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流域治水の推進に向けた関係省庁実務者会議(政策短信20201201号)

政策短信とは

地方議会議員向けに、国の政策の動向を紹介します。永田町・霞が関で決まった政策が生活にどう影響するのか、議会質問に向けたポイントなども発信します。

流域治水の推進に向けた関係省庁実務者会議

国土交通省は、気候変動の影響により頻発・激甚化する自然災害に対し、流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が共同して治水対策に取り組む「流域治水」を加速化させるため、関係省庁の連携のための『流域治水の推進に向けた関係省庁実務者会議』を設置し、第1回実務者会議を開催した(10/28)。

「流域治水」とは

気候変動の影響や社会状況の変化などを踏まえ、河川の流域のあらゆる関係者が協働して流域全体で行う治水対策

のことをいい、例えば、利水ダム等において貯留水を事前に放流し洪水調節に活用することや、土地利用の規制、誘導、移転促進による水害リスクの低いエリアへの土地利用を誘導することなどが例示されている。

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例えば農林水産省では水田による流出抑制や農業排水設備を活用した市街地の浸水抑制などの取り組み事例が報告されている。

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気候変動による水災害の激甚化・頻発化が顕在化

産業革命以前と比べると、すでに1℃程度気温が上昇しており、豪雨による水災害の激甚化・頻発化は既に顕在化しており、気候変動へ適応する取り組みは将来の課題ではなくなっている。

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国土交通省では、これまで過去の降雨、潮位などに基づいて作成してきた洪水、内水氾濫、土砂災害、高潮・高波等を防御する計画を、気候変動による降雨量の増加、潮位の上昇などを考慮したものへの見直しを進めている。

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まちづくりへの影響は

これまでは水災害への対応は堤防やダムの整備等の河川区域を中心としたインフラ整備が中心であったが、「流域治水」では流域全体での対応が必要になる。

これまで道路・河川・下水道などの各分野で、それぞれ単一の目的で事業が実施されがちだったが、社会資本整備総合交付金や防災・安全交付金等の枠組みを活用し、様々な事業を組み合わせた対策を行うことが重要になってくるだろう。

また、災害リスクの高い地域の市街化の抑制はもちろん、既存市街地であっても市街地の集約を進めていく場合も考えられる。水災害の抑制は土木技術的な対応だけでなく政治的な問題にもつながり得るため、今後を注視していく必要がある。

実際にあった議会質問

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