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東京オペラシティ アートギャラリー 高田賢三「夢をかける」展

2020年、パリで新型コロナによる合併症で惜しまれながらこの世を去った高田賢三の没後初めての大規模な回顧展が、新宿・初台の美術館で開催中です。

世界的に活躍している日本人ファッションデザイナーのなかで、私が一番好きなデザイナーが実はKENZOでした。

品のある抜群の色彩感覚、生地の感触、ぬくもりが、手に取らなくても感じられる優雅なフォルムと、民族衣装への関心やフォークロア的なものに対する鋭い感性は他の海外デザイナーには決して見られないものです。

1965年にパリに渡り、五月革命で騒然としていた街で店を出した行動力に驚きます。ヨーロッパの伝統的なファッションと対峙する中、日本人としての表現方法を模索し、日本の生地や着物の裁断方法を取り入れた服の提案をして、新しい時代を切り拓きました。

高田賢三の傑出した才能によって、文化的なボーダーレスとジェンダーレスな思想を、開放的な作品で一早く社会に提示したとも言えます。また彼はアートコレクターとしても有名な人でした。

今回の展覧会は、日本人デザイナーのパイオニアとして世界で活躍した高田賢三のファッションの変遷をいっきに体験できる素晴らしい展示になっています。

アート・ギャラリー入口
1939年生まれ。生家は姫路城の近くにあった花街で「浪花楼」という待合を営んでいた。
1960年 第8回荘苑賞 受賞作品。時代を感じさせるデザイン。
つむぎや浴衣地などの日本の生地使ったこの服はパリで1970年デビュー当時から話題となった。
セレモニー用の軍服から着想を得た作品。「武器を持った兵隊ではなく、おもちゃの兵隊をイメージした」と当時、高田賢三は語った。
民族衣装にインスピレーションを受けた作品群。
立体裁断と平面裁断を融合
花柄はKENZOのアイコン的なモチーフ。花の形、配色はシーズンによって変化している。
「色彩の魔術師」と言われた高田賢三。色数が多くても決して濁らない!
ロシア・ルック(1981-82)東欧地域のコサック服のイメージ。
ロシア・ルック(1981-82)
リズム感のある配色デザインが素晴らしい!
高田賢三の代表作の一つ。ピンクの薄い生地に20種類以上の花柄のリボンを縫い合わせて作られている。20年かけて集めたリボンが全長200mも使われている。手仕事の贅が尽くされている。
1982-1983年の作品
この女性は日本の元祖スーパーモデル、山口小夜子だ!
71歳の時の自画像
展覧会のチケット チケットのデザインもカッコイイ!

高田賢三 ―夢をかける―
TAKADA KENSO ―Chasing Dreams-
2024,7.6 – 9.16 東京オペラシティ アートギャラリー
https://www.operacity.jp/ag/




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