小編 『泡。』②
あ、と目をそらす。そっと視線を向けると、もういなかった。
変に思われただろうか。どうにもならないことをぼーっと考えてると、別のコーナーで魚を眺めていた恋人が遅れて横に並ぶ。
「帰ろっか」と言う微笑みに、
「そうしよっか」と返す。
次に会ったのは、ペタペタとサンダルを鳴らしコンビニから帰ってる途中だった。スイカバーをシャクシャクと食べながらLINEを返していると、溶けた緑の部分が足の指に垂れる。
「冷た」
そう思うと同時に、また垂れた水滴を避けようと大きく踏み出す、と、夜にぶつかった。
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