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『養生大意抄』- 江戸の養生書を読む 02

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多紀元悳(1732~1801)著の養生書で、全2巻。内容は医家向けではなく一般向けで、心、飲食、起居動作、性、鍼灸薬餌などの養生の要点がまとめられている。著者の多紀元悳(もとのり… もっと読む
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#メンタル

慢性的な自己解決できない悩みから身を守る方法 - 養生大意抄09

1.暇、ひま、ヒマ 【原文】 ○凡(およそ)徒(いたづら)にうっかりとして日を曠(むな)しく暮すことを深く戒(いましむ)べし。徒にうかうかとして暮せば気たるみ、精神抜て筋脈ゆるみ其うえに心に主(あるじ)なき故、種々の妄念慾心(よくしん)萌(きざし)動(うごき)て果(はて)は病を生ずるに至る者おおし。老年迄堅固に勤たる人の隠居して間もなく病気づく人おほきを見て知べし。冨貴の方或は閑逸(ひま)なる人、又は仕官して暇なく勤(つとめ)し人の致仕(いんきよ)せし、皆読書三昧をよしとす。

所要時間5分「心を静める」忙しさや緊張でのぼせた時のツボ刺激法 - 養生大意抄10

1.心は静かにしてやわらかに【原文】 心は静(しずか)にして和(やわら)かに躁(さわ)がしからざるを養生の一大要務とす。 如何となれば凡人の耳目口鼻の七竅皆上に在ゆへ見聞言語飲食に就て身内の諸気尽(ことごと)く上部へ引あぐることのみなり。 然るに心あらあら忙(せは)しければや神気うかみて気うはつる故、心気おさまらず、惟(ただ)逆上のみにて下降することなし。 素問に気降(くだ)るを順としのぼるを逆とすといへり。気常に逆上して久(ひさし)ければ必病を生ず。気常に順下なれば自