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あなたへ向けた日記 No.3

俺を産んだ直後の母さんへ。

ふと気づいたら、母さんが俺を産んでくれた歳より上になってしまった。不思議な感覚。母さんが俺の親になった頃は、どんな時代だったろうか。

いまは、その時代と比べてどうか…比べるのも変な話だけど、大変な世界だ。世界中で病気が流行って、外出自粛とか禁止とか言ってる。特に子供が産まれた直後は、それは不安だったよ。これからどうなるんだろうか。せっかく産まれてくれた大事な子が、もし病気になったら。

いつだって母さんは心配症だった。今もそうかもしれないけど、これからもっと心配症になるよ。心配し過ぎだよ、と、俺も弟も、父さんも笑ってた。でも、子供のこととなると同じように心配症になる自分に気づいて、やっぱり親子だなと思う。さっきも、LINEが…LINEってないか。メールも浸透してないか。とにかく、連絡がきた。病気に気をつけてねって。

子供が少し咳をしただけで、ギョッとする。最近はかなり落ち着いたけど、産まれた直後はドキドキしたよ。俺は神様には祈らない主義だけど、祈りたくなった。子供の命だけは助けてください。きっと、母さんもそうするだろうね。

最近涙もろくなったんだ。特に家族のことになると、すぐ目頭が熱くなる。これも母さん似だ。どうしようもない。母さんの血だからね。

いま、目の前にいるちっちゃい子も、30年後には立派…かどうかは分からないけど、とりあえず一人前の大人に成長するよ。安心して。いい嫁さんと可愛い息子と、そこからは遠い地だけど、楽しくやってるよ。可笑しいよ。子供の顔、小さい時の俺にそっくりだ。これもまた親子だね。可笑しいよ。

特に何を言うでもない、まとまりのない日記になってしまったけど。目の前のちっちゃな子も、30年後にはちゃんと一人前の大人になって、これまたそっくりな孫が生まれてるってこと、ちゃんと元気でやってるってこと、伝えたかった。

これから子育て大変だよ。俺は甘えんぼだから。30年後、同じくらい甘えんぼの孫の顔を見られるのを楽しみに、なんとか頑張ってね。

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