あなたへ向けた日記 No.6

妻へ

結婚してから、かれこれまる3年が経った。俺は、これまでの人生とは大きく変わった数年になった。君はどうだろうか。

もともと家族じゃない誰かと、新たに家族になるというのは、難しいことだと思う。血縁関係がないぶん、余計に、配偶者とは難しいと思う。

でも、俺たちはきっと大丈夫だ。ここ一年くらい、特に息子が生まれてからは、そんな心配しなくなった。たまに少し言い合いはするけど、そんな事は些末なこと。

息子のことはもちろん、世界で一番大好きだ。でも、それに負けないくらい、君のことも大好きだ。同率1位。こんなに素晴らしい事はない。

昔から、イチャイチャしたり、好きとか愛してるとか言い合ったり、ベタベタするようなカップルじゃなかった。今でもそう。けど、大切な事は伝えるようにしている。つもり。足りないかな。でも、君もそんなタイプじゃないよね。お互い、これくらいが居心地がいいんだ。

仕事に行く前、息子を抱っこして玄関まで見送りに来てくれる君。2人の顔を見てから仕事に行けるのが嬉しい。帰ってくると、待ってたよって顔で迎えにくる2人と、お風呂入ったり晩御飯食べたり、そうやって過ごす日々が何より大切だ。

誰かと誰かが出会って、結婚して、子供に誰がが生まれてくる。世間ではそれを奇跡と言うらしい。俺はそういうのは違うと思う。君と結婚しなかったら、代わりに他の誰かと結婚して、子供に他の誰かが生まれてると思う。

だからこそ、だからこそ、他ならぬ君と結婚できて、他ならぬこの子を家族に迎えられた、その事に心底感謝している。これ以上ないくらい価値のある、キラキラした景色。他の何にもかえられない。プライスレスとはこの事だ。

もしもう一度、人生を生きるとしても、選べるなら、また君と結婚したい。そして、この子を産んで欲しい。また、家族で楽しく暮らそう。頑張って稼いでくるから。

その辺の居酒屋で飲むより、君の作ってくれたご飯を食べながら、夜を過ごしたい。ワイン飲んで美味しそうに笑う君の顔を肴に、ビールを飲んでいたい。嘘じゃないよ。本気でそう思ってる。

いつまでも健康で、長生きしてね。2人で一緒に死ねるくらいがいいね。

でも、2人一緒に死んじゃったら、この子が寂しがるかな。甘えんぼだもんね。

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