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コラムニスト・石原壮一郎の新刊『押してはいけない 妻のスイッチ』先行公開(#2)

妻が突然黙り込んだ、不機嫌になった、当たりがキツくなった……。夫なら誰しもそんな経験があるのではないでしょうか。理由もなく、妻が不機嫌になることはありません。もしかすると、われわれ夫は気付かぬうちに「押してはいけない妻のスイッチ」を押してしまっているのかもしれません。コラムニスト・石原壮一郎氏の新刊『押してはいけない 妻のスイッチ』(青春新書プレイブックス)が2月16日に発売されるのに合わせて、内容の一部を先行公開いたします。

【スイッチ②】

家族旅行の日程と行き先を妻と相談して結論が出た

「じゃあ、新幹線と旅館の予約しといて」


頼んだほうとしては、とくに深い意味はありませんでした。「スーパーに行ったらビールも買ってきて」と頼むぐらいの感覚だったかもしれません。

しかし、いきなり頼まれた妻は、「えっ、いつの間にそんな話になったの!?」と、激しく戸惑うでしょう。「目が点になる」とは、まさにこういう状況です。

交通機関にせよ宿泊施設にせよ、予約する手間は並大抵ではありません。それもまた旅行の楽しみという一面はありますが、自分で進んでやるのと、誰かに「やっておいて」と言われるのとはまた別の話。

このケースのほかにも、夫の側は自覚がないまま、何となく「妻がやってくれるだろう」と思ってしまっていることは、たぶんたくさんあるでしょう。

そのたびに妻は「どうして私が?」と疑問に思いつつ、「こんなことでケンカしてもしょうがないし」と不満を飲み込んで、そして夫へのストレスを溜めていきます。

まあ、妻は妻で同じことをしていたりするんですけどね。

妻が望んでいること
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夫が「じゃあ、予約はしておくよ」と言ってくれるのがベスト。結果的に自分がやる場合も話し合った上でがいいし、十分に感謝もされたい


石原壮一郎(いしはらそういちろう)
1963(昭和38)年三重県生まれ。コラムニスト。1993年『大人養成講座』(扶桑社)がデビュー作にしてベストセラーに。以来、「大人」をキーワードに理想のコミュニケーションのあり方を追求している。『大人力検定』(文藝春秋)、『父親力検定』(岩崎書店)、『夫婦力検定』(実業之日本社)、『大人の言葉の選び方』(日本文芸社)、『無理をしない快感』(KADOKAWA)、『失礼な一言』(新潮社)など著書多数。故郷を応援する「伊勢うどん大使」「松阪市ブランド大使」も務める。