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地域医療構想(政策短信20201101号)

政策短信とは

地方議会議員向けに、国の政策の動向を紹介します。永田町・霞が関で決まった政策が生活にどう影響するのか、議会質問に向けたポイントなども発信します。

第5回地域医療確保に関する国と地方の協議の場

総務省は、「地域医療確保に関する国と地方の協議の場」の第5回目の会合を開催した(10/29)。これは、厚生労働省が推進する2025年の「地域医療構想」の実現に向け、国と地方が共通の認識をもつための協議を行うための会合と位置付けられている。会議には、全国知事会、全国市長会、全国村長会からの代表者と医療行政を所管する厚生労働省、地方行政を所管する総務省が参加している。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/singi/kuni_chihou/145099.html

地方サイドからは

①公立・公的医療機関等の再編・統合の再検証スケジュールについて思い切った見直しをすべき

②新型コロナウイルス感染症等に対応する医療機関の経営を維持するための財政措置を行うべき

③有事にも対応できる地域医療提供体制の在り方を議論すべき

といった要請がなされている。(GEMMED「新型コロナ対策に注力する中、公立病院等の再検証について「期限を切る」べきでない―国と地方の協議の場」

地域医療構想とは

地域医療構想とは、少子化と高齢化が今後進展していく中で、団塊世代が後期高齢者(75歳以上)になる2025年を目標に、将来人口推計をもとに必要となる病床数(病床の必要量)を4つの医療機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとに推計した上で、地域の医療関係者の協議を通じて病床の機能分化と連携を進め、効率的な医療提供体制を実現する取組みのことをいう。

2015年と比較して、高度急性期・急性期(手術等の集中的な治療により状態の早期安定化に向けて、医療を提供する機能)を提供する病床を2025年までに3割縮減する一方、回復期(在宅復帰に向けた医療やリハビリテーションを提供する機能)を3倍に拡充するなど、現状の医療提供体制から大きな変革を求めている。

必要病床数の推計(厚生労働白書)平成29年版厚生労働白書から抜粋

公立・公的病院の再編・統合の再検証とは

2019年秋には、この地域構想の実現に向け、公立・公的病院を対象として、機能分化等を含む再編・統合の検証が厚生労働省から要請された。

厚生労働省が分析した診療実績データをもとに、「診療実績が少ない」「診療実績が類似している」と判定された公立・公的病院に対し、他の病院との再編統合も含めて、地域医療構想の実現に向けた具体的な対応方針を改めて検討し、地域の医療関係者で構成される地域医療構想調整会議で合意を得ることが求められている。

再編・統合については、当初は2020年9月までの期限が切られていたものの、新型コロナウイルス感染症の流行に伴う医療現場の混乱を受けてその期限は延期されて今日に至っている。地方の側からは再編・統合に対して否定的な見解が多く、期限の設定には後ろ向きな声が多い。

公的病院再検討

厚生労働省のスタンスは

一方で、厚生労働省は11/5に開催した地域医療構想に関するワーキンググループにおいて

新型コロナウイルス感染症対応が続く中ではあるが、この間も、人口減少・高齢化は着実に進みつつあり、これに伴い、医療ニーズの質・量が徐々に変化するとともに、労働力人口の減少によるマンパワーの制約も一層厳しくなりつつある。
こうした中、質の高い効率的な医療提供体制を維持するためには、地域医療構想の実現に向けた医療機能の分化・連携の取組は必須となるものの、こうした取組については、検討から実現に至るまでに相応の時間を要することから、着実に議論を進める必要がある。
工程の内容について、新型コロナウイルス感染症への対応状況等に配慮しつつも、一定のスピード感を意識する必要がある
2025年まで残すところ5年を切った中、2025年以降を見据えた具体的な工程についても議論を進めていく必要がある

との方針案を示しており、粛々と再検討を進めていきたい意向が見え隠れしている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14616.html強調筆者)

実際にあった議会質問

「"地域医療構想" ”再編・統合”」の検索結果

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