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「6年担任のマインドセット」古舘良純

●感想
6年連続10回目の6年担任をしている、古舘先生が6年担任をするときのマインドセット=心の在り方について書いた本。

 タイトルのとおり、日常で使えるHOW TO 本というよりも、考え方、心の在り方について自問自答させてくれる1冊でした。
 あとがきには、このような言葉があります。


『本を読むと、「これを導入したい」「これをやってみよう」と考えがちです。それ自体は悪いことではないのですが、6年生の教室において安易に実践を導入することほどリスクがたかいことはありません。他の学級ではうまくいくことも、自分の学級では全くヒットしない場合があるからです。つまり、自分の頭で考え抜いた先にしか、その実践は実を結ばないのです。』

 この言葉は、いかに「何をやるか」ではなく、「考え方」が大切なのかがよく表れた文章ではないでしょうか。うまくなくていい。立派でなくていい。自分が考えて納得したものであれば。信念をもってことに当たろうと思えました。

●アウトプット

【1】「出会い方」と「別れ方」のマインドセット


・ゴールを見据える。
 6年生のゴールは、「1年間のゴール」であると同時に、「6年間のゴール」でもある。前担任には「来年もこの子どもたちを担任するとしたら、どうしたかった?」と問うてみよう。

・記録をとる。
 出会いの場面で何を話したのか、途中で立ち止まったときのために「記録をとる。」

【2】「仕組みづくり」のマインドセット


・機械的なシステム化は子どもの力の足かせになる。
 「〇〇係が何人。」というように、すでに教師が決めた枠組みに当てはめるのではなく、数日~数週間は、何も決めずにすごす。子どもの中から生まれる、「必要感のある仕組みづくり」にすると子どもがいきいきする。

・フォロワーシップも育てる

 リーダー=面倒くさいとなりがち。フォロワー(支えている人)を認め伸ばすことが大切。

【3】「授業」のマインドセット


・授業書をなぞる授業からはじめる。
 「守破離」の守である、指導書を読み込もう。

・教師と子ども、子どもと子どもの関係性を築く授業に
 笑顔で接する、声をかける、朱書きで応援。
 対話場面では「おねがいします」「ありがとう」「頭ごなしに否定しない」を原則→関係性がアップ

【4】「行事の取り組み方」のマインドセット


・行事は点ではなく、線で考える。
 1年を通して、子どもの力、子ども同士の関係性が高まるように。

・教師の出番は停滞期
 停滞期はおとずれると覚悟しておく。→「成長のチャンスだ!」

・うまく言おうとしない
 うまく言おう!いい話をしよう!は子どもにばれる。「何を届けようか」を大切にしよう。

【5】「褒め方」「叱り方」のマインドセット


・大切なのはその子と本気で向き合う姿勢
 「大袈裟にほめる」「短く叱る」のような技術よりも、どうなってほしいかというマインドが大切。

・距離感を大切に
 一度間違えてしまった距離感を立て直すことは難しい。

【6】「働き方」のマインドセット


・子どもに任せられるところは任せよう。
 「これやってほしいな」「これもお願いしたいな」←使いたいワード

・「学校教育目標」を味方につけよう
 学校教育目標との関連、つながりを意識していれば、独自の取り組みも「応援してもらえる」

 
 古舘先生のマインドセット(心の在り方)を知ることで、自分のマインドセット(心の在り方)に目を向けるきっかけになります。

 やはり、本を読むとたくさんの考えに触れられていいですね。

 詳しく読みたい方、来年度6年担任になりそうなあなたにおすすめです。



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