見出し画像

新型コロナウイルスが教えてくれたもの

世界的に新型コロナウイルスが猛威を奮いはじめて数か月。それぞれの国、都道府県で様々な影響が出ていますよね。リモート業務や学校の一斉休校、イベントの中止などこれまでの日常生活を変えざるを得なかった直接的な影響だけでなく、この騒動がきっかけとなり自分のこだわりや価値観を見直された方も多かったのではないでしょうか?

例えば、結婚式。当事者二人にとっては勿論、両親やきょうだいにとっても大切な家族の一大イベントでもありますよね。そもそも挙式挙げない、披露宴不要という明確な意思がある方はこのご時世でも全く問題ないのでしょうが、そうではなく「列席者みんなで楽しめる式を」とか「ささやかでも自分達らしく」と何かしら式や披露宴を挙げようと思っていた方々は、とっても悩まれただろうな、と思います。(万が一にも列席した人が後日発症したら…)と頭をよぎるでしょうし、そもそも招待された知人友人は迷惑なのではないか等々。カップルによっては、親族のみに縮小、リモートの利用、写真撮影のみ、披露宴はコロナ終息まで延長 と当初の計画を変更を余儀なくされたでしょう。

また、『不要不急の外出自粛』という言葉の捉え方がこれほど開きがるのかという事も明確になりました。

3・4月、例年なら新入職員、移動職員の歓送迎会で職場のメンバー全員で参加しますが、今年はどちらも中止。お昼にちょっと贅沢な仕出し弁当を全員で食べて終わりました。勿論業務中ですからアルコールは無しです。それで私個人が感じた事は(別にこの形でも仕事に支障はないな)程度でした。個人的な「飲み」に関しても、大勢でワイワイは元々せず、美味しい物を食べに行く時も2,3人、家でピン飲み主体でしたから、ワイドショーのインタビューで「ストレスがたまる」「めっちゃ寂しい」と話す街の声を聴いても「ふーーん。それはお気の毒に」と思う程度です。

県外への移動に対して私の職場では、表立って「望まない」「出来れば行くな」といった制限は受けませんでしたが、「必ず日程・行先を事前に上席に申し出る」というルールは春には既に出ていました。ので、私の場合で言えば 年末~三が日に埼玉に行って以来 夫のいる埼玉にも、80過ぎの母が一人暮らしをしている東京にも行かず、今日まで過ごしています。それでめちゃくちゃ歯がゆく辛いのかと言われると「そうでもない。ってか今は行きたくない」です。

私が県外移動を控える大きな理由は、道中や行った先で(自分が感染してしまうのではないか?)という事よりも、感染するリスクを上げて(周りに不安や迷惑を与えても致し方ない)と思えるほどの『不要不急な用事が無い』からです。

私にとって 不要不急にあたる外出=日々生きていく上で必要な買い物・通勤通学・食事&心身の健康を維持する為の受診・屋外での運動&行かない事により後悔や心残りが残る見舞い・介護・葬儀 あたりですかね。申し訳ないけれど、今は映画も観劇も旅行も該当しません。すったもんだの「Go toキャンペーン」ですが、万が一を考えれば、やはりあえて使わないかなぁ。近所の公園でキャッチボールしてた方が安全に気分転換できるかなぁ。

微妙なラインなのがカラオケ、日帰り温泉、マッサージ、ジムなどの室内スポーツ。このあたりは提供側の感染予防に加えて来訪者も1,2名のみでの利用+時間制限 とかで何とか出来るんじゃないかと個人的には思います。

市内では阿波踊りの中止が決定したので、例年なら毎夕日暮れになると聴こえてくるぞめきも聴こえてきません。寂しい限りです。有名連の方々は、来年の阿波踊りに向けての練習に関して 感染予防に則ったルールを作り来月から練習再開できるよう計画中だそうです。外ならいいじゃん、と思われるかも知れませんが、阿波踊りって数十人がぴちっと隊列を組んで一方向に向かって掛け声出しながら踊るから「密」っちゃ「密」なんですよねー。一人2メートルも離れて全員揃ったら学校の校庭一面埋まってしまうだろうから、フォーメーションを変えたり動いたり出来ないしね。

現在の私が自宅でしている予防対策ですが、帰宅後や食事前の手洗い、玄関やトイレのドアノブ、水道の蛇口、レンジや冷蔵庫、テレビやエアコンのリモコンなど手の触れる場所のアルコールふき取りを気が向いた時にする程度。職場では毎日一回実施時間を記載してアルコール消毒していますが、決して自宅ではきっちり真面目に消毒している訳ではありません。外出自粛し他者との接触が限られている家では そんなにむきになって対策する必要は無い「はず」です。

だがしかし、シェアハウスという住まいではそうとは言えないのです。いくら自身が外出自粛、外出先マスク必着、室内ふき取りを必死にしていても、ルームメイトの予防意識が低ければリスクは減らないのです。大人数で会食したり旅行、外泊から帰宅し靴を脱いでそのまま自分の部屋へ~ となればバッチいおててでドアノブもトイレのコックもキッチン周りもベタベタ触りまくる事になるのです。

自分の家族なら「帰宅したら手を洗って!」「ハンドソープ使ってちゃんと洗った?」としつこく注意しても問題ないですが、ルームメイトは成育歴も価値観の異なる他人。相手に口うるさく言われてバイキン扱いされるのもお嫌でしょう。しかし、自分の努力が全く無駄になって感染してしまうのは困るし、ルームメイトが感染し濃厚接触者の一人となるのもまっぴらごめんです。

そんな訳で、空気が乾燥して感染者が増えていくであろう秋以降が恐ろしいので、夏のうちに市内近隣でお引越しをしようと思い立ち、数日前にオーナーさんに来月末までを目標に退去を申し出ました。ルーム代安いし、職場にも駅にも歩いて通えてと~っても便利だったのですが、心身の健康が第一ですもの。

私はこれまで(自分は元医療従事者の割にはズボラでいい加減なやつ)と認識していましたが、思い返してみれば洗濯物の洗い方・干し方やまとめフリージング、弁当の衛生管理など、日常の生活の中で結構自分なりのこだわりがあってそれがスムーズに進まないと、お金をかけてでも心地よく過ごせる方法が無いか検討する人間だったんだ、と今回はじめて自己覚知しました。50年以上自身が気付いていなかった自分の一面が、まさかこのコロナ騒ぎで気付けるとは 人生って面白いものですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?