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ゼロからトースターを作ってみた結果/
トーマス・トウェイツ(新潮文庫))


読んで字のごとくのタイトル通りの本である。
いやいや、トースターを作るってなに?

ここで「ゼロ」が意味するものは、「土から掘り出された状態の原料」から「産業革命以前に使われていたものと基本的に変わらない」道具で作る、ということだ。


アートスクールの学生であった著者が、卒業論文の発表の日までにトースターを完成させるべく、まず「鉱山の場所を調べる」ところから、、
と、
相当にワイルドで、抱腹絶倒?なドキュメンタリー。



人類の歴史を紐解くような、思想的とも言える考察もあるのだけれど、基本的には自分の足で歩き、目で見て、感じて、失敗する、というたくさんの時間を感覚的に追体験する、という読み方をしたい。


我が家で夕食を食べながら、「これが肉なのか魚なのか区別がつかない」という発言を子どもがしていて、鶏肉を羽毛をむしるくらいから体験させないと、なんて話を友人としていたら、この本を教えてもらった。


とりあえず読み終わったあと、私にできる数少ないことは、明日子供が学校に持っていくお弁当のサンドイッチを、コンビニで買わずに小麦粉からパンを焼く(ことを妄想する)だ。


2012年に出版された本なので、読んだことのある方もいるかもしれない。
私は子供が”せいさ”に入学したばかりで学校のことはよく知らないのだけれど、せいさの「学び」にとても近いものがあると感じたので、読んでいない方は、ぜひ読んでみてほしい。


1年生 保護者

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