そしてどこからを誰にお願いするかの線引きをしておく事が終活を成功させる秘訣です。
さまざまなものの整理を業者に依頼する場合、その相場観を知っておくことが大事です。

不用品回収業者さんの場合

生前にできるモノの整理となれば不用品回収を考えますよね。
引っ越しを経験した方であればイメージできると思います。
いわゆる「いい勉強」をさせてもらった時の話を交えてご紹介します。
業者さんにお願いする場合の基準としてトラック1台分とあります。
これはトラックの荷台部分の立ち上がり(およそ40センチくらいでしょうか)を超えると追加料金がかかります。
つまりそのまま積んで、荷台からこぼれ落ちない量が1台分なのです。
例えば荷台にベニヤ板などで囲いを作れば、車にはより多くの荷物を積むことができます。
その場合はその高さによって料金が加算されます。
つまり40センチの高さ毎に1台分加算されるわけです。
なので高さが240センチになれば基本料金が20,000円だった場合、6倍の120,000円の費用がかかる計算です。
「トラック1台積み放題!」と聞くと荷台に山積みの荷物を想像しますが、現実はそう甘くはありません。
予想以上の出費になることを覚悟しておきましょう。

遺品整理業者さんの場合

お亡くなりになった後のお部屋の後始末では遺品整理の業者さんにお願いすることが多くなります。
依頼する前にご家族がすべての仕分けをしていれば、不用品回収業者さんにお願いすればいいのですが、仕分けからすべてをお任せするのであれば遺品整理業者さんが依頼先になります。
遺品整理業者さんのお仕事としては、例えば一つのお部屋の中の荷物すべてから仕分けを行って、そこから処分するのか、ご家族が保管するのかなどの指示にしたがって処分します。
調べてみたところ、お部屋単位、間取り単位で最低料金が決まっているようですが、不用品回収業者さんと同様に、表示されている金額で収まることは皆無でしょう。
それぞれの業者さんの料金表示を批判しているわけではありません。
最低料金を表示しているだけであり、案件のほとんどはオーダーメイドですから、規定料金の枠を超えるのが当たり前と考えましょう。
であればこそ事前に家族で整理をする、もしくは亡くなるまでにご自身の手で整理を進めることが肝要といえます。

早めの対応で出費を最小限に

調べてあらためて分かったことは、早めの対応で進めていけば出費は最小限で抑えられるということです。
また自分がいなくなったことを前提に話を進めることも大事のようです。
特に一人暮らしの方は、あまり考えたくはないとは思いますが、自宅で一人で亡くなってしまった場合も想定しなければなりません。
遺品整理業者さんの中には、その後の不動産の扱いにも対応してくれるところがあります。
またそのような物件を中心に扱っている不動産屋さんもあります。
最後までスマートに終えるように、終活を考えてみても良いでしょう。

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