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日本の男尊女卑についての考察㊲(古事記⑦神武即位までの道のり②)

今回もよろしくお願いします。
前回はイワレビの
長兄イツセがナガスネヒコから
負った矢傷を悪化させて
憤死し、東征軍の全権を
イワレビに託した。
というところで終わりました。

今回は、その続きから
イワレビ率いる東征軍は
紀伊きい国(和歌山)熊野に
到着した時、巨大な熊が現れ
行手を遮ります。

しかし、その大熊は
すぐに姿を眩まし、
イワレビを始めとする。
東征軍は昏睡して
しまいました。

そこに高倉下タカクラジ
霊太刀を携え現れ
あたりを太刀で
一振り薙ぎ払いました。

すると、イワレビは目を覚まし
タカクラジから太刀を
受け取り声を掛けました。
「この太刀は如何なるものぞ?」

タカクラジは
「その太刀は、昨夜
夢枕にて、アマテラス様と
タカムスヒ様が現れ
そこにタケミカヅチ様が
追って現れました。
タケミカヅチ様が
”天の御子率いる軍勢が
立ち往生している。
そこに其方に授ける
霊太刀•布都御霊フツミタマ
携え天の御子に
お渡しするのだ。”
と言われ、起き上がると
枕元にこの太刀が
御座いましたので
持参致しました。」
と伝えました。

そう言われると
イワレビは太刀を抜き
一振りしました。

すると、あたりの毒気が
去り、東征軍は
ことごとく目を覚ましました。

そこへカミムスヒの
声がイワレビに届きました。
「ここより奥は、
更なる荒ぶる神が
行手を阻むことであろう。
神鳥•八咫烏ヤタガラス
遣わす。そのヤタガラスの
導きに従うが良い。」

するとどこからともなく
三本足のカラスが現れ
イワレビの杖に留りました。

ヤタガラスの導きに
従い、阿陀あだへ入ると
土地の長ニヘモツノコが
(阿陀の鵜飼の祖)
名乗りをあげ、
続いて、吉野川よしのがわへ入ると
川の長・有尾人ヒカが
(吉野川守の祖)
名乗りをあげ
そして、吉野よしの国巣こくそうへ入ると
国巣こくそうの長
有尾人イワオシワクノコが
名乗りをあげました。

こうして、吉野の
土豪の民はことごと
名乗りを上げ
イワレビに服従を近い
帰順していきました。

さらに険しい道を越え
宇陀に着いた
イワレビ率いる東征軍は
宇陀の長兄宇迦斯エウカシの帰順を
示し、歓待を受けますが、
エウカシの企みは
弟である弟宇迦斯オトウカシの内通によって
イワレビにはすでに
伝わっていました。

エウカシは言葉巧みに
罠を仕掛けた豪華な宮に
イワレビを誘い出しました。
しかし、イワレビの配下の矛に
よってエウカシは追い詰められ
自らの罠にかかり命を
落としました。

イワレビはオトウカシと
共に、戦勝の宴を催し
喜びの歌を歌いました。

続いて東征軍は
忍坂おしさか(奈良:桜井市)に
巣食う土雲ツチグモ衆の八十健ヤソタケル達を
破り、兄師木エシキ弟師木オトシキ
兄弟も打ち破りました。

戦いに暮れるイワレビと
東征軍に吉報が訪れます。

天磐船アマノイワフネに乗り
大和国目指し先駆けて天降った。
ニギハヤミがイワレビを訪ねました。
「我が名は、邇藝速日ニギハヤヒ
イワレビ様より先駆けて
大和の地を均さんと天降りました。
今は、ナガスネヒコの妹
登美夜毘売トミヤヒメ
契りを交わし、
宇摩志麻遅ウマシマヂ
儲けています。

義兄ナガスネヒコを
我は流血を避けイワレビ様に
帰順するよう説得しましたが
説得の甲斐なく、
反意を覆そうとしない
義兄ナガスネヒコを誅殺し
首級みしるしを持参致しました。

首級を改めていただければ
我に二心なしと
思し召しておぼしめして頂けるはず
これよりは、
大和国のことごと
そして、
高天原より授かりし
神宝のことごとくを
イワレビ様に献上致します。」
とイワレビに平伏し、
強く忠誠を誓いました。

イワレビはその後
大和国を平定し、
白檮原宮シラカシハラノミヤにて
(奈良県橿原市)
即位し、神武天皇となりました。

ちなみに、
神武天皇はすでに
阿比良比売アヒラツヒメとの間に
多芸志美美タギシミミという息子を
儲けていましたが、
正式な正后を求め
国津神•大物主オオモノヌシが娘
比売多多良伊須気余理比売ヒメタタライスズヒメ
正后として迎え皇后としました。
この時点で天津神と国津神が正式に
一つとなったとされています。

ここまでが、神武即位までの
道のりでした。
この話にも全く男尊女卑
というニュアンスは
出てきませんでしたが
古事記 上つ巻の最後を
飾るエピソードでしたので
忠実に話を進めました。

では、次回は
神武即位までの
道のり①と②を
時系列で
考察していきたいと思います。

今回はここまでです。
ここまで読んで
いただけまして
ありがとう御座います。

次回もどうぞお楽しみ
いただければ嬉しいです。


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