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【選評】第3回青春短歌甲子園

募集期間 2020年8月16日~2020年9月15日
応募総数 117人326首

1位 真壁カナ

もしおれら同い年ならただ見たい きみが理科室まで走るのを

一生のうちに出会う人たちの何パーセントくらいが同い年で、そのうちの何パーセントくらいと同じ学び舎で過ごせるのか考える。きみたちが同い年に生まれたのは天文学的な確率であり、叶わなかったおれたちが最期まで見る幻なのだ。

2位 海月莉緒

ひとりでも多くの人と海に行き瓶のコーラで乾杯したい

100人の友だちと富士山に登っておにぎりを食べたいという歌の青春バージョン。短歌は人を繋ぐもの。こんな交流イベントを主催できるように準備していこうと思います。花火をするのは当然として、線香花火だけは多めに買っておいた方がいいかもしれませんね。

3位 瀧口美和

顕微鏡一心不乱にのぞきたいプレパラートにきみを挟んで

きみのすべてを知りたい。いまを生きる純度の高い感情には、知りたくないこともあったなんて未来の後悔を先取りする余裕などありません。思春期の恋は時として、不純物の混じらない結晶のようです。

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