新しい公共政策教育プログラム;探求型のプログラム
さて、先日のポリスコーレ東京ですが、色々な方々からお問い合わせをいただいております。ありがとうございます。今回は探求型の教育プログラムの必要性です。
ポリスコーレ東京における特色の一つは、プログラム型の学習/探求型の学習です。
「探求」というキーワードですと、
最近の「探求」に関して、代表的なものは、藤原さとさんの『「探求」する学びをつくる』です。パース・デューイなどプラグマティズムの議論を紐解きながら教育の現場でのさまざまな実践を取り上げられいます。
このご本の中で示されている、「探求」概念のポイントは、「すべての命題の理性的意味は未来の中に存する」つまり、自分がもつ命題=仮設が正しいかどうかは実践の中で確かめなければ、妥当性は確認できない。何かしらの課題解決へ向けてベストだと思っている命題は、からなずしもベストではない。」そして、「探究」とは、実験などを実証的手法を使用して、絶えず不確定状況→確定状況を進めること。本文中には、『不確定な状況を、確定した状況に、すなわちもとの状況の諸要素を一つの統一された全体に変えてしまうほど、状況を構成している区別や関係がかくした状況に、コントロールされ方向づけられた仕方で転化させること』
なぜ、必要なのか、それは、一般に言われる社会課題解決の自動販売型モデルが機能しない事例が増えてきていると思います。自動販売機モデルとは「現金を投入し、外からは見えないシステムが作動し、出てくるサービスを受け取ることで、市民は、そのシステムの詳細を理解する必要はなかった。」これについては、ケトルが示しています↓。
つまり、確実的状況を前提として構築された事業が機能しない、もしくは、感染症、気候変動などの変化で社会的状況が変化する中で、不確実的状況になっている今、実験プロセスをへて、「探求」を行うべきと思っております。帰納ー演繹のモデルだけでは足りず、推論を軸とした実践及び実験が必要になります。ポリスコーレは推論を通じた実践のプロセスを重要視します。このことについては、定番ですが川喜田二郎の↓です。
次は、政策づくりに関するコミュニケーション手法のブラッシュアップの必要性です。(了)