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『養生大意抄』- 江戸の養生書を読む 02

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多紀元悳(1732~1801)著の養生書で、全2巻。内容は医家向けではなく一般向けで、心、飲食、起居動作、性、鍼灸薬餌などの養生の要点がまとめられている。著者の多紀元悳(もとのり… もっと読む
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早起きはよい、ただし冬は除く - 養生大意抄15

今回は『養生大意抄』から、睡眠に関する記載をいくつか紹介する。 1.酒食後すぐに寝てはいけない【原文】 ○酒食の後いまだ消化(こなれ)ざるに臥しねむれば、酒食の気滞りて気血めぐらず病となる。若(もし)臥さば久しくねふるべからず。傍(かたわら)の人に言置てよびさまさしむべし。 【意訳】 酒を飲み、食事をした後、まだ消化しないうちに横になり眠ると、酒食の気が滞り、気血がめぐらずに病になる。もし横になるとしても長時間寝てはいけない。そばにいる人に言っておいて、起こしてもらうとよ

『養生大意抄』全文公開 - 養生大意抄16 あとがき

『養生大意抄』の連載は前回で終了しましたが、いかがでしたでしょうか。大まかな内容をおさらいすると、養生術というよりかは、基本的な養生の考え方を中心に書かれたものでした。 やさしく分かりやすい文章で、厳しく摂生について説いてくるので、耳が痛いという方も多かったでしょう。 note上で連載していた解説では、個人的に面白いと思った箇所をピックアップして読んでいきました。原書には鍼灸や漢方との付き合い方、性についての養生法など、さらに多くの情報が記載されています。 本文テキスト