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Vol.12 やること、やりたいこと

こんにちは。現代文、物理、地学の講師をやっている、石原怜甫です。
 突然ですが、皆さんが志望している学部は何でしょうか。工学部、医学部、文学部に法学部etc… 大学にはたくさんの学部があり、実に多様な学問が行われています。ある特定の大学にしかないといった特色のある学部なんかも多く存在しています。そこでですが、皆さんは自分が進みたい学部が何を目的にしてどのようなことを行なっているのか、知っていますか?自分がやりたいことと、その学部でやっていることを照らし合わせて自分に合った進路を選択するというのはとても大事なことです。
 さて私は「理学部」という名の学部に属していますが、「理学」とは何をする学問なのでしょう。理学部は大まかに数学、物理、化学、生物、地学というふうに分類されます。まとめると自然科学ともいえます。そしてこの学問はよく「社会の役に立たない」とか、「趣味の学問」だと言われます。しかしこれらは大きな間違いであることを強調しておきたいと思います。
 理学の最たる目的は自然の原理や現象の解明です。その原理や現象を研究するのが基礎研究であります。たしかに速やかに、そして直接的に社会の役に立つものではありません。しかし長い目で見ると人類社会の役に立つのがこの理学という学問なのです。例えば、我々が今やなくてはならないものとして使っている電気ですが、まず2000年以上前に琥珀を擦ったところから静電気が発見されました。その後2000年以上電気について研究され、ようやく今のように電気を使えるようになったのです。極端な例ではありますが、基礎研究は生活の根底を豊かにする可能性を持っているということです。理学とは、短期的な成果(この場合の成果とは社会へ貢献するということです)を求めるのではなく、長期的な視野での成果を見越して行う学問なのです。最近ではノーベル賞を受賞された本庶先生も基礎研究の大切さを訴えられています。
 皆さんも色々望む進路はあるでしょうが、どのような道に進もうとしようとしても、その道がどのような方向に向かっているものなのかを把握することは、自分がどこに向かうことになるかを知ることと同義です。今一度自分の進路について詳しく調べておくのもいいかもしれません。
石原

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