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es [エス] [映画の話し]


■ 被験者求む
□時間:2週間
□報酬:36万円
□応募資格:不問
□定員:20名
□場所:模擬刑務所

内容:模擬刑務所内において
「看守」と「囚人」に分かれて
生活を送るシミュレーションを
行なってもらいます。

1971年実際にあったスタンフォード大学内での

監獄実験を元にした映画。一般人から選ばれた20人

を無作為に「看守役」と「囚人役」に分け、役割を

演じてもらうが、徐々にそれぞれが役にハマっていき

豹変していく人々が恐ろしい。それをまざまざと見ている

博士たちの存在も。

実際にあった実験での影響の結果、あまりにも危険と

いう事で同様な実験自体が禁止となった。

なお映画の実験被験者の募集報酬は、4000マルク(今はユーロ)

の設定で、1971年は1マルク、90円位だったようなので

円に変えてあります。



ネタバレ含む↓

◆実際のスタンフォード監獄実験

映画では、結果死者数名を出す悲惨な最後となるが、

実際の実験では死者はでなかった。

スタンフォード監獄実験(本物の写真)

しかし、精神錯乱する者や精神異常となる者が続出した。

ことのはじまりは、1971年米海軍が海兵隊刑務所内で

続発する問題の解決のため、2週間に渡る監獄実験を計画。

中心人物にはスタンフォード大の心理学者フィリップ

ジンバルドー博士がつき、数名の研究者らと共に大学内

講堂を刑務所のように仕立てあげた。

新聞広告などで集めた大学生や一般人の70人から選出した

21人の内、11人を看守役に10人を囚人役に分け

スタートは、各自自宅から本物のポリスマンにパトカーで

連行される所からという徹底ぶり。

日常服を強制的に脱がされ、シラミ除去の消毒処理をされ

囚人服に着替えさせられた。名前はID番号に変えられ

お互いを番号で呼び合うのが義務付けされた。

1日目は穏やかに過ぎたが、2日目にして問題発生。

囚人たちは看守役の者たちに苛立ち暴動を起こす。

それに対し看守らは消化器で応戦、全員を裸にし主導した

囚人を独房へと追いやる。看守らの抑制はさらに続き

暴動を計画したグループと関係してないグループに分け

“悪い”囚人たちに過酷な罰を与えた。そして両グループの

数人を入れ替えて混乱させ、疑心暗鬼にし対立を生まれさせた。

囚人たちのさらなる暴動を恐れた看守たちの罰はエスカレート

していく。1時間ごとに整列させ態度の悪い者には腕立て伏せを

させ、入浴させずトイレを使わせず用をバケツにさせ、それを

囚人部屋に放置させたままにした。監視カメラを切り暴力を

ふるった。この様子は別の隠しカメラに映っていた。

1人の囚人の男が耐え切れず、リタイヤを申し出るも

看守らは“嘘をついている”と博士たちに説明し男は

帰してもらえなかった。その事がふたたび暴動を起こす。

危険だと判断した研究者たちはようやく男を解放する。

実験はなおも続き、泣き叫ぶ者も出始め多くの者が

離脱を表明するが、断わられる。

途中囚人たちの家族や友人らが見学に来るも、囚人たちは

一連の酷さを態度に現さず、見学人達は誰も事の重大さに

気付かなかった。

何故助けを求めなかったのか?

看守たちの恐ろしい罰を恐れたためと見られている。

ただ、役を演じるつもりがいつしか本物の看守と囚人の

ように成り果てていた。

実験開始から6日目にジンバルドー博士の恋人マスラシュが

模擬刑務所を訪れた時、その悲惨な状況を博士に抗議をして

やっと実験は中止された。

後の会見でジンバルドー博士は実験のその状況に(リアルな)

飲まれてしまって、危険な状態だと認識できなかったと

語った。精神に異常を生じた者達をジンバルドー自ら10年間

治癒するまでカウンセリングし続けたそうです。


最近、この記事をnoteにあげるべく調べたら、この実験自体がやらせで
あったとの告発テープみたいなものもあるようですが、真実はいかがなんでしょうか・・・まぁでも演技してる内に近い精神状態には陥ってしまいそうな気もしますが。


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