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生徒にも地域にも愛されるための生徒会活動を目指して/松山女子高等学校

 阿部の「何か自身の学校の生徒会で自慢できる所はありますか」という質問に対し、取材に応じてくれた埼玉県立松山女子高等学校の生徒会の三名は高校生らしい笑顔を浮かべながら「たくさんありすぎて分からない!」と回答した。そんな松山女子高等学校(松女)の生徒会活動について深堀りしていく。

 今回取材に応じてくれたのは、生徒会会長菊島凪留(きくしまなる)さん、副会長竹村彩那(たけむらあやな)さん、書記関根紅葉 (せきねもみじ)さんの三名だ。


左から竹村彩那さん、菊島凪留さん、関根紅葉さん

埼玉県立松山女子高等学校について

 埼玉県東松山市にある松山女子高等学校は創立98年を迎える女子高である。「凛として輝く」女性になることをモットーにしている学校で、部活動が盛んなのも特徴の一つである。

松山女子高校生徒会の1番の売りである外交活動

 彼女たちは1番自慢できる活動の一つとして外交活動を挙げた。
3年生の菊島さんと竹村さんの代の学年は定員割れをしていたことから、松女の良さを生徒だけでなくより多くの人に知ってもらいたいと思い、外交活動に力を入れているそうだ。本記事では3つの外交活動について紹介する。

①SNS活動
 昨年、松女の生徒会はInstagramアカウントを立ち上げ、松女祭や学校生活の様子を積極的に発信している。たった1年でフォロワー数を1000人以上増やすことに成功し、地域の方々からも支持を受ける結果に繋がった。SNS活動を始めるにあたり学校への許可取りや、Instagramを開設後もどのようにしたらフォロワーが増え多くの人に見てもらえるか試行錯誤したそうだ。ストーリー機能を使って質問コーナーをやったり、学校のことがわかるクイズや動画を作成したりなど、松女の良さをより多くの人に知ってもらいたいという一心でさまざまなコンテンツをSNSで投稿し続けている。

松山女子高等学校生徒会Instagramはこちら

https://www.instagram.com/matsujo_seitokai/

松山女子高等学校生徒会のInstgramのトップページ

②侍ジャパンのヌートバー選手への応援メッセージとおばさんへのインタビュー
 ヌートバー選手のお母様が東松山の松女出身だったことを知ったことがきっかけで、松女の生徒会はコンタクトを取った。時には1日10件を超える電話での交渉を行ない、ヌートバー選手のおばさんに取材をしてヌートバー選手のことやお母様のことについて話を聞くことに加えて、ヌートバー選手への応援メッセージを松女の生徒から集めて届けたそうだ。これらの活動はテレビの取材にも取り上げられ、生徒会の3人もこの活動は大成功を収めることができたと語った。

③近隣の男子校である松山高校とのコラボ企画
 松山女子は東松山市にある男子校の松山高校の生徒会とコラボし東松山市の清掃ボランティアを有志で行った。合計で100人以上もの人が参加し大成功だったと語った。また、今年の文化祭ではグッズの販売、スタンプラリーの実施、お互いの高校の部活動の発表などのコラボ企画を実施した。これらの文化祭の企画は大盛況で、両校で来客者が増える結果となった。

生徒を第1に考えた校内改革

 インタビューを進めるにつれて校内改革のことについても語ってくれた。

①生徒に関心を持ってもらえる生徒総会
 生徒総会について生徒会の3名は「生徒総会って長時間座らされてあまり面白くない話を聞く、みたいな慣習になってしまっている」と語っていた。実際、ほとんどの学校がそのような生徒総会を実施していることだろう(筆者の生徒総会もいわゆるつまらないものでした笑)。しかし、松女の生徒会はつまらない生徒総会ではなく、全校生徒に関心をもってもらえる生徒総会にすることを決意し、生徒から上がった議案を、生徒会がどのような議論をした上で結論をしたのかをいわば活動報告のような形で発表した。
 例えば、生徒から自動販売機を校内に設置してほしいという議案に対して調べ、他校の状況や実現するためにはどのようにすればよいのかを話し合ったものをパワーポイントにまとめて生徒総会でプレゼンした。
 この活動報告を通じて、生徒会の活動が生徒たちにより身近に感じられるようになり、生徒総会がより生徒にとって良いものとなった。
 しかし、生徒総会の改革はまだまだ途中だと生徒会の3人は語る。機材トラブルやより多くの生徒会活動を知ってもらうことが課題だ。また、もっと生徒に興味関心を持ってもらうためにSNSでの告知活動も取り入れていきたいと語る。

②校則改正
 生徒総会で部活動着での登下校を可能にしてほしいという意見が出たそうだ。実際、多くの生徒が制服で登下校をして部活動着に着替えるというのは不便さを感じていた。そこで松女の生徒会は生徒指導部や先生方に掛け合い、仮運用期間を経て部活動着での登下校が可能になった。小さいことではあるが、生徒総会を変えたおかげで生徒のための校則改正ができたと生徒会の三名は述べた。


松山女子高校生徒会の行動力の秘訣とは

 取材に行った阿部は終始驚いていた。というのも、彼女たち松女の生徒会は意見が出てから実現に移すまでのスピードがとても早く、どの意見も必ず実現にたどり着いているのだ。その行動力の秘訣を生徒会の3名は次のように教えてくれた。
 一番の理由はやってみたいことに対して生徒会の全員があきらめずにチャレンジするという点である。途中であきらめるのではなく積極的に責任感をもって素早く実現に移すことを心がけているそうだ。さらに、それらをできる環境があることも秘訣の一つだ。議案を通すときのシステム化がされていることや、生徒会の顧問の先生が本気でやっていることに対して全力で応援してくださることが松女の生徒会が行動力にあふれる理由だと3人は語った。


まとめ

 松女の生徒会の良さはズバリ、「仲の良さ」と「学校を変えたい!」という意見を持った仲間が集まっていることだと三名は語る。これからも松女生のための、そして愛される学校になることを目指して生徒会の伝統的なイメージを覆すような活動をしていきたいと明るく笑顔で回答した。

松山女子高等学校生徒会HPはこちら
https://matsujo-h.spec.ed.jp/785b738cbd16be5c617bb97044efa498

取材対象:松山女子高校
取材者:阿部亮太(生徒会活動振興会 代表)
文責:小池ひより(生徒会活動振興会 編集委員)


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